語られない残酷な真実…恵まれてる人たちがやっていることとは?◆パスをもらうには?【ぷろおご伊予柑の大預言】
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こちらは動画;ぷろおご伊予柑の大預言を加筆編集したものです。
パスをもらうには?
僕の職場にいるウシ先輩はいつもニコニコしていて、とても親しみやすい人ですが、なんだかいつもひまそうです。
いつ仕事をしているんだろうと思って、こっそり観察していますが、ほんとうに仕事らしく仕事をしている姿は見たことがありません。
この前、えらい人とお話しする機会がありましたので、つい酒の勢いに任せて聞いてしまいました。
「ウシさんっていつも余裕がありますよね。」
「アイツは変わらんなあ、」
「そうなんですか。ずっとああいう感じなんですね」
「うむ、アイツがせっせと仕事しているところは見たことがない。だけど、アイツはあれでいいんだ」
一体、どういうことなのでしょうか…
ここぞというときに、頼りになるのは根が明るいヤツです
伊予柑:8月は雑談会を繰り広げようと思います。
(8月3日、8本収録)
ひとつめの話題なんですけど、最近、プロアスリートとお話する機会がありました。ぷろおごが知り合いで、そこから知り合いになって・・・、その方は、いわゆる協力してパスをまわしながら得点を稼ぐスポーツをやってらっしゃって、オリンピックにもでるような選手なんですね。
そんなトップレベルのアスリートが、いざというときに性格の暗いやつにはパスをだしにくい…と言っていて、そんなことあるの!?と。おもしろい話ですよね
伊予柑:リスクがあるパスとリスクがないパスがあるんですよね。そのパスにリスクがあるとしても、相手が明るい性格のやつだと、あとで文句を言われない
ぷろおご:暗いやつだと根に持たれるかもしれない
伊予柑:そう!チームリーダーになると、全体の空気感もだいじだから
ぷろおご:長期的にもそうだし、ひと試合でもそうね。この試合に影響を与えるかどうかのパスってあるもんね
伊予柑:そうなのよ。トップレベルのアスリートが相手がいいやつかどうかでパスをだすんだ・・って
ぷろおご:よくあるよね。パスをしてもらえなかったからいじめだ、みたいなね
伊予柑:小学生じゃないんだからさあ、って
ぷろおご:やっぱり合理性があるんですね
伊予柑:いやあ、びっくりした
世間に支持されている言葉とは、世間が必要としている言葉なのか?
伊予柑:ぷろおごは最近、明るければ100点って自己啓発みたいなことを言ってますよね
ぷろおご:残虐なことを言っているよね。最近は残虐性に目覚めた。残虐性こそがやさしさの時代になりつつあるとおもって。いまってすべてがコンプライアンスじゃないですか。だからもう、暴力が世の中に存在しなくなってる。家庭にもないし、学校にもないし、部活にもなくなってきていて、あるのはおれぐらい。
そうすると、需要と供給の問題で、確実に必要なのに足りなくなる。だからおれはこれからは残虐性だ、とおもって自分のなかの残虐性を呼び戻して、明るくないとだめだよ、って説教してる
伊予柑:それで、頭が悪いやつは自分で考えてもダメとか、すごいひどいことを言ってるんですね
ぷろおご:だって言ってくれる人がいなくなっちゃうから。風潮は加速するでしょう。大声で言うやつが一定数いると、どんどん過激化しちゃうわけだよね。だからそういう流れに対してバランスをとる現実っていうのは、そこまでおかしなことじゃないよね
伊予柑:最初に言ったときはみんなすごい文句を言って燃えてましたけど、3回も4回も言うもんだから、みんな静かに傷ついてますよ
ぷろおご:静かに傷つかないとだめなのよ。じゃないと変わらないからさ
伊予柑:サイレント傷つきが多発してるはずですよ
ぷろおご:陽気じゃないとパスはもらえないから
伊予柑:そうなんですよね、ちょっとびっくりしてしまった
ぷろおご:パスがもらえなかったらなにもできない。結果がでないよね。チャンスがないんだから
伊予柑:そうなんですよね
パスの存在を知ることができるのは、ボールが見える人だけ
ぷろおご:もらえなかったパスって気づけないんですよね。パスが発生しないとなかなか気づきづらい。だせなかったのかな、とおもうし。スポーツでなかったら、もっとわからないわけですよね。パス候補にあがったとき、そこから外れたときって、ぜったい気づけないですよね。だって、なにも見えないから
