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詩のご紹介21 フォロロマーノ(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで

こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
 今回の詩は、「フォロロマーノ」(白い馬車に乗って)です。

「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

 まずは「目から」。

フォロロマーノ
~ユトリロの絵のなかで 「白い馬車に乗って」より~
小黒恵子作

真夏の太陽が 照りつける
古代ローマの 夢のあと
フォロロマーノ

その巨大さ 偉大さに
言葉はなく 唯 ながめるだけ

キケロが演説した 演壇

シーザーが「ブルータス 汝もか!!」と
絶叫して 暗殺され
火葬された 祭壇
将軍たちが 捕虜と略奪品を誇示した
凱旋門も
今は昔の 夢のあと

夏草の みどりが
美しさと 淡い感傷を添えて

涼を求めて
ティトウスの 凱旋門の
台座に 腰をかけると

アーチを 吹き抜ける風が
心地よく疲れを ほぐしてくれる

アーチを通して 眺める
コロッセオ

「ローマは 永遠なり」
然し もっとピッタリの
芭蕉の名句が 浮かぶ

「夏草や 兵(つわもの)どもが夢のあと」

 次は、「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「おおピエタ」です。(S)

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