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詩のご紹介12 薔薇の館(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで

こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
 今回の詩は、「薔薇の館」です。

「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

 まずは「目」から。

薔薇の館
~ユトリロの絵のなかで 「花衣」より~
小黒恵子作

もしも わたしが
館を たてるなら--
ローヌ川をのぞむ アルルの丘に
薔薇の館を たてるでしょう

薔薇の垣根と 薔薇のアーチ
庭園は薔薇で埋めつくし
薔薇の 香りにつつまれて

あなたと 暮らすのです
芝生で語らう 紅茶のなかに
薔薇の花びらを ひとひら浮かべて

リルケのように 薔薇を愛し
リルケのように
すばらしい 詩をつくって
リルケのように
薔薇のとげで 死んでもいいのです
もしも--
わたしが 死んだら
白い薔薇を 一輪
わたしの墓に さして下さい

そして
わたしの 大好きなワインを
墓標に かけて下さい

 次は、耳からお聴きください。

  朗読:大森寿枝
 
 最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「孤独」です。(S)

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