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Google独占禁止法の裁判パート⑧:デフォルト検索エンジンのために$26.3B、Google CEOの証言

Googleの独占禁止法の裁判が続く中、Off Topicでは出来るだけ頻繁に裁判の状況についてアップデートします。今回の記事は裁判の30日目〜33日目までの話となります。

今週はGoogleがデフォルト検索エンジンを保つために支払った具体的な金額が公開されたり、Google CEOのSundar Pichaiが証言した際に過去に公開されなかった情報などが出てきたので、かなり興味深かった情報が飛び交った1週間だった。


Googleがデフォルト検索エンジン支払い金額、儲かるクエリ

先週の金曜日にアメリカ政府が裁判中で出てくる数字をより公開したいと主張。その前の日に裁判長がそこまで数字を未公開にしなくても良いのではないかとコメントしたおかげで、アメリカ政府側はGoogleが毎年デフォルト検索エンジンになるために支払う金額、そして検索広告売上ベースでのトップ20検索クエリを公開するべきと語った。裁判長は両方の情報を公開するべきと判断したため、今まで公開されなかった情報がようやく公開された。

まず2021年にGoogleはApple、Samsung、Firefoxなどの企業にデフォルト検索エンジンになるために$26.3B支払ったことが公開された。比較するとGoogleの2021年の検索売上は$146.4Bだった。この$26.3Bと$146.4Bの数字は2014年の$46Bの広告売上に対して$7.1Bのデフォルト検索エンジンのコストからかなり跳ね上がっているのが分かる。各年の数字を見ると(TAC = デフォルト検索エンジンのコスト):

Trial Exhibit - UPX7002.A: U.S. and Plaintiff States v. Google LLC

この数字が出た時にアメリカ政府は恐らく裁判長に印象を残した追加の情報を語った。それはGoogleが検索の研究開発にかけた額はデフォルト検索エンジンにかけた$26.3Bよりも何倍も少なかったこと。その比較をすることによって、アメリカ政府はGoogleは明らかにトラフィックを獲得する方が重要だと考えていることを示したかったはず。

さらにGoogleが最も儲かる検索クエリが公開された。そもそもGoogle曰く、約20%のクエリでしか広告が表示されない。今回のトップ20検索クエリは2018年9月22日週のリスト。タイミングとしてはちょうどiPhone 8がローンチしたからこそトップ20で3つのクエリはiPhone関連。それ以外の検索クエリだとなんとなくユーザー獲得コストが高いが獲得できると高いLTVがある商品が多い(例:車保険)。

Google CEOのSundar Picharが証言

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