見出し画像

#359 変わりたくないという主張も、受け入れるべき多様性ですか?

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、働き方をアップデートしたいあなたのためのオンラインスクール育休スクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

今週のタイトルコールは、駐在先のアブダビから育休スクールに参加してくれている志賀ちゃんが考えてくれました。
志賀ちゃん、ありがとう。

変わりたくないという主張も、受け入れるべき多様性なのか

今日の放送のテーマは、会社においてどこまでが認めて受け入れるべきに多様性なのか?こんな難しいテーマについて考えてみたいなと思います。
この話のきっかけは、私たちが運営するオンラインスクール育休スクラの修了生コミュニティというものがあるのですけれども、先週の金曜日の夜に、この修了生コミュニティで毎月一回開催されている、通称「夜スクラ」、修了しても月一回集まって勉強会をしよう、こういった場で出てきた話になります。
毎月いろんなテーマだとか、ゲストをお迎えして、メンバーが現場の課題を持ち込んでワイワイと楽しく進んでいく勉強会なのですけれども、今月のゲストは、組織開発コンサルトの波上さん。
Voicyにもゲスト登場してくれたことがあるのですけれども、波上さんにゲストでお越しいただいて、その中でメンバーの便宜上Aちゃんから出てきたのはこんな話でした。
#192 組織開発コンサルタント・波上こずみさんに経験を力に変えることについて聞いてみた)

今、会社で仕事のやり方や働き方を変えよう、こういった取り組みを推進しています。
そして、Aちゃんが所属するチームに年上メンバーの方がいらっしゃるのですけれども(57歳)、このメンバーの方が、「僕は変われないから、変わる期待をしないでほしい」こんなふうにAちゃんに言っていると。
そしてAちゃんは相手の話も聞きながら、4ヶ月間向き合ってきた。
毎週一回1on1をやってるらしいのですけれども、毎週一回1on1をして向き合ってきたのだけれども、一向に変化はない。
これをどうしようという悩みになっているのと、一方で「変わりたくない」についても多様性であり、それは受け入れなければいけないのか?こんなモヤモヤを抱えているというのが、そこで出てきた話でした。

もう一度まとめると、今、会社全体で仕事のやり方や働き方を変えよう、こういった中でいろんな取り組みをしている。
その中でチームのメンバーが「自分は変われないので、変わる期待をしないでほしい」と言っている。
そして自分は、そんなメンバーに対して、なんとか考え方が変わらないかなと、4ヶ月じっくり向き合って話も聞いたりしてきたけれども、変化がない。どうしますか?こういう話ですね。
ここで今生じている疑問というのは、「変わりたくない」、「変われない」これも一つの多様性であり、ダイバーシティ推進とかいう中では認めなきゃいけないんでしょうか?もやもや…こういう話です。

どこまでが認めて受け入れられる多様性で、そうでない多様性もあるのか?

皆さんがAちゃんだったらどうしますか?
これは、これ以上の情報がないので、ここだけを切り取って私たちが代わりに結論を出すということはできないと思うのですけれども、どこまでが認めて受け入れられる多様性で、そうでない多様性もあるのか?こんなテーマについて今日は考えてみたいなと思います。
難しいですよね。
でも考えてみたら、確かに起り得るケースだなって思います。
多様性であることを受け入れよう、認めよう。今、こういった考え方が基本になる中で、会社の中で、「頑張りたくない」、「変わりたくない」会社が向かいたい方向に対して相反する考えを持つ、もしくはそういった行動をしていくことも多様性なのか?

ちょっと私なりに整理をしてみました。
多様な人が活躍する。こういったプロセスの中で二段階に分かれるのではないかなと思います。
一つは、多様であることを認める。
その人一人一人の多様性を認めるというプロセスと、そういった多様性を尊重しながら成果に貢献できる。もしくは、多様性を活かして成果に貢献する。
これって二段階。フェーズが違うというか、プロセスが違うんじゃないかなと思います。
要は、一人一人多様な意見だとか、考え方だとか、見方を持つ。
これが、「なるほど、あなたはそうなのですね」という段階と、そして会社や組織というのは、目的やビジョンがあって、そこにチームや組織で向かう。これが会社であり、企業活動なわけで、その中で多様性を活かし合いながら、成果に対して貢献していく。
これって別プロセスだよね。

