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書籍【第三次世界大戦 日本はこうなる】読了

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◎タイトル:第三次世界大戦 日本はこうなる
◎著者:池上彰
◎出版社:SB新書


この21世紀の時代、戦争をしている国々があることが、いまだに信じられない。しかし、紛れもない事実だ。
対岸の火事では決してない。
我々にも十分に起こり得ると考えて、その備えをすることが大切だと思うのだ。
個人的な意見であるが、戦争は絶対に起こしてはいけないものだと思う。
それは、憲法第9条があるからとか、日本が敗戦国だからという訳ではない。
そもそも「戦争は悪だ」という正論を振りかざすつもりもない。
冷静に客観的に考えると、日本が戦争を行うメリットがどうしても見えないのだ。
だから戦争するべきではないと考えるというのが私の意見だ。
損得論みたいな単純な話にしてしまっているので、異論は多数あると思う。
私は戦争の専門家でもないし、外交の専門家でもない。
ニュースやこれら書籍を読んで感じた意見として述べているので、正しいとは言えないかもしれない。
「メリットが見えない」というのは、もし仮に戦争が起きてしまい、そこで勝ったとしても、トータルで日本の国益を考えてみた場合、「マイナスにしかならない気がする」ということなのだ。
「もし」を何度も唱えてしまうが、もし戦争で勝ったとしても、日本の若者が多少なりとも犠牲になることは必須だろう。
これだけ少子高齢化・人口減少の日本という国で、貴重な若者がもし戦地で命を落とすような事があれば、それだけで国家の大損害だと感じるのは間違っているだろうか。
命は尊いものであるから、極めて当たり前であるし、それを損得で語るのもおかしいかもしれない。
しかし、若者の犠牲以外でも、大きなマイナスはあるだろう。
日本が積極的に戦争を仕掛けずとも、もし巻き込まれたとすると、日本の近海が主戦場になってしまう可能性が極めて高い。
エネルギーを輸入に頼っていて、さらに日本製品を輸出することで経済を回しているという状況の日本。
この点を考えただけでも、出入りとなる海運が、戦争の影響を大きく受けてしまう。
もし輸入も輸出も困難になったら、これだけでも経済的に大きなダメージを負うことになってしまう。
日本はそもそもエネルギーも食料も、自給自足が出来ない国なのである。
素人考えかもしれないが、海運が止まると、それだけで国家が大ピンチに陥ると予想するのは、短絡過ぎだろうか。
損得はこの際横に置いておいて、もし巻き込まれて戦争をせざるを得ない状況になったらどうするのか。
確かに負ける戦争は絶対に行うべきではない。
戦争を本当に回避できないとするなら、その時は必ず勝たなければいけない。
そんなことは分かっている。
しかし、やっぱり、極力回避できるなら、その方法を最後まで最後まで模索した方が、日本の国益を考えると最善な気がするのだ。
もちろん、絶対に回避しようと画策しても、どうしても巻き込まれて逃げられなくなるときもあるだろう。
この問いに対する答えを見つけるのは相当に難しい。
だからこそ真剣に考えて、議論して、精一杯できることで備えておく必要があるのだ。
本書で記載している通り、冷静に情報を集めて、日本が進むべき道は何が最善なのかを模索し続ける。
自衛隊はどういう軍備を保有しているのか。それが対外的に見たときにどの程度なのか。
国際協力の条約はどこまでが有効で、どこからが期待できないラインなのか。
国家間のパワーバランスも大きく影響する。
外国から「日本を敵に回すと損だ」と思われているのか、「この際侵略してしまえ」と思われているのか。
何も考えずに、平和ボケしていることが一番危ない。
「戦争に巻き込まれる可能性はある」
この意識を国民に浸透させることが、今一番必要なことだと思う。
もちろん「ここまで備えれば安全」というラインを決めるのも、現実的には難しいだろう。
かかる費用と人的資源を勘案して、ある程度「これぐらいが妥当か?」という想定をしながら、答えを見つけていく。
もしかすると国民の理解は完全には得られないかもしれない。
それ相応の識者たちが議論をし尽くして出した結論であれば、私は尊重したいと思う。
(絶対に納得しない人もいると思う。その時はどうするのか?代案は出せるのか?)
いずれにしても、日本は悠長に構えている場合では無い。
そもそも日本は、行動が予測できない国々に囲まれている状況なのだ。
台湾有事は起こるかもしれないし、起こらないかもしれない。
これについては正直分からない。
朝鮮半島事情も、今現在はあくまで「休戦」しているだけであって、終結している訳ではない。
このまま永遠に安定しているとは考えない方がいいだろう。
タイミング次第で、どんな状況に転ぶかは分からない。
我々北海道が隣接している国についても、安心してはいられない。
歴史的に見てみると、ロシアとは紛争の繰り返しである。
ここ数十年間は、目に見える紛争状態がないように見えるだけで、結果的に北方領土もロシアの実効支配のまま進展は全くない状況だ。
彼らは何よりも凍らない港が欲しいと思っている。
港を持つことは、海運を持つことと同義である。
日本近海地図を逆さに見ればすごく分かりやすいが、ロシアからも朝鮮半島からも中国から見ても、海に出ていくためには、日本という国が本当に邪魔に感じるのだ。
日本があるから、太平洋に出ていけない。
さらに、そんな海洋の資源を日本は広範囲に渡って排他的に押さえているのである。
これを何も感じずに、指をくわえて大人しく見ているものだろうか。
羨ましくも、妬ましくも感じないだろうか。
いざ「ワンチャンあるかも?」なんて隙を見せたら、本当に奪いに来るかもしれないのだ。
現実的に尖閣諸島も隙を見せたら取られてしまう。
だからこそ、常に危機感を持てという事だと思う。
そもそも戦争とは無くならないものなのだ。
「あってはならないこと」だが「ありえないこと」ではない、という言葉は、本当にその通りだと思う。
戦争は「起こり得る」と思って備えるべきだ。
隣国とは海を隔てているから安心という訳ではない。
常に最悪を想定して、準備をしておくことが、結果的に身を守ることに繋がる。
大切な家族を守りたければ、真剣に考えることだ。
(2024/4/10水)


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