見出し画像

生半可な気持ちで読んで打ちのめされる… | 「居酒屋」(著:ゾラ 翻訳:古賀 照一)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

twitterでゾラの「居酒屋」が面白いというつぶやきを見て、外食業界に携わる身としてこれは是非とも読まなくては!と買ってみたものの生半可な気持ちで読んではダメな作品でした。。。

洗濯女ジェルヴェーズは、二人の子供と共に、帽子屋ランチエに棄てられ、ブリキ職人クーポーと結婚する。彼女は洗濯屋を開くことを夢見て死にもの狂いで働き、慎ましい幸福を得るが、そこに再びランチエが割り込んでくる……。《ルーゴン・マッカール叢書》の第7巻にあたる本書は、19世紀パリ下層階級の悲惨な人間群像を描き出し、ゾラを自然主義文学の中心作家たらしめた力作。

amazonより抜粋

文学部に通っていたのにゾラの作品は初めてであり、しばらく古典的な作品からは遠ざかっていたこともあって、読むのに苦戦してしまいました。文体もさることながら、描写が細かいところまで繊細に描かれているため、自分の頭の中で物語をイメージするのが逆に時間がかかってしまった感じです。

とはいえ、19世紀パリ下層階級における悲惨な人間群像には圧倒されるしかありません。こちらの想像を超える展開が次から次へと繰り出され、「これで幸せになるのか」という期待はことごとく裏切られていきます。「居酒屋」というタイトルから、現代における「居酒屋」を想像してしまうと痛い目にあいます。「酒」は人を狂わせます。特に「安酒」に溺れると身を滅ぼします。これは19世紀のパリだけでなく、現代日本においても同様です。

終盤からの展開は絶句しますので、ご注意を。
「ナナ」も読もうかな、悩む…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?