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歩くことは人生そのもの 〜Long Distance Hikers Day 2020 に参加して〜

ただ楽しいだけがハイキングじゃない。時には辛かったり何故か涙が出たり。向き合って、ポジティブもネガティブも自分と対峙する。歩くことは人生そのものだ。

そして、このように感じている人は自分だけじゃなかった。

◇ ◇ ◇

2/15,2/16 ロングディスタンスハイカーのためのイベントに参加した。

これは、トレイルカルチャーを発信するWebマガジン・トレイルズが2016年から開催しているイベントだ。

多くのハイカーが、国内外問わず歩いたトレイルを自分の経験として伝える場。実際の体験に基づくリアルな情報を得ることができる。

わたしは昨年、このイベントで話を聞き、その後JMTの地図を購入した。今年のイベントでは、実際にJMTを歩いたハイカーとして、経験談を伝える側になった。

ワクワクしたこと、不安だったこと、楽しかったこと、涙を流したこと、そしてその時みた景色。自分が感じたことを言語化することで、改めて思いを振り返る。

それと同時に、多くのハイカーのストーリーを聞き、共有することができた。

◇ ◇ ◇

特に印象的だったのが、15日にあった『YOUR LIFE AFTER HIKE』だ。半年間もの歩く旅を終え、その後何を感じるのか、社会復帰はできるのか。誰もが気になるポイントだと思う。

結論からいうと、結論は出ないままだった。ハイキングを終えて日本社会に再び溶け込んだ人、仕事を変えた人様々だったが、「自分はこのままでいいのだろうか」そんなモヤモヤを歩いた後も抱えている方が多かった。

ハイカーズデポの勝俣さんはこう言った。「ロングディスタンスハイキングは僕にとっては巡礼のようなものだった」と。

自然の中で長い期間過ごすと、色んな感情になる。ちっぽけな自分に気がついてフッと気持ちが楽になる時もあれば、自由の身でハイキングをしても、不安になったり自分を怒ったりすることもある。

ひとりひとりに特別な経験があり、感情がある。プラスなこともマイナスなことも、誰もが何かを気づいて旅を終える。

オーディエンスが、ハイカーの赤裸々な経験を、時に共感し、時に興味深く話を聞く。

◇ ◇ ◇

イベントが終わってから友人とこんな話をした。

「歩いている時に楽しいことだけじゃなくて、ネガティブなことも思ってしまったけど、私だけじゃなかったんだな」


人は何かに憧れて、新しいことを挑戦する。それは経験したことがなければ、すべてがキラキラして見える。でも実際には悔しいことも辛いことも沢山ある。

楽しい面のみじゃない、それでも人はトレイルを歩く。バトンは繋がれていく。時には自分だけのトレイルを求め歩く。

最後にハイカーズデポの長谷川さんはこう言った。

楽しいこともあれば苦しいこともある。それは人生と同じ。自分らしくあればいいんだよ。


ロングディスタンスハイキングは楽しいことばかりじゃなかった。でもそれを共有することができ、共感する人がいた。

自分らしければ、それでいいじゃない。ポジティブもネガティブも、ひとりひとりひとりの生き方や旅を受け入れて、背中を押してくれる。そんなイベントだった。

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