見出し画像

#1081 介護の入り口で体験したこと&考えたこと

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週も金曜日がやってまいりました。
そして今日は3月1日。今日から3月がスタートします。
本当に一週間も一カ月もあっという間ですね。

介護は急にやってくる

そんな金曜日に今日は何の話をしようかなと思ったんですけれども、今日のキーワードは「介護」でいこうかと思います。
題して「介護の入り口で体験したこと&考えたこと」として、私の近況を所感も含めて共有できればと思います。

介護というキーワード、皆さん、いかがですか?
すでに向き合っているという方もいらっしゃると思いますし、関心のあるキーワードだという方もいれば、まだそんなに意識するテーマではないという方もいると思います。
私もそんな一人だったんですよね。
介護って身近だけれども、いつ来るか分からないもの来るまでは結構遠いものだと感じてしまう、そんな認識を私自身も持っていました。
今日は金曜日ですので、金曜放送として私が体験したことと考えたことを、つとめて明るくお届けしたいなと思います。

なんで今日の放送テーマにしようと思ったか、そしてなんでつとめて明るくお届けしようと思ったかというと、これはすべてのビジネスパーソンにつながるテーマだなと思ったからなんです。
あくまで放送の内容は、一人の体験談と所感でしかないんですけれども、そこから皆さんのそれぞれの距離感の中で、「介護」というキーワードが頭の中にピンと立つ、そんな放送になればいいなと思っています。

介護はすべてのビジネスパーソンにつながるテーマだと思いました(体験談)

さっそくなんですけれども、まず何が起こったかなんですけれども、今週、私たち夫婦に介護というテーマが突然降ってきたんですね。
わが家は子どもたちと家族4人で生活をしているんですけれども、夫の両親がすぐ近くに住んでおります。
私たちは、そんな夫の両親にこれまで本当にいろんな形で支えてもらってきていまして、出産、育児、両立みたいなところも、夫の両親が近くにいるという安心感と、本当に困った時には手を貸してくれる、この支えがないと成り立たないなと、そんなふうにサポートを受けてきた両親なんです。
最近は70歳を超えて高齢になってきたこともあり、そしてわが家のキッズたちもちょっとずつ大きくなってきたこともあり、支えてもらう形や頻度はぐっと小さくなってきて、本当に子どもたちが大きくなったという感じでした。
そんな中で、今週の火曜日に夫の母が転倒をしてしまいまして、足を骨折しちゃったんですね。
夕方から夜にかけて救急で病院にかかって、自宅に戻れるということでギプスをあてて自宅に戻ってきたんですけれども、なんとその瞬間から、さっきまでできた日常生活がまったく難しくなっているんですよね。
急に来るだけじゃなくて、さっきまでできていたことができない。
今までこれでオッケーだったことがオッケーじゃなくなる。
例えば、帰ってきて玄関に入る。これもちょっとした段差があると、ままならないんですよね。
昨日まで二階の自室で休めていた。そもそも二階まで登れない。
行きたい時にお手洗いに行って、食事の準備をして、家事をして、これも一切できなくなる。
明日からどうしようというよりも、今日からどうしよう、こんな中でどうやって生活をしていこう。
不安と、どうしていいのか全然分からない中で、大混乱が一家を襲う。
こういう状況でした。
ちょうど台湾から一時帰国していた夫の姉と、水曜日に有給が取れた夫と、義理の父と、当事者の母と、私と、不安と大混乱が渦巻く中で途方に暮れる。
こうやって介護ってスタートするんだなって、本当に身をもって体験しました。

ここからがさらに驚いたことなんですけれども、それは転倒した翌日の朝の段階なんですよね。
関係者一同が集まって途方に暮れて、混乱から「一階にベッドが必要だから、今すぐニトリにベッドを買いにいかなきゃいけない」という父をまあまあって落ち着かせながら、何からどうするという中で、私たちが唯一知っていたのが、介護にまつわる諸々をいろんなサービスにアクセスしながら、支援してくれる地域包括センターという拠点が地域にはあるらしい。
あるらしいことは知ってたんですよね。
なので、ひとまずいろいろ焦って動き出す前にお電話をしてみよう。
オープンした時間があったら、足を運んでいろいろまず相談してみよう。
そういった話になりまして、地域包括センターに連絡をしました。
そうしたらここからが驚きなんですけれども、スパッと電話に出て、今すぐ来てくださると言うんですよね。
私たちはてっきりアポでも取って行くもんだと思っていたので、「え、来てくれる?え、今すぐ?」と、めちゃくちゃびっくりしました。
でも、30分もたたないうちに本当に来てくださるんですね。
私たちの知っている日常だと、救急病院でさえも行って待つのに、電話を一本かけて困っているんですと言った瞬間、すぐに行きますと言ってくれる。
そんな仕組みになっているの?と思って、めっちゃびっくりしました。

