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僕が髪を一束ごとに切る理由(1)

「なぜ、髪を一束ごとに切るんですか?」
お客様の髪を切っている時に必ず聞かれる質問です...

僕が用いるエフィラージュドライカットのわかりやすい特徴です。
まだ見たことがない、という方は↓を見てもらえるとわかると思います。

そもそも髪型はどう作られているのか

まず髪型というのは頭皮から生えた無数の髪が束となり、それらが重なり形となり作られています。
その重なりに対し大小様々な段(レイヤー、グラデーション)を入れたり、量を梳いたりして立体的な形になっていきます。

良い髪型、似合う髪型の前提条件

その髪型を構成してくれている「髪の束達が自由に動き、収まる」ことだと考えています。

「動き」「収まり」というのは意味としては矛盾した言葉ですが、それを両立させなければ本当に良い髪型、似合う髪型を作ることは難しいです。

例えば「動き」だけを特化していくと...
髪の量を限界以上に取り、なるべく束が重ならないようにスカスカにしていけば動きだけは出ますよね。
しかし形を構成するだけの量が残っておらず、とても貧相な髪型になります。

「収まり」だけを特化していくと...
髪の量はなるべく残し、束が重なるように重くしていけば毛の収まりだけは手に入ります。
が、風が吹いたり、ご自身が動いたり、人に髪を触られたりしたときにとても野暮ったい髪型になります。
(ご新規で切らせてもらうときは、こちらのパターンの髪型でお見えになる方が8割)

ではそんな相反する「動き」と「収まり」を両立させるにはどうすればいいのか。

それは全ての髪の束を筆先のようになるよう、適切な量を取り、必要な髪の重なりを作ってあげることが重要なのです。

筆はしなやかに動き、綺麗に収まりますよね。
髪が自由に動き、収まる。つまり、髪を健やかな状態にしてあげる
それが本当に良い髪型、似合う髪型の前提条件であり、僕が束ごとに髪を切る理由の1つです。

髪型が良くなるだけでなく、ファッションの幅が広がったり心が晴れやかになったり、そういったライフスタイルが良い循環にできるよう美容師として手を加えさせてもらえたら嬉しいな、と日々、お客様を担当させてもらってます。

それに加え、僕が手がけた作品が世の中を歩いてくれる、と考えるとより一層、カットに心がこもります。

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