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おニューと読書とマライアキャリー

■ちょっと秋の気配・・・と思ったらあっという間に肌寒くなって、衣替えが追い付いていない。そうこうしているうちに冬が来そう。


かろやかです。

■もう冬か(気が早い)・・・クリスマスだ〜!(気が早い)
街はイルミネーションでキラキラ照らされ、きれいな色のマフラーを巻いたお姉さんがすらっとしたコートに身を包み、耳ざわりの良い音を立ててブーツで歩く季節が、すぐそこまで近づいていると思ったら浮かれちゃうね。なんてったって大好きな季節だもん、しょうがないよね〜。


■冬の足音を感じているからなのか、新しい洋服を着ているからなのか、とにかく最近ずっと自分がごきげんで嬉しい。すこぶるご機嫌の良さが、こうも持続してくれると気分がいいですね。ますますごきげんになります。


■夏に買った秋服(昔取った杵柄、と同じ音数だ)を引っ張り出してきて、おニューで組まれた新鮮なコーデに身を包むと、いつもより2センチくらいお姉さんになったような気持ちになって足どりも軽くなる。自然と背筋も伸びるし、心なしか口角も上がってイイ感じ。おニューの力はすごいぞ。"おニューを着る"という行為がちゃんとイベントになっている。



■でも、ごきげんなのはおニューを着ているからだけではない。毎日の目覚ましをマライア・キャリーのAll I Want for Christmas Is Youにしているせいで1日の始まりからクリスマス1色だから、というだけでもない。じゃあ何なのか。



それは本です。It is a book.



■この前、友達にオススメの本を聞いて、何冊か教えてもらった。聞いてみようと思いついてから2秒でLINEしたらすぐに返信があって、「これはこういう本、マジでオススメ、最近読んだこっちは温かい気持ちになる、あとこれもめっちゃ良かった」と書店員ばりの紹介文が送られてきた。いい友達を持ったなあ、と数百回目の喜びをかみしめながら、その日の帰り道に図書館に寄って借りて帰ることに。



■高校生の頃は長い電車通学時間を全て睡眠と毎度ギリギリすぎる小テスト勉強に充ててしまい、休日は受験勉強とドラマと睡眠に持っていかれていたので(つまりほぼ睡眠)、ほとんど本を読めていなかった。過去問を解いている中である程度の長文を読むことはあったけれど、小説の世界に入り込むような経験をできないまま大学生になって、もともと本を読むことは好きだったので「ついに読めるぞ~!」と思ったら今度は一冊読み切る体力がなくなっていた。長文を読めない、というのではなく、心に余裕がなくて病んでしまっているような時、本を読むのはとてもエネルギーが必要だし集中力を保つのも難しいのだと知った。



■それでもやっぱり何かときめく本に出会えたら昔のように読書を楽しめるかもしれない。そう期待して図書館に行き、2,3冊借りては途中で返却期限が来て返す、というのをここまで繰り返していた。数十ページしか読んでいないままでも、内容は面白いのに延長してまで読もうと思えなくて返し続けていたから、正直諦めていた。


■でも、友達のおすすめなら次会う時までに読み切らなくちゃと思えるし、ちょうど次の週末に会う予定があるから、一気に全部読めるかもしれない。義務感から来る勢いでもいいから、とにかく一冊読み切るといる経験をしないとこのまま読めなくなるかもしれない、という焦りもあって。





数年ぶりに、250ページほどの単行本を数日で読み切れた。





■最初の60ページくらいを図書館からの帰りの電車で読み進められたときは、集中力が続いたことが嬉しかったし、どんどん物語の世界に入っていって、自分のことは「登場人物と疎遠になった友達」くらいの気持ちで読み、最後の20ページに差し掛かった時は久しぶりに「読み終わってしまうさみしさ」を感じてゆっくり読んだし、発行日の欄まで丁寧に読み終わったときはたまらなく幸せだった。



■本を読むって、小説を読むって、こういう楽しさがあったんだなぁ。私にもまだ読書を楽しむ感覚が生きていてよかった、と思った。



■図書館では2冊借りたのだけど、友達からのオススメと、もう1冊は私が昔から大好きな江國香織の小説。ジャケ買いならぬタイトル借りをしてきた。どっちの小説の中にも、それぞれ女の人が精一杯生きている姿が描かれていて、とっても素敵だったのだけど、上手く感想を言うのは難しい。その世界にはお気楽な底抜けの明るさなんてない、リアルな人生の薄暗さがあって、私の心にすっと入ってくる質感だった。




■読み終わってから、次読む本を借りに行かなくちゃ、と自然に図書館まで足を運んでいる自分のこと、すごく好きだなあと思った。なんとなく、復活した気がする。どんな自分も全部ホントの自分だと思っているけれど、やっぱり自分の好きな自分でいられる時がいちばん幸せだ。



■そんなことを思いながら、もう5冊目です。
あと、マライアキャリーは寝起きで聴くと午前中にあと5回は聴きたくなります。


それでは、また〜。

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