伊予柑:そうなんですよね、パスって見えないんですよね
ぷろおご:だから傷つくこともできないんですよ。気づけないまま10年ぐらい経って、なんか最近オレ誰にも誘われないなあ、って。そうなるのがいちばんひどいじゃん。誰も言ってくれないわけでしょ。
おまえはこうしなさいよ、って口うるさく説教してくれるやつ、お父さんとか、パワハラしてくる上司とか、これまではいたけどこれからはいなくなる。いうて、3割ぐらいはパワハラ気質とか余計なことを言ったりするかもしれないけど、内実は、ちゃんとやれよ、とかじゃないですか。そういうことを言ってくれるやつがいなくなっちゃうとね、誰も明るくあることについての価値に気づけなくなっちゃうよね
伊予柑:僕はいろんな催しに基本ふたり以上で行くのが好きなんです。ひとりで見ると話し相手がいないから。
で、そういうときは、ラインとかフェイスブックを見ながら誘うわけですよ。俺が見たいのは、小劇場50人ぐらいの演劇とかで、それは相当ウケが広いやつじゃないと誘えないのよ
ぷろおご:なんでもたのしめるようなね
伊予柑:ハリウッドの映画だったら誰でもいっか〜って誘いやすいんだけど
ぷろおご:誘ってつまんなかったな、って思われるのも思うのも、お互いにいやだからね
伊予柑:これもある種、パスをだすのとおなじ話ですよね。そうすると、なんでもいけるやつは誘われる機会があるから、よりいろんなものが見れるわけですよね
ぷろおご:こだわりが強いとむずかしいよね
伊予柑:性格ってそういうところにもあるなあ、って
ぷろおご:全日本選手が「あいつ暗いからなあ、話づれえ・・」ってクラス体育のサッカーじゃん。ウケる
伊予柑:もちろんそんなの本当に少ない例だと思うんだけどあることはあるんだ、っていう
パスできる相手を潤沢に持っている人物がもっとも多くのボールに触ることができる
ぷろおご:能力値、差があまりにもあるときっていうのは、性格が暗かろうが関係なかったりするじゃないですか。でもある程度の水準までいくと、ほぼ能力なんて変わらなくなってくるわけですよね。じゃあ、そこから先はなにが違うの?ってなったら、なんかパスだしやすい、とかになる
伊予柑:そう、それ
ぷろおご:ツイッターで悪口を書かない、とかもそうだよね
伊予柑:いや、そうなんですよ。チームで上司にこんな仕事振られたとか書くやつはまじで嫌われるので
ぷろおご:あいつ、試合のあと裏垢で意味ありげなこと言うからやだ!とか、なんかこわい…とかね。そういうやつってだんだんレギュラーから外れていきますよね
伊予柑:そうなんですよ!
ぷろおご:忖度とかじゃないんだよね。だってみんなパスだしづらくなっちゃうから。上手くてもそこは結局ちょっとの誤差じゃん
伊予柑:これは軽く見られてますよね
ぷろおご:ほんとうにそう。みんな軽く見たがってるの
伊予柑:大したことないと思いたいんだ
厚かましいおばちゃんって必要なの?
ぷろおご:人に会ったほうがいいってよく言ってますけど、仕事するにしろ、しないにしても、むしろしないならなおさら、人に会わないとむりだよって話ですね。それは要するに、人と会わないと陽気さとか明るさみたいなものがブラッシュアップされていかないし、忘却されていくんですよね
ぷろおご:ひとりでも陽気な人はいるけど、その陽気さはちょっと質がちがうじゃないですか。ちゃんと人に会ってキャッチボールをやっていないと、どんどんその筋肉がなくなっていって、なくなると、どんどん陽気じゃなくなっていく。そうすると人に会う機会に恵まれなくなって、どんどん痩せ細っていっちゃう。
人づきあいは、定期的な出社とか、家族の付き合いとか、強制力のもとで保たれていたのに、強制力が弱くなるのに伴って、軽んじられるようになった。いまでは、ひとりで引きこもっても生きていけそうなかんじがするでしょう。
そうすると、「オレも家でじっとしてるの全然、平気なんだな」みたいになって、人と関わらなくなっていく。そうして、どんどんパスしづらいな〜って思わわれるようになるよね
伊予柑:今、俺にとっていちばん大事な能力は、厚かましいおばちゃんであることなんです。俺の勤め先であるドワンゴが最近、新しいプロジェクトがをやっていて、すごくいいサービスをリリースしたんですけど、みんな手伝ってない。こういうときこそ、おばちゃんムーブをする
ぷろおご:手伝ってない?
