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葛飾区:東京の隠れた聖地巡礼スポット



地方出身の私にとって、葛飾区といわれてパッと思い浮かぶのは、「こち亀」だ。
こちら葛飾区亀有公園前派出所などとあれだけ仰々しくタイトルを掲げられたら、葛飾区に亀有があるということがいやでもわかる。同時に漫画のイメージもあってか、葛飾は下町情緒のある街並みが広がるイメージを抱いていた(実際厳密には葛飾は下町ではないらしいが)。さらにそんなイメージが輪をかけて、両津勘吉の出身地である浅草も近いんだろうなと思っていた。
だが実際に亀有に立ち寄って驚いたのは、亀有と浅草は結構離れていたことだ。バスだと亀有駅始発から終点まで揺られることになるので、ゆうに4~50分以上かかってしまう。私の頭には、両さんが自転車を走らせて浅草まで行っていたイメージがあったのだが、思い過ごしだったのだろうか。ただ、あの超人的なパワーを持つ彼のことなので、実際に自転車で浅草まで行っていたのかもしれないが。
 

しかし「こち亀」然り、実は葛飾区というのは、いろんなキャラクターにゆかりがある場所なのだ。アニメや映画の舞台となった街に足を運ぶ聖地巡礼が流行している昨今、葛飾は都内における隠れた聖地巡礼スポットともいえるだろう。

 例えば、ボールは友達でおなじみの「キャプテン翼」も葛飾がベースになっている。舞台である南葛は、作者の出身地である南葛飾をもじって名付けられたとか。実際に南葛飾にあたる四ツ木駅をはじめ、地域のいたるところにキャラクターたちの銅像が建てられており、まさにキャプテン翼の街なのだ。

さらに東側に位置する柴又は、言わずと知れた「男はつらいよ」だ。葛飾柴又という四字熟語のような言葉だけは、聞いたことがある人も多いかもしれない。劇中で登場する帝釈天参道はもちろん、そばには寅さん記念館も建てたられている。ちなみに亀有駅前の両さん像、四ツ木の翼君像と同じく、柴又駅には寅さんがいる。


 …と様々なジャンルで活躍する有名な方々を輩出している葛飾だが、もう一人忘れてはならない人物がいることをご存じだろうか。

そう、着せ替えお人形界隈のレジェンド・リカちゃんだ。

 私が亀有駅を訪れた際、リカちゃんのラッピングバスを目にする機会があった。そこには、

「リカの好きな街・かつしか」

というコピーが添えられた。何も知らない私は、リカちゃんくらいの有名人なのだから自治体とコラボをすることもあるだろうくらいに思っていた。
「キャンペーンガールみたいなこともやるんだな」
程度にしか思っていなかったのだ。

しかし、何とリカちゃん、葛飾区で出生届が作られたこともあるバリバリの葛飾っ子(こんな言い方するのか知らないけど)なのだ。これはリカちゃんのお膝元・タカラトミー本社が、葛飾区にあるかららしい。ちなみにタカラトミーがあるのは、区役所からほど近く飲み歩きの街としても知られる立石というところにある。女の子のあこがれを詰め込んだリカちゃんのイメージとはいささかギャップがある街のような気もする。

しかしそんな町で育った女の子が、世の女の子たちの憧れの存在になると考えると、なんだかドラマチックな気がしなくもない。

「リカの好きな街・かつしか」

これはリカちゃんの心からの地元愛、地域貢献なのだろう。そんなことを考えながらふと、大人になったリカちゃんが、立石のせんべろ居酒屋にお忍びで訪れてほろ酔い顔になる姿が浮かんだ私だ。


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