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#0112 禅の思考で伝える:PREP法を使った効果的なコミュニケーション術

コミュニケーションは人間関係を築く上で不可欠なスキルですが、多くの人がその難しさに直面しています。特に、自分の考えや感情を正確に伝えることは、思った以上に複雑な作業です。この問題を解決するために、PREP法というシンプルながら効果的なコミュニケーション手法について、テレ東のニュース番組などでお馴染みの山川達雄さんが著書『半分にして話そう』で解説されています。まだ著書は拝読していませんが、Voicyの書籍紹介チャンネル『日経の本ラジオ』で解説されていたことと、ネットでリサーチしてみたことをまとめてみました。

PREP法は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論の繰り返し)の4つのステップから成り立っており、自分の主張を明確に伝えるための構成で成立しています。

この方法は、話が長くなりがちな人や、情報過多で本質が伝わりにくい文書を作成しがちな人にとって、メッセージを簡潔かつ効果的に伝えるための強力なツールとなり得ます。

日本文化に根ざした「禅的思考」、つまり必要最小限の要素に焦点を当てるという考え方とPREP法の目指すシンプルさが、深いレベルで共鳴する気もして大変興味深いです。

PREP法を用いて、どのようにしてコミュニケーションの質を高め、相手に自分のメッセージを明確に伝えることができるのかを探っていきたいと思います。(3063文字)


○PREP法とは?

PREP法は、Point (結論)、Reason (理由)、Example (例)、Point (結論の繰り返し)という4つのステップから構成されるコミュニケーション手法です。

この方法は、自身の主張を明確に伝え、聞き手に深い理解を促すために設計されています。では、各ステップを詳しく見ていきましょう。

  1. Point (結論): まず最初に自身の主張や結論を明確に述べます。これにより、聞き手は話の方向性を初めから認識することができます。

  2. Reason (理由): 次に、その結論に至った理由や根拠を提供します。このステップでは、論理的な説明やデータを用いて、結論がなぜ正しいのかを説明します。

  3. Example (例): 理由を補強するために、具体的な例やエビデンスを示します。実際の事例を挙げることで、聞き手はより具体的なイメージを持つことができ、理解が深まります。また、相手が驚くようなトピックを挙げることで、相手の興味・関心を引き付けて具体的なイメージを形成させることもできます。内容や状況次第で冒頭に持ってくることも一つの技です。

  4. Point (結論の繰り返し): 最後に、自身の主張や結論を再度強調し、話を締めくくります。この繰り返しにより、聞き手の記憶にメッセージが残りやすくなります。

PREP法を用いることで、発信する内容はより構造的で、聞き手にとって理解しやすいものになります。特に、複雑な情報を伝える際や、説得力のあるプレゼンテーションを行う際に、この方法は非常に有効だと思います。

○PREP法の効果的な使い方

PREP法は、あらゆるコミュニケーションシーンでその価値を発揮します。以下に、PREP法を用いたコミュニケーションの具体的な例を示します。

会社のミーティングでの提案

  • 結論: 「プロジェクトのデッドラインを2週間延長するのはいかがでしょうか。」

  • 理由: 「現在のリソースと進捗を鑑みると、品質を犠牲にせずに目標を達成するのは非現実的です。」

  • 例: 「実際、人手不足が原因で先月は重要なデリバリーが遅れました。」

  • 結論の再強調: 「よって、プロジェクトの成功とチームの負担軽減のため、スケジュールの見直しは避けられません。」

製品説明時の顧客へのアプローチ

  • 結論: 「当社の新機能により、貴社の業務効率が格段に向上します。」

  • 理由: 「この機能は、煩雑な業務を削減し、ヒューマンエラーの可能性を低減させます。」

  • 例: 「具体的には、人手によるデータ入力作業が従来の半分以下の時間で完了します。」

  • 結論の再強調: 「この機能を利用することで、他の業務にもっと時間を割くことができるようになります。」

実際の例を作ってみると、活用の難易度は高くなく、且つ聞く側も頭の中にシンプルに情報をインプットすることができ、質問や意見を投げかけやすくなるように思います。

○日本文化とPREP法の関連性

日本文化には禅の精神が我々の無意識の下で息づいていると思います。この禅の思想は、PREP法の目指す簡潔さと繋がっているように思います。

PREP法は、結論から始めて理由と例を挙げることで、その結論を補強する構造となっており、メッセージが明確になり、受け手に正確な意図が伝わりやすくなります。どうしても色々なリスクが脳内をかけめぐり、あれもこれもと盛り込んで話してしまいがちですが、石庭のある寺の静寂な様子を頭に思い浮かべながら、雑念をふるい落として、伝えたいことだけに集中するイメージでPREP法を採用・実践することは、意外と我々日本人にあったコミュニケーション方法ではないでしょうか。

禅の思想に根ざした簡潔さと、PREP法の構造的なアプローチを融合させることで、より誤解の少ない、効率的なコミュニケーションが可能です。

○PREP法を生活に取り入れる方法

PREP法を日々のコミュニケーションに取り入れ、習慣化することは、伝える力を格段に向上させます。以下の実践例を通じて、PREP法を自然と使えるようになりたいと思います。

  • 日常的な練習: 会話や文章を通じて、PREP法の構造を意識的に取り入れる。繰り返し練習することで、この手法を身につける。

  • フィードバックの積極的な活用: コミュニケーションの後で、信頼できる人からのフィードバックを求め、それを次回の改善に活かす。

  • 成功例の分析: 効果的なコミュニケーションの例を積極的に探し、PREP法の観点から分析。これにより、理論を実践に落とし込むヒントを得る。

  • ロールプレイ: 実際のシナリオを想定したロールプレイを通じて、PREP法を練習。

  • 定期的な自己反省: 自分のコミュニケーションスタイルを定期的に振り返り、PREP法の適用において何がうまくいったか、どのように改善できるかを考える。

日々の努力により、あらゆる状況で自信を持って意見を伝えることができるようになろうと思います。

○まとめ

PREP法は、結論、理由、例、そして結論の繰り返しという明確なステップを用いて、コミュニケーションを効果的に行うためのものです。この手法は、個人の日常会話から専門的なビジネスプレゼンテーションに至るまで、あらゆるコミュニケーションの場面でその価値を発揮します。

PREP法の提供する構造と簡潔さは、禅と組み合わさることで、よりクリアで誤解の少ない対話を可能にします。「言葉を減らして伝える」精神とPREP法の実践は、意外と日本人にあったコミュニケーション方法なのかもしれません。

PREP法を生活に取り入れることで、コミュニケーション能力を向上させることもできます。日常的な練習、積極的なフィードバックの求め、実例に基づく学習、ロールプレイの実施、そして継続的な自己評価を通じて、この手法を効果的に習得し、実践することが可能です。これにより、どんな状況でも自信を持って自分の意見を表明し、相手との理解を深めることができます。

実践、応用、振り返りを通じて、コミュニケーションスキルを次のレベルへと引き上げていきたいと思います。

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