暗闇を0.1秒だけ明るくして去るだけの才能
「これはサメの財布でこっちはサメのキーホルダー。今日はあんまり生き物身につけてこれなかったな...」
好きなものがある人。
好きすぎるオーラが出てしまっている人。
好きを行動に移してしまった人。
好きを知らない人にまで嬉しそうに語る人。
「熱帯魚とか生き物が好きで春からマリンワールドで働くんです。自分生まれは大分なんですけど佐賀に移って、今度の春から福岡に。お姉さんは福岡の人ですか?」
そんな人に僕は流れ星を見るような目を向けることがある。
見たのは確かなんだけど、一瞬にして消えてしまうから、私はその星をずっと見つめていることもできないでいる。
「今日は熱帯魚のステッカー買えたから、春が来るの、楽しみになりました。もう今日は最高な気分で帰れます」
サメの飼育をするらしい。
サメ映画は見ないらしい。
たとえ暗闇のような世界であっても0.1秒の間だけ明るくして去ってしまうような才能を持つ人が私は大好きだ。
星屑だけは私の心にしっかりと落としていくような人。
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