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クリスマスに犬を保護した話。


毎年クリスマスの季節になると
思い出す

数奇な
胸がホッとあったかくなるような
思い出である。




7〜8年前

クリスマスイブイブ。23日だった。


仕事が遅くなるので
夫と待ち合わせして
行きつけの
もつ鍋屋さんに行くかってことになった。


最寄りの駅で
8時半に待ち合わせ。

車で迎えにきてもらい
中央大通りを東へ。


高井田の交差点を少し過ぎた頃


夫が
叫んだ


「犬!!犬や!!!!!」



は???
こんな車バンバンのとこ

いるわけ・・・・・・・・・



いた・・・・・・。


白い
もっけもけのかたまりが
間違いなく犬が


中央分離帯の茂みに沿う様に
なぜか必死に走っている・・・



あぶな!!!
あぶなすぎるやろーーーー涙


幸い
後続車はきておらず

クルマ停めてぇぇぇぇぇ


分離帯の脇に停車。

考える間も無く
クルマから飛び降り
白い犬に向かって駆け寄った。


そして

「危ないよ??おいで!おいで!!!!」

すると


クルっと後ろを向いた犬。


走ってきて
差し出した私の腕に飛び込んできた!!!



ハタからみると
感動の再会のような場面だ。



急いで犬を抱っこしたまんま
クルマに乗り込んで
とりあえず
発車した。





なんで
こんな時間に
一人で
こんな危ない道路におったんよ・・・

きみ
可哀想やったなあ?涙



それはそれは
心細かったのだろう。



その犬は
膝の上で
キュンキュン鳴きながら
ジャンプしまくり



「怖かった〜〜
 死ぬかと思ったぁ〜〜
 待ってたんや〜
 大好き好き好き好き〜〜」

てな風に
私の顔をなめまくった。



助けた瞬間から

私達をずっと
待ってたかのような
熱烈な喜び方。




クルマに轢かれなくて
本当〜〜〜に良かった。

この道
通りかかって
本当〜〜〜〜〜〜に
良かった。




どう考えても
飼い犬ちゃん。
この懐っこさ。

多分

お家から
脱走して
迷子になってもたのだろう。


とりあえず
近くのコンビニに
クルマを停めさせてもろて

捜索開始。



お家は
ご近所やろう。



コンビニ数軒の店員さん
道ゆく人達に

「すんません この子
 お散歩してるとこ
 見たことありませんか??」


聞き込みにつぐ聞き込み。


2時間ばかり
捜索は続いたが
この犬を見たことある人は
一人もいなかった。

その間中
犬は
私に必死にしがみついて
抱っこしたまま。


小型犬といえど
ずっしり重く
肩も腕もパンパンだ。


少しでも下ろすと

必死の形相で
私の足に飛びついて
「僕を見捨てないで下しゃい〜〜」


犬の愛というのは
こんなにも
ケナゲで
一途で
濃いものなのか・・・


猫と暮らして十数年だが

明らかに
猫の愛情とは違う
表現の仕方に


私は
めんくらい

2時間前に保護したこの犬が
たまらなく
愛おしくなっている。




グーグルで近所の獣医さんを調べ
片っ端から電話して
こういう特徴の子なんですが
診察したことないですか?



手がかりナッシング・・・・・。




時刻は午後10時を過ぎた。


我々夫婦とも
腹ペコで疲労も限界。


「警察にいこか。

 迷い犬の届けが出てるかもしれんし」



せやな・・

クルマに戻り
警察に向かった。



ああ
飼い主さんの心痛はいかばかりか


そして
この子・・・・。


この子は
相変わらず
私「しか」見えてないようだ。

うそではなく
1秒たりとも
私から
視線を外さない。


その懸命な眼差しに
ハートを
射抜かれてしまった。





実は
この年。
飼い猫の愛する愛する
ふくちゃんを見送ったばかりであり


この子と
出会ったのも
なにかのご縁。

ふくちゃんの生まれ変わりかもしらん・・・
(完全に年齢あってないが)




きみ、
仮にやけど
ふくちゃんと呼ばせてもらうわ


なぁ
ふくちゃん??

頭を撫でると
満足そうに
膝の上で大人しくなった。





警察に到着。

ふくちゃんを抱いて
警察署に入る。


こんな遅い時間にも
たくさんの人が働いてて
年末大変やな。



残念ながら
迷い犬の届出はなかった。


「でもね
 派出所の方に届出出てるってことも
 ありますし

 それは時間がかかるんで
 ウチでこのわんちゃんお預かりしますよ」



優しい
動物好きそうな男性警察官が
いうてくれはった。


その前に
この子の身長?とか
測らせてもらいますねぇ。


と、

ふくちゃんを
その警察官に渡した瞬間



「キャウン〜〜〜〜〜〜
 キャウンキャウン〜〜〜〜〜」


この世の終わりのような
悲しげな
ふくちゃんの鳴き声が
響き渡った。


大丈夫よ〜〜
ちょっと測るだけよ〜

メジャーで
測ってもらうあいだも
ふくちゃんは
私の方を見て
鳴き続けだ。


「この子
よっぽどあなたのことを
好きみたいやねえ。
飼い主さんみたいやん」


苦笑いの警察の皆さん。


「こちらで預かりますが
 外のケージで預かることになります」


え??
外て??この寒空に?????


