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ちょっとまて 最前線だぞ まだ来るな(フリーランス心の俳句)

SNS上では定期的に出てくるフリーランス論、人によって状況や環境や持っているスキルとコネが全然違うので一概にこれがベスト!は言えません。当たり前。

で、ポジショントークでそれぞれの立場をダメだと言われるとカチンと来てデュエルが始まっちゃうので戦う気はないけど、以下のツイートのような場合についてちょっと考えを書いておきます。

僕は今までこの質問をもらったことがないから、仮に母校の後輩さんに相談されたらと考えますね。

うん、訓練生としての学生というポジションを選んでいる段階の人が訓練生→いきなり最前線に突撃するっていうのがもう心配でならない。頭、冷やそう。

そもそもの初期装備すら揃っていない段階、ゲームでいうならチュートリアルも終わってないのにいきなりボス戦みたいな感じ。

まぁ、ついに終身雇用無理っす宣言も出てきて、このまんまなし崩しで解雇規制撤廃→雇用は自分で守ってねヨロシク!っていう戦国時代に突入するのは目に見えているので、じゃあひと旗あげっか!というお気持ちはわからなくも無いです。

わからなくも無いけれど、どうせほっておいても戦国時代になるんだったら、せめて初期装備か、欲を言えばもうちょい強い装備を揃えつつLv.UPもしてから挑んだほうがいいと思います。


逆算のキャリア設計

要するに、新卒の状態っていうのは戦国時代でいえばすっぴんの農兵。ろくに訓練も詰まず、装備は貧弱で下手したら竹槍。これでプロがひしめく戦場に出るとどうなるでしょうか?

相手は騎兵だったり、陸兵でもゴリゴリの甲冑着込んだ豪傑みたいな武者ゴリラ。遠くから弓兵や火縄銃で狙撃されたりするかもしれない。

これは今でいう副業・複業論争でもそうなのだけれど、プロと同じステージに上がるということは、そういう百戦錬磨の化け物達といきなりコトを構えるという意味です。

ですから、もしも資金潤沢で装備も揃っていて腕も下手なプロ顔負けっていうくらいの絶対に勝てる状況以外では、いきなりフリーランスになるのはお勧めしません。

何より、プロのフリーランサーは基本的に実績ありきでオファーがきます。未経験可のオファーは格安だったり短納期で拘束厳しかったり公開不可案件だったり、基本的にブラックなのしかない。

それが若手フリーランスとして「若手」とつくとどうなりますか?もっと安く、もっと短納期でハイリスクな案件が寄ってくる。下手したら経験になるから無料とかです。

少なくとも、こうしたコトを逆算してキャリア設計できる程度には頭が回らないと生き残れません。


誰もがいつか老いる

若手クリエーターとか、若手フリーランスとか、若手という看板は時限的なもの。これはよくいえば頼みやすく、悪くいえば使い捨てやすい。

そして若手という言葉は未熟さを容認してという甘えたニュアンスを含んでいますが、その分だけ安く頼むねという暗黙の了解も含んでいます。リスクとリターンはバーターなのです。

そんな若手にとって最大の武器の一つは老い方を選べること。誰だって時間と共に老いていく。これは不可逆だからこそ、最初にどこでどう過ごすのかが重要です。

今時こんなの流行らないとは思うけれど、僕は未熟なときこそ膨大な数の仕事に揉まれた方がいいと思っています。

その日暮らしで全然仕事がこないフリーランスの道を選ぶよりも、雇われでも常に打席に出続けられる会社員の方が場数をこなせるし、修羅場を経験しても会社員なら最後は会社の責任だからリスクもカバーできる。(社保完備は必須。雇用保険はもしもの時の命綱ですよ。)

もうデザイナー歴も15年近いおじさんのたわごとだけれど、悪いことは言わないから、最初はたくさん打席に立てる場所に進んで欲しい。

そして大きく成長して、いつの日か一緒に共同戦線を張ったり、良き対戦者として手合わせできる日が来ることを願っています。



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