マガジンのカバー画像

私と息子の発達障害

7
この文章は2018年前半にある団体の会報に3回にわたって寄稿したものです。 自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の私とADHD・LDの息子の話です。
運営しているクリエイター

記事一覧

今の私と息子(私と息子の発達障害その3-2)

(3-1より)  3)「仲間」としての息子  息子に「自分で考えなさい、自律心を持ちなさい」といくら言ってもダメだ、なぜなら「私の言うことに従う」のは「自分で考えること」ではないからだ、というのは理屈では分かっていました。  でも「私に逆らいなさい」とは言えません。  そんな中、息子が 「一緒にTRPG*(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)をやらない?」 と誘ってきました。  最初は難しそうなので断っていたのですが、息子は諦めず、私が興味を持つよう本などを色々紹介して

今の私と息子(私と息子の発達障害その3-1)

 1)「顔色を見る」息子  小さい頃、衝動的に動く息子を危険から遠ざけるために私はずいぶんと強く「ダメ」を言ってきました。就学後も忘れ物を繰り返したり宿題をしていかなかったり、様々なことについて強い口調で叱ってきました。そしてなぜダメなのか、分かるまで説明しようとしました。  しかし、#ADHD の彼にはこれはあまりいいやり方ではありませんでした。  彼はいつもよい返事をしますが、守ることができません。いきおい私は「何で言ったことを守らないの」とさらに叱ってしまいます。  

子育て期間(私と息子の発達障害2-2)

 (2-1の続き)  その頃、私は自分自身が #ADHD ではないかと疑って(片付けられない、考えがあちらこちらに飛ぶ)メンタルクリニックを受診しました。  検査したところむしろ自閉症スペクトラムだとの診断でしたが、息子のことを話したところ、連れてくるように言われ、#リタリン (下記注)の処方を受けるようになりました。  これが効いて、高校では授業を受け続けることができたのだと思います。学校では各種の資格取得を推奨していて「危険物取扱責任者」の資格なども取れました。  進路

子育て期間(私と息子の発達障害2-1)

 さて、「私と息子の発達障害とはどういうものか」を書いたところで息子の子供時代のエピソードを時系列順に書こうと思ったのですが、あまりにも多い上、どれが #発達障害 的でどれがそうでないかを切り分けるのも難しいことに気がつきました。  とりあえず発達障害の診断や対応の経緯を中心に、思い出したことを書いていこうと思います。  小さい頃は「人見知りせず好奇心旺盛でちょこまかと良く動く子だな」と思うだけでしたが、小学校3年生頃から書字を中心に困難なことが目立つようになってきました。

私と息子の発達障害1へのツッコミ

先に掲載した「私と息子の発達障害1(1-1・1-2)」を読んだ息子からの補足です。(こちらも同一の会誌へ寄稿) ------------------------------------------------------------------------- どうも、作成が遅くなって申し訳ありませんー 1.私と息子の発達障害  主に何も考えず突っ走る俺と、予定を立てて動く母の食い違いが酷かったですね!旅行とかでも勝手に俺が買い食いに行ってはぐれたりとかあった記憶が 1)

私と息子の発達障害1-2

3)息子のADHD  私の息子は平成元年生まれです。小学校6年生の時に #ADHD 及び#LD と診断されました。我が家は夫、私( #自閉症スペクトラム : #アスペルガー症候群 )、息子の3人家族で、夫はややADHD寄りの定型発達だと思われます。  息子のADHD( #注意欠陥多動障害 )には次のような特徴が見られます。 ・子供の頃はいきなり飛び出す・走り出すなど予期せぬ行動が多く、常に手を強く握っていないと危険な状態でした。 ・教室では先生の質問が終わらないうちに大きな

私と息子の発達障害1-1

この文章は2018年前半にある団体の会報に3回にわたって寄稿したものです。ここには各回をさらに2回に分けて掲載します。 1.私と息子の発達障害 #発達障害 は、おおまかに #自閉症スペクトラム ・#ADHD ・ #LD の3種類に分けられます。  私は自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)、息子はADHDとLDです。この2者はある意味対照的なものの考え方や行動をするため、これがわかるまでお互いに大変な思いをしてきました。 1)発達障害について  発達障害は脳の作りと働き