実際に母の状態とか症状を見ながら、どういった手続きが必要か、どういった選択肢があるのか、今の状態で生活をスタートさせるために、今、何を動いて、どういったことから始めなきゃいけないか、これをめちゃくちゃちゃんと丁寧にガイドして説明してくれるんですよね。
まずここで、昨夜から特に父や母の張りつめていたものが、ちょっと溶けながら希望が生まれてくる。こんな瞬間でしたね。
そこから介護の申請、認定、これは医療機関にも協力をいただくんですけれども、めっちゃ早いんですよ。
朝に相談したんですけど、そうしたら午後の3時には、介護用品レンタルの事業者さんが来て、介護ベッドをレンタルするために自宅に備え付け、それだけじゃなくて介護ベッドを初めて使い、かつケガで体が不自由な母のために、どうやったらうまく体に負担がなく使いこなせるかというのを、めちゃくちゃ丁寧にガイドして、練習もさせてくれるんですよね。
訪問から設置、レクチャーまで、その時間はわずか30分みたいな。
「えー!早、でもめちゃくちゃ丁寧」本当に驚いちゃいましたね。
ベッドが来たり、歩行のための準備をしていただけたり、必要な情報をちゃんと説明してもらったおかげで、朝は本当に混乱して、かつ不安でどんよりしていた状態がうそのように父母に笑顔が戻って、「これでちょっと安心できたね」とか、「これならやっていけそうだね」という期待が持てている。
この朝と夕方の変化に、私も本当にびっくりしましたし、なによりも心から安心したなと思いました。

ケガなので回復が見込めるとはいえ、ここから何カ月単位で全快に向けて頑張っていく。しばらく今まで通りとはいかない生活を送っていくから、みんなでケアをしていかなきゃいけないというタイミングなんですけど、それでも真っ暗闇の中に急に放り出された感覚から、いろんなことが理解でき、そして精神的にも物理的にも、なんとかやっていけるという期待がもてたことはすごいことだなと思いました。

今、言ったような体験をして、最後に小田木所感なんですけど、あくまで個人の所感ですよ。私の場合はというところなんですけど、まず本当に驚いたのが、介護保険制度とそのシステムがすごすぎるなと思いました。
あくまで制度だけの話じゃなくて、それをシステムとしてきちんと機能させる、そこに関わるいろんな業界の方々、行政の方々、その現場を支えるプロフェッショナルまで含めて、すごいな。こんな仕組みになっていたんだ。感謝しかないなと思いました。
ある日突然始まるので、今すぐ相談に乗ってほしい。今すぐ何かが必要。こういう現場のニーズに、ここまでちゃんと応えられるシステムだったなんてということは、本当にびっくりしました。
一方であわせて、今は超高齢化社会と言われている中で、これだけの介護保険システムが本当に安価に利用できる、その財源の持続可能性ってどうなっているんだろうな?それを本当に感じざるを得なかったですね。

支えてもらう側だったものが、支える側に交代をしていく

次に思ったのが、特に親子の関係は、関係の中身だとか距離感は人それぞれだと思うんですけど、やっぱりどこかで、支えてもらう側だったものが、支える側に交代をしていくって、必ずあるんだなと思いました。
そのタイミングというのは、本当に予測が不可能なんですよね。
子どもがまだ小さいうちにくるという可能性だってあるし、子どもがひとり立ちしてからという可能性もあるし、パターンやケースはさまざまだけれども、必ず交代というのは来るんだな、そんなふうに感じました。

最後にもう一個思ったのが、私たちの仕事をしながら生活をするという日々は、偶然の親の健康の上に成り立っているんだなということを痛感しました。
たまたま今は元気。たまたままだ元気。そういうものの上に立っているんだなということを痛感しまして、介護というテーマについて知っておく、そして一方で、どんなに知っていても、やっぱり支え手が一人でも多いことに越したことはないと思います。
これを一人で頑張ろうというのは絶対に無理。
なので、兄弟、家族、そして伝えてくれるプロや、行政の方、とにかく多くの支え手の中で、どうやって介護に向き合っていこうか、そんなふうに考えておくことが、すごく大事だと思いました。

すみません、個人としての体験と所感ですけれども、どこかですべてのビジネスパーソンにつながるなと思いましたので、今日は放送させていただきました。
ありがとうございます。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*スクラ|