山川三太

石井漠・土方巽記念 国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』フェスティバル・ディレクター

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石井漠・土方巽記念 国際ダンスフェスティバル『踊る。秋田』フェスティバル・ディレクター

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大駱駝艦創立50周年記念二本連続公演『おわり』、『はじまり』

麿赤兒の辿り着いた地平大駱駝艦が創立50周年公演を二本連続公演として上演した。これは、まさに偉業と言っていい。 それは20年より30年、30年より40年が凄いというような時の長さの話ではない。麿赤兒が50年の歳月をかけてほとんどゼロから作り、練り上げた身体メソッドと哲学を若い艦員たちと共有し、その成果を二本連続公演として結実させたことの凄さである。 『おわり』の幕が開いてほどなく、若い男性舞踏手4人が銀色に光るバネ状の物体を頭上に乗せて舞うシーンがある。その足運びの美しさは

    • 私たちは今、「じっとしていて」いいのか  ケダゴロ「세월」

       これまで常に肉体表現の限界に挑む作品を送り出してきた下島礼紗の作品の特徴は、自分が実際に体験していない「事件」を素材とし、そこに肉体の力によって想像の翼を広げてきたことにある。『세월』もまた下島らしい強烈な集団的肉体表現によって、コンテンポラリーダンスシーンだけでなく、あらゆる表現にかかわる者たちの喉元に匕首を突きつける強靱さを持っている。  下島の優れた作品作りのポイントの一つに、作品と現実の構造を重ね合わせて観客に提示して見せるというスタイルがある。『sky』では、連合

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