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総裁たちの衆院選

 10月31日に投開票された衆議院議員選挙は、自民党が単独で絶対安定多数の議席を獲得。連立を組む公明党と合わせて、政権与党の座を盤石なものにした。

 改選前の自民党は、現有議席数から多少は減らした。とはいえ、岸田文雄首相にとってうまく乗り切ったといえる成果だろう。

 岸田内閣が発足してから、わずか1か月の選挙だったこともあり、これは岸田内閣の信任・不信任を問う選挙にはならなかった。

 選挙戦では、残念ながら政策論争のような演説はほとんどなかった。自民党は立憲民主党と共産党が手を組んだことを批判し、立憲民主党は野党候補を一本化したことで自民党に迫る議席の獲得を意気込んだ。

 しかし、結果から見れば、野党統一は不発に終わった。共産党と組んだから票が増えたという意見もあれば、共産党と組んだから票が逃げたという意見もある。

 どちらも正解で、どちらも不正解なのだろう。候補者によって、それぞれ固められた票は違うから、今後、野党連合がどのような形になっていくのかはわからない。現段階では不明のままだ。

 野党連合に対して、1999年から連立を組む自民党と公明党はうまく票の棲み分けができていた。以前から、小選挙区は自民党、比例は公明党と呼びかけてきた。

 自民党支援者の間では、比例票に公明党と書くことに抵抗を覚える人はいる。それも長い歳月を経て、少しずつ緩和してきている。

 なによりも、今回の選挙戦で自民党は人を集めることや呼び込むことが立憲民主党や共産党と比べて格段にうまいと感じた。

応援弁士という人寄せパンダ

 政治に関心が高くなければ、自分の選挙区の衆議院議員の名前なんて覚えていない。実は、それが一般的な感覚でもある。

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