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指導とは考えさせる力をつけること。

「FOOT×BRAIN」というテレビ番組からの学びをまとめるシリーズ第8弾。倉嶋洋介氏(卓球男子代表監督)をゲストに迎え、日本の卓球が世界の強豪となった理由を読み解き、サッカーへ活かせるものはないかを探る回。団体競技と個人競技の差は大きいものの、活かせる部分は多いと感じる。では、

卓球

近年、国際大会での活躍が目覚ましい、日本卓球界。男女ともに同じことが言えるのではないだろうか。男子でいえば、個人世界ランキング上位15位以内に3人がランクインしている。確か年代別の世界ランキングではさらに数名ランクインしていたはず。卓球界が世界一に頂に手をかけているのは、偶然ではない。育成年代から育成の方針を変えるという改革があったからだ。

倉嶋流指導法「結果を急がせない」

倉嶋氏は、選手との対話を大事にしている。選手を尊重し、関係を築く。卓球の話となるとどうしても、どうしても監督から選手へとコミュニケーションの矢印を変えることは出来ないため、プライベートの話をあえてするそう。選手にいい意味で答えざるを得ないそんな状況を作りだし、その選手に適切なアプローチを探る。そして、長期的な目線で選手と向き合い、結果が出なかったとしても、選手のキャリアの中でのピーキングがどこなのかを見極めて接する。日本卓球界のホープである張本選手がある試合で負けたとき、『俺は数年後の同じ大会で優勝してくれた方がうれしい』と告げたそう。目先の結果ではなく、あくまでその選手のキャリアを見たうえで指導する。監督からみると数年後に張本選手の選手としてのピークを迎えており、そこが優勝して当然のころ合いだということだ。今の時点では、実力というよりは運も味方しての要素が強いと考えたのだろう。

言いすぎてはいけない

倉嶋氏がS級サッカー指導者講習会を見学したときの話だ。サッカーのS級ライセンスは、プロのチームを指導することができるライセンスで、日本サッカー指導の最上位の資格と言える。指導者という側面を磨くために、競技を越えて指導のスキルを学ぼうという素晴らしい取り組みだ。この時、ある指導者が「こうで、こうでこうだ!」と力強く選手に指示を飛ばし、鼓舞していた。倉嶋氏は、とても熱量のこもった、明確な指導で素晴らしいと感じたそうだ。しかし、その指導者がインストラクターからの評価は真逆だった。「言いすぎてはいけない。選手に考える力、考えさせる力を身につけさせないと」とのことだった。必ずしも、明確かつ具体的な指示がよいとは言えない。あらゆる状況に対応できるように考える力が必要なのだ。これはどの競技にも言えることである。

卓球界の育成方針

若いうちに才能を見出し育成するという方針は以前からとっていたが、新たな取り組みを始めたという。7歳以下の時点で、才能のある選手をピックアップして代表としての育成のルートに乗せるということだ。小学生になったばかりから育成していく。これにはメリットとデメリットがある。それは選手にとっても卓球界にとってもだ。若いうちから才能のある人物に確かな育成をしたら、その選手は格段に実力が向上する。日本の部活動という画一的なシステムで才能を潰すことなく、開花させることができるからだ。個人競技が故に可能な制度かもしれないが。

まとめ

トッププレイヤーを育てるということは、その競技の発展のためにとても重要なことである。全員がその競技のトッププレイヤーになりたいわけではないし、なれるわけではない。この現実と向き合う明確なラインがあることは、その人にとっても別の道を探すチャンスになるのではないかと思う。様々な道があった方がもちろんよいが、そこの基準があることはとても大きいと感じる。

お読みいただきありがとうございました。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。 「将来は起業したい」 この想いで、新卒でベンチャーという環境を選びました。 想像していたよりも遥かに苦しい毎日ですが、この環境でしか得られない体験から、確実に成長していると感じます。死ぬ気で日々を送ります。