ぬくもり
あと半歩下がれば首を縦に振り微笑むだけの娘になれるや
トポトポと水を注いで薄めたき絆とされる赤き血潮を
秋の陽を受けて温もる腰椎をさすり八十路の母は微笑む
********
捨てる捨てないから始まって新たに購入するもの、またそれの時期なんかで毎日衝突。
娘さんはそんなものだよ
と、誰からも言われる。
使うのは母なんだから…とは思うんだけど、つい。
ただ、母が言い返して来なくなった。
静かに笑って黙るだけ。
追い詰めてるのか?アタシ。
追い込んでるのか?アタシ。
それでも、シャキシャキ、テキパキと動いてた面影はまだあって、思い通りに動けないことを一番わかってるのは、母本人なんだろうけど。
他人さんなら「そうなんですねぇ〜」って濁せるのに。
ご近所のおばあちゃんだと思おうとするも、そんなものはものの5分で終了。
引っ越しの要領は、引っ越し魔の貴女に教わったんだけど。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?