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「人手不足は、パート・アルバイトの賃上げや人材活用に変化をもたらすか」を読んで考えたこと

こんにちは
イデアレコードの左川です。

どの業界でも「人手不足」というキーワードは重要なものとなり、採用での超売り手市場を後押ししている。そんな中でリクルートワークス研究所の「人手不足は、パート・アルバイトの賃上げや人材活用に変化をもたらすか」を読んで、備忘録をとして考えたことをまとめておく。

太田氏は、「既存の研究成果から、最低賃金の上昇は求人を減らす傾向がみられます。ただ、実際には景気動向に左右される面も大きいです」と指摘する。つまり、好景気で労働需要が多ければ、最低賃金が上昇しても求人数はあまり減らない。実際、最低賃金額の決定では景気動向も判断材料とされるため、景気拡大期には比較的大きく引き上げられる一方で、景気後退期には据え置くこともある。

「人手不足は、パート・アルバイトの賃上げや人材活用に変化をもたらすか」より抜粋

外食業界においては店舗スタッフのアルバイト・パート比率が高いことから、賃金は上昇しているが同時にモバイルオーダーやAIコールなどのDXへの転換も進められているのが実情だ。そのため今までよりも安い人数でオペレーションを回すことを目的として様々DXサービスの導入が進められている。スタッフ一人の人件費は20万程度かかるが、DXサービスであれば安いもので月々1万円程度で抑えられるので、人じゃなくても良いものはどんどん置き換えられていくことであろう。

社員の採用難についても、多くの場合「賃金が低いから集まらない」という議論に至らないために、不足感が持続しているという。
「理論上は人手不足なら賃金は上がり、労働者が集まって不足感が解消するはずです。しかし正社員については、人手不足のプレッシャーが賃上げに直結しづらい構造になっているため、賃金がなかなか上がらない状況が続いてきました」

「人手不足は、パート・アルバイトの賃上げや人材活用に変化をもたらすか」より抜粋

採用難によって採用者の希望年収は確実に上がってきている。それに伴い外注費も上昇しているため、採用できないので外注するという選択肢も取りづらくなってきている状況だ。また中途採用での年収が上がってくると、既存社員とのバランスが崩れていき、より高い年収を求めての離職にもつながるため、全体的に賃金は緩やかに上がっているのではないだろうか。

太田氏は、「パート・アルバイトの賃金が正社員に比べて上昇することで賃金差が縮小した場合、これまでパート・アルバイトだった人が正社員に転換されやすくなる可能性も考えられます。その際、正社員と非正社員との仕事上の代替関係が1つの論点になります。代替性が高ければ、賃金差の縮小が正社員へのシフトを引き起こす可能性が高いです」と指摘する。

「人手不足は、パート・アルバイトの賃上げや人材活用に変化をもたらすか」より抜粋

実際、アルバイトから正社員への転換は増えていると思う。アルバイトをしていた理由にもよるが、正社員への障壁がないのであれば、より安定した給料となることに抵抗感は少ない。企業側も「人手不足」を背景により安定したリソースを確保したい思いは高まっており、正社員への転換は増加していくことはしばらくは続くのではないだろうか。


企業もビジネスをしているため、賃金がこのまま右肩上がりに上昇していくことは考えにくい。人ではなくAIやシステムによる置き換えに舵を取っていく企業も増えていくだろう。そうなったとき「人手不足」「賃金上昇」は打ち止めになるのか…気になるところである。

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