伊予柑:ドワンゴってニコニコ動画の部門で800人とかいるんですけど、それぞれ目標があって、チームごとに頑張っているんですね。自分の持ち場で一生懸命に仕事している。で、新しいサービスがけっこういろんな分野に関わるでっかいものだったんですけど、すげえこぢんまりとした目標で、こぢんまりとやってるんです
ぷろおご:なんで?
伊予柑:新しいことなのでリスクがあるのね。どのぐらい客がくるのかわからん。だから、いちばん堅いところが目標になっていた。ちゃんと本部会議とかで、新しいサービスはじまります。こういうサービスです、いいところありますって言ってるけど、みんなあえてそのボールを拾おうとしないんですよ。
ぷろおご:まあ、なんにも得られないかもしれないからね
運気はつねに他人によってもたらされる
伊予柑:たとえば、このあいだサントリーがビールのハイボールっていって、ビールをソーダで割ると新しいドリンクになるっていうのをだしたんだけど、
新しいものってハマったらめっちゃヒットするかもしれんけど、新しいから読めないわけ。12%のビールの原液と、ただのソーダを混ぜるとハイボールみたいなビールができますっていうのがあたるかは誰もわからんじゃん。そうすると他部署のやつは様子見ておこうか、ってなる
ぷろおご:たしかにね、わざわざ乗る必要ないもんね
伊予柑:そういうのがあって、誰ものらなくて。だけどそのまま誰ものらなかったらぜったい死ぬじゃん。担当の人とたまたまメシを食ったときに、「いやあ、けっこうイケてるサービスだと思うんだけど困ってて…、伊予柑くん」みたいなことを言われて、「めっちゃいいやつじゃないですか!やりましょうよ」って言ってノリノリでおしたんです。
その日のうちに全えらい人に、これいいサービスだからやりますね、って言って勝手に動いて、「これぐらいはいけますよ!売り上げましょう」って、目標を5倍ぐらいの数字に書き換えたんです。それで「この数字でプレゼンしてください」って、俺はなんの権限もないんですけど、発表させた。
そうすると、「これは売り上げ目標がすごいです」ってなるでしょう。そこで、「はい、みんな協力しなきゃいけませんね!」と言いきる。なんの権利もないです。なんの権利もないんだけど伊予柑さんが、ああ言ってるからたぶんそうなんだろうな、みたいに、協力させるという
ぷろおご:詐欺師じゃん。仮想通貨を売る人と同じこと言ってる
伊予柑:一回盛り上げないと、その仮想通貨はあがらんわけよ
ぷろおご:そうね、原理上は盛り上がったらあがるからね
伊予柑:みんなを巻き込まなければ、各々自分のことをひとつずつやっているだけで、無風のままで
ぷろおご:現場にはそういうやつが必要なんですね。ひたすらパスをもらって、パスをするやつ
伊予柑:俺にはなんの権利も責任もなく、どうなっても給料は下りもしなければ上がりもしないんだけど、「いいじゃんやろう、やろうよ」って
ぷろおご:なるほどね、いいですね
伊予柑:あなたの結婚相談所もある種のおばちゃんムーブだよね
ぷろおご:おばちゃんが足りてないですよね
ぷろおご:おばちゃんってなに、って言ったら暴力性なんですけどね
伊予柑:そう、まじで暴力性
伊予柑:みんな忙しいとか、細かい正論を言うんだけど、「うるさい!だって悪くないでしょ、みんなで売り上げよう!」なんて言ってね
ぷろおご:フィクションにでてくるキャラクター、記号的おばちゃんもそういうかんじですよね。「あぁん?、あんたさあ、」って言うのが仕事だもんね。失われつつある
伊予柑:そう。明るさ・おばちゃんみたいなもの、昭和みたいなもの
ぷろおご:ね。総括としてはなんだろうね、結局陽気じゃないと・・
伊予柑:陰キャにこれを言っても、なんか説教されてヒュンッってなっちゃう。どうやったらいいんですか?
ぷろおご:じゃあ次回、それにしましょう
(明るさについて)
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