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魚屋が子ども食堂へ!地域で連携し、食育を推進

魚屋×子ども食堂

小田原市内の子ども食堂へイシダイを提供する取組については、以前のnoteでお伝えしたところですが、今回は魚屋が子ども食堂へ行きブリの解体ショーから、即席料理教室を実施し、しゃぶしゃぶを食べる取組みを行いましたので、その様子をお伝えします。


魚屋の課題×子ども食堂の課題

この取組みは、もともと双方の課題を伺っていたところからはじまります。

はじめに:魚屋のコト

小田原市内には今もなお、多くの魚屋が営業されています。
実は小田原市は人口割合における魚屋の数が神奈川県内でも2位(1位は三浦市)。
風情あり、確かな技術をもった魚屋さんが多いまちなんです。

小田原には歴史ある魚屋さんがたくさん!

そのような魚屋さんですが、かつては地域の食を支える大きな役割があったものの、社会構造の変化により、大型スーパーがそれに代わる存在となりつつあります。

そうしたことから、いわゆる「魚屋離れ」が進んでいるともいえる状況にありますが、魚屋には、大型スーパーにはない魅力があります。

魚屋の魅力はいくつかありますが、代表的なものとして「きめ細やかな対面接客」があります。
大型商店でも当然接客はありますが、「今日どんな魚が美味しいの?」「どうやって食べたらいいの?」「○○円で、美味しい魚を使って刺し盛作ってくれる?」などのお客様の細やかな要望までは答えることができない店舗も少なくありません。(なかには、豊富な品揃えで捌きサービスを提供するようなスゴいスーパーもありますが。)

そんな中、魚屋は、この問いこそが、醍醐味
高い知識・スキルを使って、満足いくものを提供してくれます。

お客様のオーダーを伺い、刺し盛などの加工もしてくれますよ


目利きを活かした仕入れ、高い技術を使った加工・・その道のプロが、お客様のオーダーに合わせて提供してくれる、そんな場所が魚屋なんです。

私たちとしても、魚屋さんの活性化が、まちの水産業の活性化だと信じており、共に時代に抗いながら、魚屋さんのよさを伝え続けたいと思っています。

行きつけの魚屋さんを見つけて、豊かな(魚)食生活を!

魚屋の課題

さて、そんな魚屋さんの課題ですが、課題を探求するにあたって、コロナ禍の折、買受人組合(魚屋さんらの組合)で、「Gyo to 魚屋」という販促事業を行っていましたが、その際のアンケートで次のことが浮き彫りになりました。

  • 「魚屋の来店者は年齢層が高い

  • 「来店する方は『安さ』より、『鮮度』を求めている」

  • 「対面販売で生まれるコミュニケーションや、会話に価値を感じている」

こうした魚屋の良さ・価値を踏まえ、より若い方に来てもらうための取組みを進めていく必要があると考えています。


子ども食堂の課題

一方、子ども食堂の課題についてですが、今回のケースは全ての事例にあてはまるものではなく、かなり限定的な課題であると思いますが、「食事の提供ができない」食堂も増えてきていると聞いています。

外部との関係もあるので、ここで詳細の記載は控えますが、方法を見直せばできることもあります。今回は、魚屋さんとの連携で、この課題を対処しました。

ブリ解体ショー~料理教室

さて、迎えた「魚屋×子ども食堂」の取組み。
今回は、小田原市酒匂で実施されている子ども食堂「はまっこテラス」さんと、同食堂の近所で店を構える「魚鶴」さんにご協力を頂き、ブリの解体ショーからの料理教室を実施しました。

地魚で実施したかったので、ギリギリまで漁模様を見つめながら良い魚を探していましたが、最近は幸運にもブリの豊漁に恵まれたので、いいサイズ、しかも脂が乗った美味しいブリを用意することが出来ました。

小田原で獲れたブリ!9.1kg

小田原でブリ豊漁の様子は各種メディアでも取り上げられているので、よかったらリンクの配信もご覧ください。

そんなブリをお迎えして始まった解体ショーですが、際立ったのは、魚鶴さんの高い技術とトーク力
子どもたちも丸の状態のブリを初めて見る子がほとんどで、驚きながらその様子を見ていましたが、魚鶴さんの軽快なトークでその場に段々とコミュニケーションが生まれ、最終的に会場は大盛り上がり
子どもたちはもちろんのこと、スタッフの大人も大いに楽しめました。
(私は知らなかったのですが、あのねのねの「魚屋のおっさんのうた」で一部大盛り上がりしていました笑)

解体しながらの説明はお手のもの

あっという間にサクまでおろし、その後は子どもたちも参加した「料理教室」を実施。食べたいサイズに切り落とし、そのまましゃぶしゃぶにして食べました。

魚屋さんが優しくレクチャー

子どもたちからは、「美味しい!」と、「おかわり」が連発
中にはひとサクまるまる食べるくらいの勢いの子どもさんもいました。
この反応が、やっぱり1番嬉しいです。

おかわり続出!

さいごに

大盛況のうちに幕を閉じた「魚屋×子ども食堂」の取組み。
子どもたちに魚の良さ・魚屋の良さを知ってもらうことは、即効性はないかもしれませんが、将来に繋がる取組みだと思っています。
(できたら、この気持ちを忘れず、すぐにでもお父さん・お母さんと一緒に魚屋に行っていただいて、また続きを楽しんでもらえたら嬉しいなーと思っています。)

魚屋さんとのコミュニケーション、面白いですよ

食育の推進は様々な切り口があると思いますが、今回の取組みは、子ども食堂をフィールドに、魚屋さんを通じて、海のこと、魚のこと、そこで働く人のこと。
それらを知り、最終的に「美味しい」がちゃんと届く取組み
だったのではないかなと思っています。

今後は、このノウハウを市内を始め、横展開できたら理想的かなと思っています。ご興味ある子ども食堂さん、魚屋さん、よかったらやってみませんか?

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