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#467 働いていることで子どもを犠牲にしているという呪文、マミーギルト

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、復職後の仕事が3倍楽しくなる、オンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

母親の罪悪感”マミーギルト”

今日は、私が今週、「これは世の中の多くの人に届いてほしい」と思った新聞記事を取り上げたいと思います。
どんな新聞記事かというと、今週の月曜日の日経の朝刊にあったのですけれども、タイトルが『母親の罪悪感”マミーギルト”』こんなタイトルでした。
「何?マミーギルトって?」と思うじゃないですか。
一言で言うと、「私が働いているせいで子どもに大変な思いをさせている」こんな感じで、母親が子どもや家庭に抱く罪悪感のことをマミーギルトというそうです。
母の罪悪感、もうそのまんまですよね。
こういった想いを抱えるケースが、新型コロナウイルス下で増加している。
日経の調査によると、小学生以下の子どもを持つ女性の74%が、そういった罪悪感を抱えているといい、かつ三割ほどが、新型コロナウイルス下でこの罪悪感が増した。そんな調査結果が出ているそうです。
例えば、保育園が休園になって、子どもが自宅にいながら仕事をしなきゃいけないので、動画ばっかり見せちゃっているとか、子どもが話しかけてきても、仕事中だから、なかなか手をはなして答えられないな、こんな感じですよね。
あと、例えば、仕事が忙しくて残業続きで、子どもの食事が作ってあげられない。
家族のためにちゃんとできない、子どものためにちゃんとできていない、本当はもっとやってあげたいのに、やってあげなきゃいけないのに。
こういった中で抱える罪悪感に名前が付いていて『マミーギルト』。
アメリカでは以前から広く知られる概念だそうです。

50年前の考え方を引きずっている

なぜ多くの人が、こういった考え方を無意識に抱えてしまうのかというと、記事にあったのは、母親が子育てに専念しないと子どもに悪影響があるとする50年前の考え方を引きずっているって書いてあるんですね。
私たちはまだ50歳未満じゃないですか。
でも、生まれる前からある概念を(『社会通念』っていうんですかね、こういうのを)、無意識下で前提に置きながら自分の評価をしてしまう。状況の解釈をしてしまう。
本当に恐ろしいなって思います。

そこで紹介されていた、女性の就労を支援する方のコメントに、仕事を辞めたいと相談する女性から「子どもを犠牲にしている」という言葉を、呪文のように聞きますというコメントが載っていて、そう考えてしまう心境が、ありありと想像がつきすぎて、何も悪いことしてない、仕事しながら、子育てしながら、生活しているだけ。でも、自分に罪悪感を感じながら、たぶん本当は仕事をしたいと思うんですよ。そんな仕事を手放す状況があるということに、胸がぎゅっと締め付けられる想いを持ちました。

名前があることで、希望がある

一方で、希望もあると思うんですよ。読んで思ったこと。
まず、名前がある。
名前があるって、私はすごく希望だと思うんですね。
名前があることで、救われる人がいる
名前があることで、状態を客観的に自覚できるし、自覚できるから、そこから抜け出すことができたり、適切な対処ができる。

このサイクルって、本当にたくさんあると思うんですよね。
例えば、先週の放送でいくと、『バッティングセンター症候群(#459 「余裕がない」にひそむ落とし穴を抜け出す)』まさに目の前の仕事にやみくもに邁進しちゃう状態に、名前が付いていることで自覚ができる、最たるものだなと思いますし、最近のキーワードだと、例えば、『繊細さん(HSP)』という傾向を、「繊細さん」という名前を付けることで、「あ、私の息苦しさって、そういうことだったんだ」って、救われた人も多いんじゃないかなと思いますし、『マミートラック』もそうですよね。あと、『インポスター症候群』。
いろんなものに名前がついていくというのは、私はすごく希望があることだなと思います。
なので、この記事がぜひ多くの人に届いてほしいなと思いました。