「決まりがあって
 動物は署内では預かれないんです」




なぬーーーーーーーーー?????


こんな寒い夜に
外の檻みたいなとこに
この
可哀想な
ふくちゃんを??????


それは
無理だ。


「じゃぁ ウチで預かります」



飼い主さんからの届出があった場合
連絡してもらうことにして


ふくちゃんを
ウチに連れて帰ることになった。




帰路
かわらず私に
しっかりとしがみつくふくちゃん。

万が一
飼い主さんが見つからなかった場合
ウチにお迎えしよう。
そう決めた。



帰る前に
ふくちゃんは
おむつをしてたので
念のため
奇跡的にあいていた獣医さんに
診てもらい



帰宅したのは11時半。


空腹と
疲労と

あまりにも突然の事態への
驚き。

明日から変わるであろう
生活への緊張。

ヘットヘトだ。


とにかく
お風呂入りたい・・・
なんか食べんとあかん・・・




お風呂とご飯の間だけ
ふくちゃんは

説明して
階下の義母に
預かってもらうことに。
義両親
本当にすんません!!



なにしろ
ウチには
超人見知りの猫が4匹いるから。
犬見知りもすごいだろう。



お風呂に入ってる間も


「キャウン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 キャウン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


悲しげな鳴き声が
階下からも聞こえる。


ふくちゃんを
安心させることができるのは

あの状況で抱き上げた
私しかいないのだ。



そう思うと
気が気でなく

風呂もそこそこに


コンビニで買ってきた
ありあわせのもん
(もつ鍋ぇぇぇぇ涙)

全く食欲もないが
急いで
夫とボソボソ食べていると
(もちろんその間も
 ふくちゃんの鳴き声)




リーーーーーン



家電がなった。



ドキ!!!!!!!!!!




「はい あおやまです」



「あのう すみません・・・」
知らない女性の声。



「ウチの犬、保護してくださった方でしょうか???」



キターーーーーーー!!!!






この時の喜びは
人生でもかなり上位の喜びといえよう。


「ウチでお預かりしております〜〜』


もうその時点で
私は号泣である。

今でもこのくだりを思い出すと泣ける。


本当に良かった
良かった良かった!!!!!



ウチの子にする覚悟もあったけど


やっぱり
飼い主さんがどんだけ
悲しい思いをされてるか。

犬も飼いたいと思ってたが

こんなに急に
心構えもないままお迎えして
果たして
犬を幸せにできるのか。

猫達は大丈夫なのか。


不安とプレッシャー。




はぁぁぁぁ
それが
ほんまに・・・・


ありがとう 神様!!!





ウチまでクルマで迎えにきて下さいました。



ふくちゃんを抱いて
飼い主さんのとこへ。



あんなに
私にしがみついてたのに


飼い主さんを見て
めちゃくちゃに尻尾を振り


飼い主さんの腕に飛び込んだ姿を見て


またまた号泣。
飼い主さんも号泣。



「ほんまにほんまに良かったです・・・・」



「ありがとうございます〜〜〜〜涙

 ウチ
 シーズーばっかり5匹飼ってて・・


 実は
 この子だけ脱走癖があって

 迷子になったん二回目なんです・・・・」


えええ!!

大変でした…。
迷子にならんように
キィつけてあげてください・・・・。



「良かったです…。

 あ。最後にこれだけお聞きしたいんですが
 この子の名前 なんていうんですか?」



「あ、この子 モップって言います」




モップ・・・・・・


モップちゃんかぁ・・・・・・。 




なんか
笑ってもた。
力が抜けた・・・。

よく似合う
可愛い面白い名前だ。



本当のお母さんに
抱っこされてるモップに


「モップちゃんや〜良かったねえ」


呼びかけた。




ツーーーーーン。


そっぽを向き目も合わさない。


再度
「モップやぁ〜〜」

手を差し伸べると



ウーーーーーーーーーー



唸られたwwwwwwwwwwwwww




あんなに愛し合った
あのひとときは
なんやったの?????😂😂



ふくちゃん改め
モップは

ぬくぬくとお母さんと
4匹の兄弟の元に帰ったとさ。


モップがのったクルマを
見送った時の
ホッとした幸せな気持ちったら。




モップは
ふくちゃんが
見つけさせてくれたんかもしれんな



そんなことを思いながら

ええクリスマスプレゼントをもらったわい。




クリスマス近くになると思い出す
モップは
元気に幸せにしてるかな???



#迷い犬
#クリスマス
#エッセイ


タイトルの写真は
もちろん
モップではなく

義弟家族の愛する
フェアリーです💖


世界中の犬が
猫が
動物たちが
子供達が

おとなも

平和な良いクリスマスを
むかえられますよう。

















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