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ツボとトリガーポイント

今回はトリガーポイントを「楽」に見つける知識の紹介です。


今回紹介する方法は、経穴(ツボ)の知識から考えていきたいと思います。


ツボってなに?

経穴とは

経穴 (けいけつ) とは、中医学、漢方医学、経絡学の概念で、体内の異常に応じて体表の特定の部位に対応して現れるもので指圧、鍼、灸で刺激を与えることで体調の調整、諸症状の緩和を図るものである。一般には「ツボ」とも呼ばれる。筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)におけるトリガーポイント(例えば腰痛の原因となる筋・筋膜内の好発部位)と大半が一致する。[1][2]
引用:Wikipedia

経穴とは経絡治療の時に使用されるもので一般的には

ツボと言われることが多いです。

経絡とは

経絡とは、古代中国の医学において、人体の中の気血栄衛の通り道として考え出されたものである。経は経脈を、絡は絡脈を表し、経脈は縦の脈、絡脈は横の脈の意。 経脈は十二の正経と呼ばれるものと、八の奇経と呼ばれるものがある。
引用:Wikipedia

これらは、東洋医学と言われる内容のものになります。

東洋医学って鍼灸師さんやあんま・マッサージ師さんであれば馴染みのある分野だと思うのですが、

リハビリ職種の方(理学療法士や作業療法士)は、基本的に西洋医学を中心に学んでいます。

そのため東洋医学は、西洋医学で考えると理解が難しいことが多く、中には苦手意識をもっている人もいるかもしれません。

東洋医学って嘘くさい?

私も例に漏れず、理学療法士になる過程でずっと西洋医学の勉強をしていました。


最近でも無いですが、リハビリ業界でも「アナトミー・トレイン」が経絡と類似していると言った事が言われていたりするようになり、

以前よりも東洋医学や経絡と言われるものが、身近に感じることが増えました。(経絡との類似性はアナトミー・トレインの書籍第2版以降で記されています)

また、医師の処方する薬の中には漢方が含まれていることも多く、漢方はもとは東洋医学の分野で使用されているものなので、意外と西洋医学を学んでいる人にとっても馴染みのある分野になっています。

私も実際に理学療法士として働き出してから、東洋医学を学ぶためにセミナーに行ったりたり、書籍を読んでみたりとしています。

実際にセミナーを通じて学んだことや、書籍を読むにつれて西洋医学と東洋医学は言い回しが違うだけで、実は言っていることはそんなに変わらないのかも?と思うようになりました。

さらに東洋医学、特にツボというのはトリガーポイントの概念に相性が良いと感じています。

ツボとトリガーポイントの類似性 〜トリガーポイントよりわかりやすい?〜

先の経穴の説明にも書いてありますが、経絡治療で使われる経穴(ツボ)はトリガーポイントと一致している事が多いと言われています。

書籍によれば、約90%近くが解剖学的にトリガーポイントと一致しているとの報告もあります。

つまり、トリガーポイント≒ツボということですね。

さらにトリガーポイントよりツボが優れている点としては、

トリガーポイントは書籍によっては、好発部位などの記載もされていますが、経穴の位置と比べると場所が曖昧な事が多いです。

私自身もトリガーポイントをリリースするときに、明確な場所が把握できない事が多くあります。

比較的小さい筋であれば、筋硬結を探すことは難しくありませんし、わからなくても筋全体をほぐしていけば良かったりもするのでさほど問題にはならないのですが、

大腿直筋やハムストリングスなどの大きい筋になると、トリガーポイントを手当たり次第に探していくのは効率が悪く、時間もかかってしまいます。

ツボの位置は書籍でも、どこにあるのかがしっかり明記されているので

ツボの位置を覚えておくと、トリガーポイントの位置がわかりにくくても、ツボの位置を参考にアプローチするポイントを具体的に把握することができます。

例えば、前脛骨筋のトリガーポイントと足三里と言われているツボの位置はほとんど一緒ですし、短趾伸筋のトリガーポイントは丘墟というツボと一致しています。

アプローチのポイントが具体的に把握することができれば、患者さん自身にセルフケアを指導する時にも再現性が高くすることができますね。


個人的な考えとしては、アプローチに一番重要なものは再現性であると思っています。

アプローチを行った場合、次の日も同じようにアプローチが出来ること。

他の人が実施しても同じ様な効果が出ることが大切であると思っています。


再現性は重要で、どんな素晴らしい効果のあるトレーニングやケア方法でも習得に時間がかかってしまったり、もしくはできないということになると、結果として「リハビリが無いと〜」みたいに依存を作ってしまうことにもなると思います。

逆に自分でも身体がよくできるという実感があれば、自信もつき自律した生活が遅れると思います。

最後に

今回はツボの知識を使えばトリガーポイントが少し「楽」に見つけることができますよというお話でした。

ただ書籍によってはトリガーポイントと経穴は必ずしも一致しないとも言われているので、安易に信用しすぎるのも危険です。

あくまで参考にしつつトリガーポイントのある筋硬結を見つけることを大切にしたいと思います。

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