「なつやすみ」という地獄について
暑い。東京はなかなか空けない梅雨が終わった途端に一点猛暑、7月なのに涼しくて心配...とか思っていた僕の不安を返して欲しい。なんだよこれ、暑すぎるだろ。
僕はワケあって日本よりもっと南の赤道直下の常夏の国で生まれた。
幼少期、ギリギリ記憶のない2歳ちょっとまでフィリピン共和国という国にいたので、暑さにはそこそこ強い。
なんでも、幼少期に過ごした地域によって使われる毛穴の数が大体決まるらしい。
雪国だと毛穴少なめで寒さに強いが体内の熱を逃しづらくなり、常夏の国生まれなら毛穴バリバリ全開放で暑さに強くなるらしい。(でも寒いと体温が逃げまくり鼻水が止まらなくなる)
そんな炎属性を持って育った僕にとっても、この気温と湿度と直射日光はそこそこしんどい。水属性の人とか氷属性の人とかだいじょうぶ?溶けちゃってない?
こんな気温なのに昼間に移動とか仕事とか、気が狂っているとしか思えない。
「なつやすみ」という地獄
気が狂っているといえば、わがやにも気が狂っている方面の生物が2匹ほどいる。愛すべき娘たちだ。
長女5歳(ようちえん年長)と次女2歳(ようちえん1年目)は、暑さおかまいなしで元気いっぱい。次女にいたってはオムツ1枚(ときどき全裸)で駆け回っている。
勘違いしないでほしいけれど、虐待じゃない。まだ通報する時間じゃない。
彼女は自主的に脱いでいる。肌着は何度着せても秒で脱ぐから諦めたが、オムツまで脱がれると全室トイレ仕様になるので、オムツだけは懇願して渋々ながら履いていただいている。
頼みの綱のようちえんは夏休みという長期休暇に入ってしまい、前もって2ヶ月前に予約が必要な一時保育の手配を怠ったせいでこの夏はリトルモンスターがずっと家にいる。つらい。
こどもの頃は「なつやすみ」のあの独特の自由な雰囲気が好きだった。おとなになってもそれは一緒で、願わくば“毎日がなつやすみ”みたいなことを妄想していた。
ところが実際はどうだろう?毎日がなつやすみな日常は、自分以外の娘たちだけなつやすみに突入+仕事は休みが特にないフリーランスの日常という合わせ技になり、仕事はあるのに娘たちが暴れまわっていて、集中力をゴリゴリと削られる日々だ。
何がつらいって、娘たちがなつやすみなのになつやすみっぽいコトをあまりしてあげられていないことだ。
いや、妻はがんばってくれている。恐竜展にも連れて行っていたし、今日もどこかへ連れ出すらしい。僕だってカキ氷は食わせたし、花火だってやった。阿波踊りも見てラムネも飲んで浴衣を着てヨーヨーすくいもした。がんばっている。
おまけに今年の夏はカブトムシをつがいで捕まえてきて、100均なのに500円するでかい虫カゴを買わされて飼育中だ。
なんでも真昼間の都内でもカブトムシのいる木があるらしく、ママ友さんに教えてもらって行ってきたらマジでたくさんいたそうだ。30年前の自分に教えてあげたい。
あぁ、願わくばなつやすみっぽいことだけして夏を過ごしてみたいなぁ...と思いながら、締切りも請求書もたまっているし、かと言って仕事ばかりだと家にいる2匹が不憫で罪悪感がうっすらと積もっていく。
そうはいっても月末には4家族での伊豆旅行も計画していて、仕事の合間に21_21の虫展にも連れていきたい。(角尾さんがテキスト書いている)
やりたいことがたくさんあって、やらなきゃいけない仕事もたくさんあって、でも外は灼熱で、西日のあたる僕の仕事ブースは正午から夕方は毒の沼みたいにHPが減り続けるから仕事はぜんぜんはかどらない。
「なつやすみ」って、こんなに大変だったっけ?あぁ、今から秋が待ち遠しい...
涼しい早朝だけが仕事タイムな日々...
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