見出し画像

詩のご紹介28 モンキーパズル(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで

こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
 今回の詩は、「モンキーパズル」です。

「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

 まずは「目」から。

モンキーパズル
~ユトリロの絵のなかで 「かもめ」より~
小黒恵子作

杉の葉っぱを
思いきり 大きく太くしたような
タヌキの シッポのような
キツネの シッポのような

しかも ネーブルくらいの
緑の玉を ぶらさげて
なんと珍奇な
モンキーパズル monky puzle

スイスの ファイドウ町の
レストランの 庭に茂る大木

飛行機や 列車の旅では
決して行けない ファイドゥ町

車で ミラノから
イタリヤの 湖水地方を通り
セントゴータード峠を 抜けて
ルッツェルンに向かう 途中の町

八月のまぶしい陽光に 美を競う
ゼラニュームの 燃える紅と
バラ色の 西洋あじさいが
アルプスの 冷たい風にゆれて

その花々の美しさより 目をひく
モンキーパズル

泣いてるような
笑ってるような
眠ってるような
怒ってるような
いばってるような

見れば見るほど
解らない

なんと おかしな
モンキーパズル

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森 寿枝

 最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「かもめ」~かもめ~です。(S)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?