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『エラスティックリーダーシップ―自己組織化チームの育て方』がとても役に立ったエピソードの紹介

#PMの仕事

この本の内容を仕事で役立てることができたエピソードの紹介です。

エラスティックの意味

ここでは1よりは2の「柔軟な」が該当します。つまり「状況に応じて柔軟なリーダーとして振る舞いましょう」ということが「エラスティックリーダーシップ」と表現していると解釈しています。

内容の所感

私は、「リーダーと管理職を経験済み」という立場で読んでみましたが、次のような立場の方にも非常に役に立つ本であると思います。

  • 「リーダーや管理職になっている方」

  • 「新米のリーダーの方」

  • 「これからリーダーに挑戦しようとしている方」

この本が伝えたいことを手短にまとめると次のようになるかと思います。


チームの状態には「サバイバルフェーズ」、「学習フェーズ」、「自己組織化フェーズ」という3つの状態が存在する。エラスティックリーダーシップとは、この3つの状態に合わせて柔軟にリーダーシップスタイルを変化させるアプローチのことである。チームリーダーの目標は、チーム内の人々のスキルを自己組織下にいたるまで継続的に成長させることである。特定のリーダーシップスタイルを押し付けるのではなく、必要に応じてリーダーシップスタイルを変化させる。

おおすすめポイント


3つのフェーズと各フェーズにおけるリーダーシップのスタイルが具体的であること、別フェーズへと移るための目標や行動が明確になっていることが詳しく書いてあります。
すぐに取り入れることができる技術だと思いますし、今後ずっと使える技術だと思いますので、購入して損はないと思います。
日本語版特典として日本人リーダーのエッセイもあるので、さらにおすすめできます。

3つのチームフェーズとそれぞれに合わせたリーダーシップスタイルについて

サバイバルフェーズ(学ぶ時間がない)

チームに学習する時間が十分にない状態である。
このフェーズでの主な戦略は、ゆとり時間を作ることによってサバイバルフェーズから抜け出すことである。
指揮統制型のリーダーシップをとることが最も必要である。

学習フェーズ(自分たちの問題を解決するために学んでいる)

十分なゆとり時間があり、その時間を使って学習や検証を行っているなら学習フェーズにいる。
コーチ型リーダーとして、「自分たちの問題を自力で解決できるよう教え、挑戦させることによって、チームを自己組織化チームへと育てること」が目標となる。

自己組織化フェーズ(ファシリテート、実験)

十分なゆとり時間があり、その時間を使って学習や検証を行っているなら学習フェーズにいる
リーダーの目標はファシリテーターとなってこの状態を維持することである。(現状のチーム能力に注意を払い、チームの状態が変わったときに、次にとるべきリーダーシップのスタイルがどれかを判断できるからである。)

役に立ったエピソード

一つ目のエピソード

当時(30代前半)、リーダーになりたての頃は、この本でいうところの「"指揮統制型"リーダーに早くならなければ」ということを考えて過ごしていたのを思い出します。しかし、少しずつ経験を積んでいくと、「実はリーダーが指揮統制型である必要がない場合もあるのでは?」と思っていたこともあり、自分は何もせずにチームに問題解決を委譲する実験などもしていたような気がします。(その時のメンバーは、このリーダーは何もしないなと思っていたでしょう...。申し訳ない)
当時はチームやプロジェクトがどうやったらうまくいくのかを自分なりに試行錯誤しているうちに、必ずしも一つのリーダーシップだけが「正」ではないのではないかと思ったことがありました。
こんなことに悩みながら、当時の自分がうまく文章にまとめることができずにいましたが、40歳で「エラスティックリーダーシップ」に出会い、自分のもやもやを見事に解決してくれました。

二つ目のエピソード

現職の話になります。
ジョイン直前は、「チーム状態がよくないので立て直して欲しい」、「あるチームのいくつかのプロジェクトがうまくいかないので立て直して欲しい」ということを聞いていた状態でした。(私は開発能力よりもリーダーやPMの能力の方で採用されています)
そこで、エラスティックリーダーシップのことを引っ張り出してきました。恐らくチームやプロジェクトが「サバイバルモード」であることは間違いないだろうと思っていたので、最初は「指揮統制型」として振舞うことは決めていました。(コマンドコントールやトップダウン方式と同義)
やったこと!は次の三つです。

  • とにかくゆとり時間を作る!

    • つまりいくつかの重要なコミットメント(作る機能やスケジュール計画)を取り消した。

    • 当時の上司へ説得するための材料を集取し、資料を作り報告

      • つまり、チームやプロジェクトの見える化をしたということになります。

  • 何を優先するべきかを絞り、チームやプロジェクトでやることを明確化!

  • チーム内やプロジェクト内の問題について自ら解決に動く!

ちなみに8ヶ月くらいかかってしまいましたが、「サバイバルモード」から抜け出して、「学習モード」に移行できました。ちなみに現在は「自己組織化モード」に移行しつつあります。

本当におすすめできる本なので、最後にまたリンクを貼っておきます。

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