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デザインの筋トレ〜物事を見通す4段階、視察→観察→考察→洞察〜

#観察スケッチ の人たちでも挫折組や復帰組がちらほら出つつ、途中休憩しながらもきちんと続いている人もいたりで見ていてとてもおもしろいです。

実は観察スケッチ自体は特にすごく新しい手法ではなくて、10年以上前に師匠から習った手法をちょっと現代風にリファインしただけです。歴史上でもレオナルド・ダヴィンチが取り組んでいたスケッチブックが現存していたり、ある種のクリエーターはみんな無意識にやっているはず。

とはいえ、まだまだ全体的にプロダクトスケッチ(人工物)に寄っている印象もありまして、今日はもうちょっと視野の広がるお話をしましょう。マンネリ気味な方にちょっとした参考になれば嬉しいです。


物事を見通す4段階

まず、物事を見るには4つの段階があります。

- 物事を見る4段階 -
視察:実物をよく見て把握する
観察:現象を客観的に理解する
考察:よく考えてさらに調べる
洞察:意図や思想や本質を理解

視察は実物を見る

視察はよく政治家さんとかで使っているのでさらっと見るくらいなイメージかもしれませんが、視察は実物を見るのが大事です。写真を見て描く場合もあるかもしれませんが、見れない部分は想像になってしまいます。できるだけ実物に当たりましょう。風景とか建物とかなら現地へ行くのが大事!人物なら実際に会う。リアルが大事って事です。


観察は客観視と問い=イシューの設定

観察は客観的に理解するというのがポイントです。観察スケッチの大事なところは、この客観視の視点です。普段は意識のいっていないところを、じっくりと見ることで疑問点を洗い出しましょう。よく見て、なんでこれはこうなってんだ?と見つければ、観察スケッチのゴールはすぐそこです。問い=イシューの設定こそ観察の目的です。


考察は仮説立てて検証〜調査

考察は裏付け、調査などで要因を把握することです。ここはネットの出番!Googleなりハッシュタグ検索なりで、先ほどの観察で出た疑問点などを調べてみましょう。でも専門的なものはWEBにない場合もあるので、専門書を当たるのもアリ。人間は忘れやすいし記憶にバイアスかかるので、スマフォとかで写真撮っておくのもあとあと効いてきます。

大事なのは、いきなり回答を調べるのではなく、自分の中で仮説を立ててから答え合わせをすること。いきなり回答を調べてばかりいるよりも、仮説を立てて検証することを繰り返すほうが学びの深度があります。世の中には答えの見つからない問いもたくさんあるので、自分なりの仮説を立てる力は重要です。


洞察は本質への理解

そして、洞察は本質を理解して見通すこと。

これ、一言で言っていますけどそうそうできるもんじゃないです。洞察力を身につけるのが観察スケッチのトレーニングの目的ですが、一朝一夕ではまず身につきません。だからこそ、毎日少しづつ続けるように師匠からは言われていました。

ちなみに、僕が今までで実際にお会いした一流と呼ばれるデザイナーやアーティストやミュージシャン、アスリートの方々は皆さん揃って研ぎ澄まれた洞察力を持っていました。これは10数人程度の少ないサンプル数ですが、一流と呼ばれる方に一人も観察力の弱い人はいませんでした。


観察スケッチでの問いの設定事例

以上、あとはみなさんガンバッテー!で送り出しても良いですが、僕は割と過保護でマメなタイプなので、観察のポイントになる問いの設定事例を書いておきます。

ほとんどの場合に使える設問にしておきますが、観察対象によっては当てはまらないこともあるので、柔軟にいろいろな問いを考えてみてください。

観察スケッチの使える問い=イシューの例

・なんでその形なのか?
・なんでその構造なのか?
・なんでその寸法なのか?
・材料のその厚みは何故なのか?
・なんでその色、仕上げなのか?
・値段はどうやって決めたのだろうか?
・どうやって作られているのか?
・今より良くするにはどうするか?
・今より安くするにはどうするか?
・他の素材で作ったらどうなるか?
・言葉(単語)でイメージしたら何だろうか?
・温度感でイメージ、暖かいのか冷たいのか?
・触感でイメージ、ツルツル?ザラザラ?
・人でイメージ、擬人化したらどんな人?
・大きくしてみたり、小さくしてみたらどうか?
・食べられるとしたらどんな味だろうか?
・自分ならどうデザインするか?

どうでしょうか?パッと思いついたものを列挙してみましたが、ここら辺を考えながら観察スケッチに取り組むと、学びの深度がグッと深まります。

上記は物に寄った内容ですが、僕の仕事ではよく店舗の調査に行くので、レイアウトの理由や客席数、店内導線の組み方、客単価、オペレーション=運営方法のシステムなんかを観察スケッチしながらブツブツとずっと考えたりしています。

観察の視点の創造=問いの設定がその人のモノを見る目そのものなので、ここの工夫はクリティビティの発揮のしどころです。みなさんのオリジナリティ溢れる観察スケッチが見れるのが楽しみです。

問いの設定のコツは主観と客観のスパイラルで考える事なのですが、いずれまた詳しく書きます。



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