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不思議な夢を見る話

それを見たのはもう15年以上前だったろうか。

自分は車を運転し見知らぬ場所を走っている。
どうやらどこか目的地があるようだ。

大きい道路は複雑に分岐していてとても覚えられない。

場面が変わり街中の片隅にあるような
曲がりくねった一車線道路を走っている。

以前にも来たことがあるのだろうか?
道路沿いには居酒屋やガソリンスタンドや
何かの店の看板に電気がともっている。

そして脇道に入っていった。
すると周りには大きな木がいくつもあって
急に薄暗くなった。
周りは森のようで人の気配がない。

ほどなく目の前が広く開けて、建物が見えた。

車から降りて歩き始める。
2軒の家がある。
向かって右側は赤い屋根で
白っぽい木で出来た一軒家だ。
玄関までの庭先にはたくさんの花が咲いている。
庭いじりが好きなのだろう。

自分は左側に建つアパートのような所に入っていく。
外観は良く覚えていない、
101号室、目的の場所だ。

中に入ると部屋は二つある。
一つの部屋にはパイプハンガーに掛けた
大量の洋服が並んでいる。
自分が運び込んだ物らしい。
リビングダイニングのような
6畳くらいの部屋でくつろいでいる。
小さいなテーブルがあるだけだ。

この部屋に自分は何度も夢で来ているのだ。

うつ病が重度だった頃は現実だと思っていた。

大家さんに家賃を払わなければいけないのに、
場所が思い出せないと何度もあせったことがある。

家中あちこち契約書を探しまくったり、
鍵をなくしたとあわてて探し回ったりするくらい、
夢だとは思えなかった。

人を連れて行ったことも何度かあったが、
誰だったかは覚えていない。
たぶん会社の子達で、
食べ物や缶ビールを持って行った。

誰かに手伝ってもらいながら
大量の洋服をパイプハンガーに掛けていた。
いつも何かを置きにいったり
置いたものを確かめたりしていたように思う。

赤い屋根の家には年配の
白髪交じりの女性が住んでいて、
どうやらアパートの大家さんらしい。

何度か挨拶したり会話をしたりしたことがある。
いつかの夢では、
長いことアパートを忘れていて
何の手続きもしていなくて、
急いで車で向かいながら
荷物はどうなっているだろうと心配していた。

またある時は、
見知らぬ場所でやたら細い道と
階段で入り組んだ所を、
娘とあるいて保育園に送っていった帰り道で、
そのアパートにたどり着いたこともある。

夢の中で自分は混乱していた。
夢の中の自分はそのアパートのことを知らなかった。

また別の夢では、
鉄パイプ4本で組み立てたやぐらのような
高い場所にある部屋に住んでいた。
ハシゴを登らないと部屋に入れない。

その部屋に誰かが訪ねてきてドンドン扉を叩く。
大きな音で目覚めるとなぜか急に
自分が借りた101号室を思い出し、
あたふたとどうしようかと焦っていることもあった。

何故だか夢の中で自分はあちこち部屋を借りていたようだ。
そしていつもそれが夢なのか現実なのか分からないでいたのだ。

そして昨夜、どれくらいぶりか分からないが、
また101号室にいってしまった。

目覚めてすぐ思ったのが、
ヤバい!荷物置きっぱなしだ。
更新はどうしたっけ?
というまた現実と思っているかのような
考えが頭に浮かんでしまった。

夢であるハズなのに埋めた場所が分からない
宝箱のようにまた自分を混乱させる。

本当にどこかにこの部屋は
あるんじゃないかとすごく不安だ。

でもリアルなら家賃の請求とか更新とかで
連絡が来るだろうからおそらく夢であろうと思う。

なぜ今更101号室が出てきたのか、
思い当たる事は何もないけれど。
漠然と不安になってこれを書いている。

何かの暗示だろうか?
その場所は現実で見たことないけど、
夢の中では何度も行っていて見慣れた場所だ。

記憶とはかなりあやふやだと思った。
思い浮かべると夢の記憶か現実の記憶か、
判別できないからだ。

自分の中にあると思われる101号室の謎を
今後も注視していきたいと思う。


今日も読んでくださった方ありがとうございます。


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