サルベージ かたらいやま 03.冬


春霞 外山深山を わたりをり 風にものれぬ 我が身哀しき

雪解水 冬野の川の 堰も超え いづくに向かふ 我のしたくさ

遠近に 吹きゆく風は いにしへゆ 季節(とき)のみ告げて 過ぐるものかと

積もりゆく 言の葉色を 見まがひて 違ふ色みる まなこにも慣れ

冬枯れの かたらひ山は 古の 葉のみ重ねる 時を過ぐせり



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