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『ドライブ・マイ・カー』ハッキリ言おう

各国の言葉でホン読み。
手話あり。
最初は棒読み。
(自分自身を出さないで、相手、第三者との関係の中でキャラクターをゼロから形成していくスタンダードなメソッドのひとつ。マイズナー法(同じスタニスラフスキーに端を発するアクターズスタジオのメソッドとは真逆。英国舞台はこの方式が多い。)の一種。アドラー法や、つか流、実際に俳優さんに聞いても、反対に理解してる人も多く、もはやどれが正解なのか不明。)

野球のキャッチボールでいうと、下投げで近距離でゆっくり始める。
だんだんと距離を長くして、
強いボールを投げ合う。
(演出家、登場人物、みんなでキャラクターをシェアしていく。)

複数人で複数のボールで、
強いボールを投げ合いながら、
そのうちジャグリングや空中ブランコのように、キャッチボールが幾層にもなっていく、実際のボールと、形の無い気持ちのボールも入り乱れて、観客席にもビュンビュン飛んでくる。
観客も自分のボールを投げ返すおもいっきり。
そして上を見て横を見て、
下を見て、自分を見る。

そんなサーカステントの中にいるような空間が、映画館の座席の一部に発生する。

チェーホフ、
ドストエフスキー、村上春樹、
ウクライナ、米国、、、
【喪失感】に言葉も国境も意味は為さない。

そこに、あえて意味を成す【言葉】を仕掛けて、
【国境】突破を試みる。

ひとつひとつみんなで創作した本作は文句無しの金メダル作品。

自分自身を(自分自身のメンタルを)前進(ドライブ)させよう、
ローギアで充分、
ドライブ・マイ・カー、
そして、
長い長い夜を乗り越えよう。

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