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タブー破りのデザイン

主にPCを使って文章を書くとき "文字揃え" を気にしたことがあると思う。

"文字揃え" とは↓のような「文章の端をどこに寄せるか」のこと。

左端揃え

中央揃え

右端揃え

両     端     揃    え

私たちは表現したい文章によってこれら4つの揃え方を使い分けている。
縦書きの場合は上端や下端といった表現になる。

今回はこの文字揃えについて強い違和感を抱いたときの話を紹介する。

駅に向かう途中の道で見かけた看板がやけに気持ち悪く、気になってしょうがない日があった。

縦書きの文章で1〜2行目までは上端揃え、3行目以降は下端揃えになっている。

なぜこの看板に強い違和感を抱いたのか。
デザインを学ぶ中で確立された自身の "デザインのタブー" を破っているからである。

「文章の途中で揃え方を変えるのはタブー破りだろ…」

4年間大学でデザインを学んだ私にとって、このデザインは違和感を越して嫌悪感を抱くようなものだった。

気にして街中の "文字揃え" を見てみると、私にとって "タブー破りのデザイン" が溢れていることに気がついた。

さっきのは「まぁ上端と下端は揃えているから許せるか…」って感じだが、これはなんだ…

上端・中央・下端・両端全ての "文字揃え"が混在している!??

この看板をどんなデザインツールで作ったのかはわからないが、一行一行文字揃えを変えるという相当に面倒なことをしている。

これも各種の文字揃えが混在している。
しかも「おりてとおり」の縦横比を変えていて、こんなものを課題で提出したら教授にドヤされるレベルだ。

縦バージョンも存在していた。
これは中央揃えで統一されているように見えるが、「おりてとおり」だけでなく「ましょう」も横に潰れている。

大きめの横バージョンだ。
文字の縦横比は置いておいて、文字揃えは(ここまで見てきて)受け入れられるレベルだ。

しかしこの標識、自転車ボーイを縦に伸ばしている…
自転車ボーイを無理やり自転車マンにするしかないほど素材が枯渇しているのか。

なんかもう文字揃えとかどうでも良くなってくるし、種類と数が多過ぎて紹介が大変なので最後に英語版を見て終わろう。

まぁ気になるところはあるけど中央揃えで良いじゃん(適当)という感じだが、この英文を和訳すると

どういうことなんだ…
英語に詳しい人に全て任せることにした。


私にとって "タブー破りのデザイン" をいくつか見たが、ここまで強い違和感を抱いた1つの理由がわかった気がする。

写真に撮った標識・看板はだいたい道路管理者や公安委員会が設置したであろう "正式なもの"であり、それらがする主張はその場において "正しいこと" だった。

しかし、"正式なもの" で "正しいこと" を主張しているのに、それらのデザインが自身にとって "正しくない" という認知のギャップが強い違和感につながったのではないだろうか。

学ぶことや知ることで染みつく "正しさ" が、自身にとって "正しくないもの" を浮かび上がらせた。

自身が過去に作ったデザインを見て嫌悪感を抱くのがそうだろう。

自身にも、周りにも違和感を抱くことがなくなった時、学びが疎かになり成長が止まっているのかもしれない。

ちょっと長くて真面目な話になってしまったが、日々の違和感が実生活に活かせる学びになるということが示せた。

(最初はこんなこと書くつもりじゃなかったけど、計画性なく書き始めることの面白さでもあると思った)


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