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詩のご紹介5 植物園の大樹の下で(小黒恵子作) ~ユトリロの絵のなかで

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。
 今回の詩は、「植物園の大樹の下で」です。

「詩集:ユトリロの絵のなかで」については、下記をご覧ください。

 まずは「目」から。

植物園の大樹の下で
~ユトリロの絵のなかで 「花衣」より~
小黒恵子作

わたしは
吸いよせられたように
橅(ぶな)の大樹に 頬をあてる

樹皮を通して 伝わる
生命の 鼓動

生きている
私と同じに 生きている

何百年もの間 大地に立って
空と握手をしてる
この大樹

わたしは
母親に抱かれた 子供のような
甘い 安らぎを感じ
目を閉じて
橅の大樹に よりかかる

安息
開放


わたしは
小鳥の声を 聞きながら
晩夏の 異国の大樹の下で
長い あいだ
時間と 対話していた

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝

 最後までお読み、お聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「夢」です。(S)

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