わたしのマミーギルト期

ちなみに、私もあったんですよね。
この『マミーギルト』に超はまってた時が。
いつかというと、初めて長女ちゃんを出産し、そして初めて仕事に復職した、初めての両立の時でしたね。
朝、まだ小さい長女ちゃんを保育園に送っていく。
そして、普通に泣く。
そこでまず、「ごめんね」という気持ちが、めちゃくちゃ芽生えます。
仕事もフルタイムでやっていたので、定時で終わって、保育園にギリギリ駆け込む状態だと、周りの子が少ない中で長女ちゃんと再会。
「ああ、早くお迎えにこれなくてごめんね。」
また「ごめん」と思う。
その後、夕飯を作る。
今度は、「時間をかけて作ってあげられなくてごめんね」と思う。
時間がない中で、ご飯食べて、お風呂入って、あっという間に寝る時間。
「余裕がなくてごめんね。」
「ごめんね、ごめんね」だらけですよね。
とにかく子どもには申し訳ない気持ちでいっぱい。
そんな状態にしている自分に罪悪感でいっぱい。
こういう状況だったなって思います。

罪悪感を持つことで、子どもに与えてしまう影響

これから抜け出すことができたのですけれども、私の場合は、抜け出すきっかけが何だったかなと思うと、私自身が罪悪感を持つことで、子どもに与えてしまう影響、そして、私自身が受ける影響
これに気付くことができたというのが、大きかったなと思います。

具体的に子どもが受ける影響って何だろう?と考えてみると、朝晩、「本当にごめんね、ごめんね」と言い続けるじゃないですか。
そうすると、子どもの毎日の見え方が変わっちゃうんだなって思います。
日中に保育園に行っていて、保育園はとても心地良い空間だと思うんですよ。
先生は優しい、離乳食は美味しい、そして仲間もいる。
そういった楽しいはずの毎日が、自分はお母さんに可哀そうなことをされている。「ごめんね、ごめんね」って、すごい悲愴感ある顔で謝られちゃっている。
そうすると、楽しい毎日、日中も、私が灰色に塗り替えているんじゃないかな。
そんな気がしちゃったんですよね。
さらに、子どもも罪悪感を持つと思うんですよ。
「自分のせいでお母さんに大変な思いをさせている。」
その上、極めつけは、苦しそうに仕事して両立する私を見て、子どもはきっと、大人になること、働くこと、家族を持つことは、辛いことだと思い込んじゃったら、本当に嫌だと思ったんですよね。

ついでに、私自身の影響としても、罪悪感を抱えて働くって、辛いし、楽しくないし、もっと言うと、良い仕事もできないなと思いました。
さらに、罪悪感を抱えるせいで、せっかく一緒にいる時間は、子どもの前で笑いたいのに笑えない。
これはヤバイヤバイと思って、この罪悪感を手放すことにつながったなと思います。

目的を忘れずに、先入観にとらわれずに、罪悪感を手放していきたい

今、つい抱えてしまう罪悪感って、50年前の考えを引きずってると思えば、「いや、それは今必要ないな」と思えますよね。
この罪悪感は手放していいんだ。
大概の事は、なんとかなるなって思いますし、あと、自分自身がまず、子どものためにも自分のためにも笑っていられること、これを目的に置いた場合は、その手段というのは、もっと先入観なく選べるんじゃないかなと思います。
夕飯の食卓は笑って迎えたい。
じゃあ、今から手作りにこだわるよりも、今日は牛丼をテイクアウトでよくない?とか(これは先週の我が家ですけれども)、洗濯物がちょっとたまちゃっているよね。まあまあ今日は疲れてるし、寝ちゃって明日でよくない?もしくは、本当はちゃんと干したいけれども、もう洗濯機の中で乾けばいいじゃんみたいな。
目的、ありたい状態を忘れずに、先入観にとらわれずに、罪悪感を手放していけたらいいなって思いました。

というか、そもそも悪いことしてないし。
子どもを持って仕事してるだけ。
パートナーと一緒に、本当に毎日奮闘している。
悪いことをしていないどころか、めちゃくちゃ頑張っている。
それでいいじゃん。
そんなふうに思いますよね。

誰かから見た立場だけで人生が終わる時代は終わった

記事の最後にも、こんなコメントがありました。
良い娘、良い妻、良い母と、誰かから見た立場だけで人生が終わる時代は終わった
自分が幸せになれる方法を主体的に考えるべき
とありまして、本当にその通りだなと思いました。

そんなわけで『マミーギルト』母親の罪悪感に名前があったんだな。
名前があることを希望に、自覚して、罪悪感をみんなで手放していきたい。
そんなふうに思った朝でした。
お聴きいただきありがとうございます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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