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なぜ無能な上司が増えるのか?『世界は経営でできている』の真実 ビジネス書レビュー

本の概要

『世界は経営でできている』は、経営学博士である著者が、私たちの日常生活や社会のあらゆる面に「経営」の視点を持ち込み、より良い人生を送るための新しい思考法を提案する一冊です。この本は、仕事、家庭、恋愛、勉強、老後など、様々なテーマに対して、経営の概念を用いて解決策を示しています。

本書の核心は以下の3つの主張にあります:

  1. 本当は誰もが人生を経営しているのに、それに気付く人は少ない。

  2. 誤った経営概念によって、人生に不条理と不合理がもたらされ続けている。

  3. 誰もが本来の経営概念に立ち返らないと、個人も社会も豊かになれない。

著者は、「価値創造=他者と自分を同時に幸せにすること」という究極の目的に向かって、経営の本質を問い直し、対立を解消することで、豊かな共同体を築くべきだと説きます。

要約

無能な上司の理由

なぜ多くの組織で無能な上司が増えるのか?それは「ピーターの法則」によって説明されます。この法則は「人は無能になるまで昇進する」というもので、結果として無能な上司が増えるのは避けられないとしています。つまり、能力が認められた社員が昇進し続け、最終的に自分の限界を超えたポジションに達した時点で、その人は無能な上司となるのです。

日常の経営

本書は、私たちの日常生活の様々なシーンに経営の視点を取り入れることを提案しています。例えば、家庭での役割分担や夫婦関係も「経営」として捉えれば、効果的なコミュニケーションと協力が重要であることがわかります。飲み残しを置き忘れる夫に対して、ただ叱るのではなく、なぜその行動が起きるのかを考え、解決策を見つけることが求められます。

経営と価値創造

価値創造とは、自分と他者を同時に幸せにすることです。この考え方を基にすると、対立を解消し、共に成長することが可能になります。例えば、職場でのトラブルや競争も、価値創造の視点から見れば、双方が利益を得る方法を見つけることができるのです。

経営の誤解

多くの人は、経営を「利益追求」と誤解していますが、本来の経営は「価値創造」であるべきです。利益を追求するあまり、他者を犠牲にするのではなく、共に成長し、豊かになる道を探すことが重要です。

感想

『世界は経営でできている』は、経営の視点から日常生活を再考する一冊です。私自身、読み進める中で多くの気づきを得ました。特に印象的だったのは、無能な上司が増える理由を「ピーターの法則」で説明する部分です。確かに、職場で見かける無能な上司も、この法則に従っているのかもしれません。

また、家庭や恋愛における経営の視点も非常に興味深いものでした。経営というとビジネスの世界だけの話かと思いがちですが、実際には私たちの日常生活のあらゆる面に適用できることがわかりました。例えば、家庭内での役割分担も、効果的なコミュニケーションと協力が重要であり、まさに経営そのものです。

一方で、本書は経営に対する誤解を解くための重要なメッセージを伝えています。多くの人が経営を「利益追求」と捉えがちですが、実際には「価値創造」であるべきだという著者の主張には、非常に納得させられました。利益だけを追求するのではなく、他者と共に成長し、共に幸せになることが本当の経営だという考え方は、これからの社会にとって非常に重要な視点です。

しかし、一部の読者には本書の内容がやや難解に感じられるかもしれません。専門用語や具体的な事例が多く、経営に対する基本的な知識がないと理解しづらい部分もあります。それでも、時間をかけてじっくり読み解く価値がある一冊です。

終わりに

『世界は経営でできている』は、経営の視点から日常生活を再考し、より良い人生を送るための新しい思考法を提案する一冊です。無能な上司の増加や家庭内の問題など、私たちが日々直面する様々な課題を経営の視点から解決する方法を示しています。ビジネスマンにとっても、家庭や恋愛においても役立つ内容が詰まっており、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと新しい発見と気づきが得られることでしょう。


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