反撃の狼煙を上げろ

　日経平均が実に三十五年ぶりに最高値を更新し、三月には四万円を超えた。この要因は様々で、一つは円安により外国人投資家から見れば「お買い得」となっていることにある。また、岸田政権の「新ＮＩＳ Ａ」の政策も影響は大きいだろう。一昨年、イギリスで「日本の個人資産二千兆円を投資へと誘導する」旨の発言をしたが、その通り、彼はＮ ＩＳＡの使い勝手を良くし、タンス預金を市場へと引っ張り出した。
　僕はそのもう少し前から資産運用の重要性を本誌でも書いていたが、実際に僕自身の金融資産もここ数年で大きく膨らんだ。銘柄によっては、ここ一年で１．８倍くらいになった
ものもあるが、これは「目利き」というよりも、ただ社会の流れに乗っただけの話であって、そんなに難しい話ではない。
　商売というのは、本来、良い商品を喜んで受け取ってくれる顧客を作っていくことが最重要課題なのだけれど、それだけでうまくいくほど簡単なものでもない。商売人には毎年、決算書というものとの戦いが用意されていて、その決算書上の数値によってステークホルダーに厳しく評価されるという、ある意味でマネーゲームの側面も持っている。

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