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【コラム】やめない先に。

ダンス劇作家と言い張って7年。最高に報われた日があったわけではないが、このスタイルやめよう。とは思ったことはなく。それは僕が頑張ったのではなく、その渦に僕を巻き込んでくれた人達がいたからなんです。

□小さな「ヤッタ!」

どんな規模でも、どんな場所でも、自分の信じるスタイルでパフォーマンスをしていると、「面白かった」「なんなんですか?これは?良かったです」とか言って下さったり。
Twitterで呟いて下さったり。とてもわかりやすく、耳に入りやすい所で嬉しい言葉を聞ける時がある。

マスメディアやなどで巨大な数字を見慣れている我々だが、
何万人が絶賛するとか、インスタグラムのフォロワーが何百万人。とかは宇宙で起きている出来事くらいに思って、活動している僕にとっては、体に染み込みやすい数のお褒めのお言葉が“やめない”を続けさせてもらえるエネルギーになっている。

たまに頂くお叱りの言葉も、身の程にあった数になるので、それに潰されたりはせず。むしろ有難い言葉になり、やはり”やめない“原因を僕にくれる事になる。

もう少し長く続けると、今度は外で、僕のいない所で「○○さんが、凄く作品が好きだと言っていたよ」と誰かから伝えられる。これはもう僕の中のリトル熊谷が、小さくしっかりガッツポーズである。

□不思議とやめない人になる

リトル熊谷が小さなガッツポーズをとってるうちに、もちろんしっかりと凹む事もあるが、程よくまた「良かったよ」が体に届き、染み込んで、さぁ、次だ!と進んでいく。

僕にはしっかりと届く色々な方からの栄養は、外からは見えていない事がほとんどで。だからだんだん周りが不思議がる。長い間何かに耐えながら、それでもくいしばってる男に見えてきて、それでもなんだかヘラヘラ楽しそうなので、もしかしたらこの人どのかのネジが外れたんじゃないだろうか・・・とまで思ってもらえたらそれはもう、好きか嫌いかは抜きにして、“その人がいる”と認知されることになる。

このサイクルの繰り返しの中で味方になって下さる方々が出てくる。
そんな時は、ただただ感謝。それ以上の事を出来る身の程ではまだない。

□遠くで見た人に出会う

相変わらずの小さなガッツポーズを続けていると、ふいに「舞台観たいです」「この前の舞台観たかったのにスケジュールが合わなくて」という言葉をかけてもらえるようになる。この言葉を“なんだ観てないのかよ”と思わずに、“まだ続けたらこの人に観てもらえる日が来るんだ!”と思うくらいの健全な精神はここまでくると不思議と身につけているもので。もう“やめる”選択肢が体の何処にもなくなっていることに気が付く。

小さな不幸や多きな凹みは日常的におそっては来るが、
味方がいる事、まだ知らない遠くで知って下さってる方がいる事を思うと、目の前の事から一瞬目をそらす健全な現実逃避も楽しめる。

□今何処にいるのかわからない

遠くで見ている人に気が付くのには、かなりの時差があり。
誰もわかっちゃくれないと思っていたあの時期に、あの人は見ていてくれていたんだ。と思うと、目の前が真っ暗な時でも、長いトンネルにでも入ったくらいの感覚である、抜けたいなら動くしかないし、抜けるのを待って下さっている人もいるかもしれない。

トンネルかと思っていたら、実は深い深い地下に潜ってしまっているのかもしれない。それでも潜り続けたら誰か後ろについ来てくれているかもしれない。それが蟻の巣みたいになったら、それはそれでまた世界は広がるだろう。

今自分がどの辺りにいるのかわからない事は普通の事。

どんなに便利になって空から今自分が何処にいるのか教わることが出来ても、知ることの出来ない自分の位置があるってのはロマンですなぁ。

ダンス劇作家
熊谷拓明

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ダンス劇作家『熊谷拓明』

踊る事、話す事、歌う事、食べる事をスルスルと行き来するオリジナルジャンル『ダンス劇』を作って、 舞台を作って、自分で演じて。 2019/11/2~30 千歳船橋アポックシアターにて、一人ダンス劇を25日間40公演。 Webサイト odokuma.com
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