現役スキー場をレース会場にするということ
JNCCのあと、気になっていたのがこのネットだった。
そりゃJNCCだもん、下りでもアクセルオンできるライダーは一定数いる。アケアケとはいかずとも、スピードを生かし、リアをロック寸前で引きずり、どこかのポイントで強めにフロントをかける。ブレーキはネットに打撃を与える。
そんなわけで、うまいライダーが多ければ多いほど、その掛けたパワーでぼろぼろになるわな。
あと、単純に台数の問題もある。
昔は大きな大会でもせいぜい150~200人くらい×(ほぼ)3~6時間クラス1本勝負だった。今は倍の人数だしクラスも多いから、単純に使用時間と踏む回数が爆上がりしている。
(上の写真は下のtacさんのツイートからいただきました)
ちなみに最初はこんな感じだった。
(写真はフラットさんからいただきました。ツイートは後半に掲載します)
案の定というか、やはりトラブルになっていた。
ノーコントロールと呼ぶほどの傾斜面だから、あそこは雪の定着率が悪いのだ。雪だけでなく、土砂も流れやすい。石も転がる。だからネットを置いて対策している。
つまりあのネットは、スキー場を使うレースには付いて回る。みんなの嫌がる水切りもそうだ。なめらかな斜面はスキー場の命だからな。水をいかに逃がすかは、それを保つためのポイント。
(この手のネットは箕輪の専売特許ではない。どこのスキー場にも必要だと思われる場所に設置してある。)
(その対策ネットがあれだけボロボロになったのを見るに、スキー場からのクレームが気になる。言い出すとキリがないので割愛するが、シーズンインまでに補修できるのか、急がせることで費用も嵩むのではないか、などなど気になる点は多い。)
そのあたりをわかってるライダーは、来シーズン以降も箕輪が使えるかどうか気にしている。東北方面はレースが少なめなので地元開催は保持したいからな。
というノーヘル問題をはじめマナー面の指摘ツイートが多くみられた。
が、この先万が一箕輪が使えなくなることがあったら、決してマナーだけの問題ではないこと、覚えててほしい。上記のマナー面は、まだまだ表面的なお話で、本質的な問題はやっぱり いかに路面を傷めないか? のほうなんだ。
という心配が頭を離れなくて、水曜定期の記事を仕上げる前にコレ書いてたら、さらに詳細を伝えてくれた方がいた。(上で紹介した写真はここからいただきました)
ま、こういうことなんだよ。
だから現役のスキー場は、バイクの使用は夏前まで なんて条件を付けてくる場所もある。夏に下草が生えれば、路面の回復が見込めるからだ。
荒れた路面のまま水が流れるシーズン(梅雨でも台風でも雪解けでも)を迎えてしまうと土砂の流出と地割れの心配がある。だからスキー場の人は、草が禿げて路面が露出するのをほんとうに嫌がるんだ。
そういうわけで、今回の箕輪の路面を見て、俺、不安になってたんだよね。
なので今回は担当順番を繰り上げて、せっせと書いたよ。まあ、引用ツイートばっかで文字はほとんどないけどさ。
それにつけても、これが現実。やっぱりバイクが走るのは、スキー場の存続に関わるダメージを残しちまうんだなあ。これ、どうにかせんとな。
ヨーロッパではHEDでもタイヤはFIM縛り。もしかして日本でも、そろそろそういうことを考えなきゃならんのかなあ?と思ったり、思いたくなかったり。
いや、いくらタイヤをFIMにしたって、今の人数を走らせてるうちはダメージ軽減なんて無理や。FIMならローインパクト、じゃねえんだわ。ローインパクトな走りをできる人がFIM使うからソレ可能なんだわ。
実は、昔はこんなこと話題にもならなかった。
なぜなら、スキー場を走れるのは年にせいぜい数回だったから。(そして1つのスキー場では年に1回だけだったから)。
おまけに、こんなに大勢走らなかったから。(人数の問題はほんとデカイ)
そして、初心者レースはスキー場ではやらなかったから。(WEXを否定してるのではなく事実を述べたまで。MXコースベースのグルグルエンデューロ、今となっては希少だもんな。でもアレがあったからマディでもブラジルにならない人を育成できてた気がするよ。)
クロカンは楽しいけれど、このままでは俺らライダーが路面を食い尽くしかねない。そろそろ本気で対策を考えないといけないな?
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