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よく怒る人ほど、悲しい人

カナダに来て、旦那さんと付き合って1年半ほどは怒りに身を任せていました。

人と肩がぶつかっただけでもイライラして、 察してくれない旦那さんには八つ当たりして、手のつけられない癇癪持ちの駄々っ子でした。

そんな駄々っ子が、人を傷つける怒り方を止められたこと。あの頃と今を比べると大人になった、そんな話を書きます。

怒りの裏側には悲しみが潜んでいる。よく怒る人ほど、悲しい人。

バッタモン家族で育った私も、怒りをぶちまけていた両親もまた、悲しみをどう表現していいか分からなかったんやと思う。外に感情をうまく表現できないから、嫌な気持ちはたまる一方で、それを一番大切な旦那さんに言葉のナイフを投げてました。

ほんとは怒りたくなかったんです。怒っても疲れるし、時間の無駄やし、どうせなら楽しい方がいいと頭でわかってるのに止められない。怒りでストレス発散する。その分、旦那さんの心はズタボロ。

それでも彼は必死に私をなだめ、怒りの原因を一緒に探して解決するように協力してくれました。私が彼の立場なら結婚なんてしてなかったと思う。ワガママで、短気で、言葉のナイフばかり投げられるなんて耐えられへん。でも、彼は私が必ず短気を克服できると信じてくれました。

「怒っても何も解決しない。気力と時間の無駄。お互いの関係を良くする話し合いなんて出来ひん」

それが彼の口癖でした。自分の中で、抑えの効かない怒りの正体は悲しみだと気がついた時、じゃあこの悲しみをどう表現したらいいのか、なんで悲しくなるのか…そこを深掘りしていくことに。

・「もっとこうして欲しい」欲求を伝えられずにいた
・泣くのが許されなかったから、怒りで表現する術しか知らなかった
・素直な気持ちを言えば怒られると思っていた
・誰も自分の気持ちを分かってくれないと決めつけていた

怒りのウラに隠れた本音でした。「怒り」の根源が分かれば、あとは怒りのウラに隠れた悲しみや寂しさと向き合うこと。

具体的にしたことは、自分の素直な気持ちを伝える。私が見境なく怒る時は「私はこれをしてほしかったのに…」、「これがしたいのに、我慢しなきゃ」という思いがあったのです。自分が我慢してるから、人にも我慢を強いたくなるんですよね。でもそれは身勝手。

伝えたいことも伝えてないのに、相手が分かってくれるはずもないし、同じ我慢を強いるのは間違ってる。
これでは自分の父親と同じ道を辿っていく。それだけは嫌でした。

もちろん、素直に自分の気持ちを伝えるといっても、相手に皮肉を言ったり、傷つける意図があったり、責めるように言ったりするのではありません。旦那さんには「私はこれがしたい」、「ここに行きたいから付いてきて」、「そういう態度が嫌やから、こうしてほしい」と伝えるようにしました。そうすると、彼は一緒に何でも考えて、お互いが納得のいく解決策があるまで話し合います。

怒りに任せていた頃は私がひたすら怒って、何の解決もしないまま2時間と過ぎることもあったけど、今では10分で問題解決。

怒らずに自分の素直な気持ちを冷静に話せば、こんなに楽になると知りました。彼が口酸っぱく言っていた、「怒っても何も解決しない。気力と時間の無駄。お互いの関係を良くする話し合いなんて出来ひん」の意味がようやく分かった瞬間でした。

怒るのはエネルギーがいるし、疲れるし、何に怒っているのかもわからなくなるよね。

自分の素直な気持ちを伝える。それでも、今まで癖になっていた「怒る」ことをコントロールするのは簡単ではありませんでした。人を傷つける怒り方を克服するのに、約1年半かかりました。カッとなると、もう止められない。でも自転車に乗れるよう練習したみたいに、何度もトライ&エラーを繰り返しました。

その結果、今は人を傷つけるような怒り方はしません。どうしたら相手に伝わるのか、どうすればお互いが納得する解決策が生まれるのかを考えて自分の気持ちを話すように意識しています。

今では怒りを感じると、涙がまっさきに溢れてきます。シクシク泣いて、ここが辛かった、怒りを感じたと落ち着いて言葉にして、感情を浄化します。

「怒り」でストレス発散していたあの頃に比べると、私は成長して大人になってるな〜と感じます。

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