社会と会社の違い

ここで一つ考えたいのは、企業というところと、社会は私は違うんじゃないかなと思います。
社会については、誰もが安心してそこにいることができる。その中では、働かないとか、変わりたくない、こういったものもきちんと尊重して、そういった考えを持っていても、安心してそこにいることができる。
もちろんルールを守るという前提の上ですけれども、これは担保されるんじゃないかなと思います。

社会と会社の大きな違いというのは、社会は選べないですよね。
一方で、会社は選べる
これには両方の側面があって、個人も自分が働きたい場所を選ぶことができるし、そして会社も一緒に握手すべき人を選ぶことができる
これが会社かなと思います。
その会社の中にいる中で、いろんな価値観だとか、考え方があるわけで、それが全く同じでなければならない、これもそんなことはないと思います。
ただ、個人というのは、プロとしてお金をもらって組織の中で役割を担って仕事をするわけなので、個人が果たすべき義務は、役割を果たす、ここですよね。

会社の中で個人が果たすべき義務は、役割を果たす

そして会社は、一緒に働いてくれる個人をどう見るかというと、役割を果たしているか?そしてもう一つは、どんな影響を与えているか?
この二つを見るんだと思います。
まずベースになるのは、どんな考え方を持っていても、違う見方を持っていたとしても、きちんと役割を果たしているか。そしてその人が、会社に対して、チームに対してどんな影響を与えているか。
これが個人を見る目になってくるのかなと思います。
どっちも果たせてない、役割も果たせてないし、良い影響も与えられていないというと、おそらくその人が活躍し得る場はその会社ではなくて、会社としても個人としても、たぶん違う環境を選び直したほうがいい。
こういう状況があるんじゃないかなと思います。

環境によって力が発揮できない場合

ここで、ダイバーシティってどう関わってくるのか?というところなのですけれども、仮に今、役割を果たしてない、持てるパフォーマンスを十分に発揮できていない、こうなった場合にですね、ちゃんと役割を果たせていないのが、環境によって力が発揮できていないのか、それとも本人の意思や能力がその環境にフィットしていないのか、ここを考えた時に、環境によって力が発揮できていない、例えば、性別だとか、年齢によって、適切な機会が与えられていないとか、上司と相性が良くないとか、もしくはその人が持っている個性や強みと業務のアサインがミスマッチを起こしている。こういった場合は、環境を変えていく必要があるわけで、ここで今、企業が取り組んでいるのが、ダイバーシティ推進なのかなって思います。
要は、その人の個性だとか、強みを活かして、組織の中で十分に力が発揮できるようにいろんなことを変えていく。その力を発揮することを阻んでいることがあれば、それを取り除いたり、もしくはその人がきちんと力を発揮できるようにサポートしていく。
これがダイバーシティ推進なのかなと思います。
女性活躍とか、LGBTとか、介護の問題、これも全部ここに入ってくるのかなと思います。

多様性の視点と、組織の視点の両立

ということで、今回のケースをもう一つ考えると、その方が今どういった考え方を持っているか?というところは、一旦「なるほど、そういう考え方なのですね」ということを前提におきながら、個人として期待される役割を果たしているか?そしてその人が、そういった考え方も含めて、今組織にどんな影響を与えているのか?ここをきちんと考えた上で、ここまで4ヶ月間向き合ってきたということは、4ヶ月間、その人のためにAちゃんが時間を、リソースを投入してきているわけなので、その上で今の状況というのは、Aちゃんが自分の問題として抱え込む必要はなくて、ここまでの状況を踏まえて、組織としてどんな手を打つか、もしくはどういった判断をするのかということを考える段階に来ているのかなと思いました。

そして、このケースでもう一つ投げ込んでくれたテーマというのは、多様であるということをきちんと受け入れる、認めるということと、今、自分たちが何のために何をやっているのか?この目的をきちんと捉え続ける、この二つというのは、相反する二者択一ではなくて、どっちの視点も持って、その時々の状況によってきちんと判断していく、これが大事なんだなと思いました。

Aちゃん、ケースを共有してくれてありがとうございます。
そして、何よりも心から応援しています。
ありがとうございます。
今日は、ちょっと難しいテーマについて考えてみました。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール育休スクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*育休スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|育休スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*育休スクラ|https://www.youtube.com/channel/UCT8k-TH1TMSJVbMPMXxFQBA