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技能実習制度について思うこと #1

 若い働き手が超絶不足してる日本を支えているのは外国人労働者と言っても過言ではないのですが、そうした方々へのリスペクトがあまりにも欠如しているためこちらを書いている次第です。世の中の7割の企業が労働基準を守らない現状についてどう思いますか?

 外国人労働者を受け入れるため制度の一つ技能実習制度について思うところを述べていきます。技能実習とは何ぞやという方にもご理解いただけるように、そもそも技能実習制度とはないか、ということからスタートしていきます。この制度の問題点や国際的な評価などにも触れていきます。#1

①外国人が日本で生活をするために

 外国人が日本で生活をするためには、全29種類ある在留資格(ビザ)のうち、滞在理由に基づいた在留資格の取得が必須です。さらに在留資格を証明する許状を常に所持する義務が生じます。外国人が日本で暮らすためのライセンスとも言えます。

 海外に旅行したときに、パスポートは肌身離さず持っておけ、と言われますが日本に滞在する外国人にとってはそれと同等かそれ以上の価値を持ちます。

 日本に留学し学びに来た人は「留学」という在留資格を取得しています。目的は勉強や学びであるため、原則として日本でアルバイトなどの労働をすることは認められていません。

在留資格は全部で29種類ですが、日本での労働が認められている資格と認められていない資格があります。日本で働くためには労働や就労が認められている資格を取得する必要があります。

「技能実習」という在留資格は、日本での労働が認められています。また、単純労働が認められている数少ない資格でもあります。約170万人の外国人が日本で働いていますが、うち約40万人が技能実習という在留資格で就労しています。

 ここまでは、外国人が日本で生活するためには在留資格が必要であること、その在留資格の中の一つが「技能実習」ということをお伝えしました。さらに現在約40万人がこちらの資格を持ち、労働を行なっています。

 技能実習の資格で滞在する人たちのことを「技能実習生」と言います。技能実習生や技能実習制度などは聞いたことがある人が多いと思います。続いて、技能実習制度とは何かご説明いたします。

 ちなみに、日本で暮らす外国人は現在240万人程度います。うち約170万人が日本で働いています。日本で働く外国人の数は年々増加を続け、過去最高を更新し続けています。Covid-19が流行している中でも外国人労働者の入国は続いていたため、今後も増加していくことが見込まれます。

まとめ
・日本では在留資格、必須・必携
・在留資格の一つに「技能実習」
・労働が可能、割合が1番大きい

②技能実習制度とは

 技能実習制度とは、「日本が持つ技術を研修や実務経験を通じて学び、学んだ技術を母国へ持ち帰ってもらう技術移転」を目的とした制度です。日本の技術や技能を学び、母国に持ち帰ってもらい、母国の発展に寄与し国際貢献していこう、という訳です。

 研修や従事する内容は全部で144業務と細かく定められており、農業や漁業、工場労働なども一つの業務項目としてあります。技能実習中に、いくつもの業務を経験する訳ではなく、事前に決められた計画を元に実習を行います。また日本で学ぶ、研修する期間は定められており、最長で5年間となっております。

期間を定め、期間限定で研修・実務経験を積み母国へ戻る、このような流れです。

 技能実習制度にて働く外国人はASEAN出身者が大多数を占めます。これからの経済発展が見込まれる国から労働者を受け入れています。もちろん、実習期間とはいえ最低賃金以上が支給されます。そのため、母国の現地で働くよりこの制度を利用し、日本で就労した方が稼げるという構図も成り立ちます。

 日本は技術、技能の移転をするこのような制度を通じて国際貢献をしているのか。いいことじゃないか。

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とお思いでしょうか?


 確かに技能実習制度とは、国際貢献を目的とした制度です。しかしながら、あくまでそれは表向きの顔です。この制度にはいくつか問題視される点があり、国際的な評価は最悪です。

 ポイントとして挙げられるのが①衰退産業への従事②強制労働を生みかねない仕組み・構造③7割の事業所が労働基準法を違反、この3点です。

 詳しくは次回以降にて述べていきますが、日本人の労働者の確保ができない業界・業種ばかりが技能実習の対象になるのは何かの偶然でしょうか。

 また技能実習生を受け入れている事業所の7割は残業代の未払い等の不当な扱いを行なっていることはご存知でしょうか。不当な扱いを受けても嫌なら強制帰国をさせる、そんな現状もあります。

 まさに現代版の奴隷制度と揶揄される原因が伺えます。

 技能実習制度は、アメリカ労務省が毎年発表している「人身売買報告書」に改善の対象として指摘、掲載され続けています。技能実習だけでなく「JKビジネス」も同様に指摘されており、日本は人権保護や人身売買の観点から労働者を守る施策を十分に行なっていないとの評価を受けています。

 このような現状があることまずは知っていただけたらなと思います。

 次回へ続く。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。 「将来は起業したい」 この想いで、新卒でベンチャーという環境を選びました。 想像していたよりも遥かに苦しい毎日ですが、この環境でしか得られない体験から、確実に成長していると感じます。死ぬ気で日々を送ります。