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ピアノで手を痛めないために、気をつけることは?

一生懸命ピアノを弾く方の中で、手を痛める方は少なからずいます。特に音楽大学などでピアノを専門的に弾いている人の間では、珍しい話ではありません。長時間の練習は、どうしても手や指を酷使するからです。

私自身も学生時代に手を痛めて、その後10年以上苦しみました。同級生の中にも、腱鞘炎やジストニアになった子もいました。
では、ピアノで手を痛めないためには、どうしたらよいのでしょうか?
本格的にピアノを弾いている人に向けて、実践してほしいポイントを紹介します。 

指のトレーニング器具は使わない

今はわかりませんが、以前、ピアノ学習者向けに指の訓練器具が市販されていました。指にはめることで指の力がつくとうたっていたと思うのですが、個人的にはおすすめしません。身近な人でその器具を使って、逆に指を痛めて通院することになった人がいたためです。当時習っていたピアノの先生にも、使ってはダメと言われました。
手や指は一度痛めると、なかなか完治しない場合が多いものです。素人の自己判断で器具を使用するのはおすすめしません。
 

準備運動する

いきなり弾き始めるのではなく、指や腕の準備運動するのは大切です。これは、以前通っていたお医者さんにも言われました。
手をグ―パーグーパー繰り返したり、腕を回したり、手や腕のウォーミングアップしてから弾き始めてください。
ピアニストの中には、練習前にお湯で両手を温める人もいるようです。

無理をしない

手が痛い、何か変だと思ったら練習をやめましょう。それでは上達できない、と思いますよね。でも、手が痛いのに無理して弾き続けたら、手を悪くしてしまうかもしれません。どんどん悪化して、結果的にピアノが思うように弾けなくなったら本末転倒です。
だから、今日は調子が悪いなと感じたら、練習をやめてしまうのです。楽譜を読み込んで分析したり、プロが演奏する音源を聴いたり、できることは他にもあるはずです。
もしくは、痛くない方の手だけ、つまり片手だけの練習に切り替えてみることをすすめます。
 

メンテナンスを受ける

メンテナンスというと、ずいぶんリッチだと思うかもしれません。しかし、音楽系の大学の先生方も、鍼やマッサージに通う方もいます。それも、音楽家の身体に詳しいプロに頼むのです。
また、全国的にも非常に少ないですが、音楽家の身体に詳しい整形外科のお医者さんもみえます。
お金はかかってしまいますが、手の不調をずっと抱えながら弾いたり、悩み続けたりするくらいなら、一度通ってみる方法もあります。
 

自分の手に合った曲を選ぶ

そもそも人の手の形は、みんな違います。手が小さい人、大きい人など様々ですよね。なので、弾きやすい曲、苦手とする曲は人によって違うはずです。
苦手な曲を練習して克服することも大切です。ですが、入試や試験に向けて何か月も弾き続ける曲は、自分の手に合った曲を選んだ方が負担は少ないはずです。
しかし、ピアノを習っている学生の場合、だいたい自分が弾きたい曲ではなく、先生が選んでくださった曲を弾くことがほとんだと思います。
 
ではどうしたらよいのでしょうか?
私が考える答えは、できる範囲で調節するということです。
例えば、友人から伴奏を頼まれた場合、自分の苦手な技術を多用するような曲ならば、断るのです(断れる関係性であれば、ですが…)。
手が小さくオクターブがぎりぎり弾ける方を例にします。もしも伴奏がオクターブを激しく鳴らし続けるような曲ならば、手に大きな負担がかかります。実際に、伴奏で無理をして、その後長く腱鞘炎に苦しんでいたピアノ専攻の同級生がいました。
ですから、あまりにも自分の手にとって負担が大きい曲ならば、弾かないことを選択するのも一つの方法だと思うのです。
 

ピアノで手を痛めないために、気をつけたいことについて解説しました。ピアノは練習量をこなさないと上達できない楽器です。
ついつい無理をしてしまう人もいると思いますが、大切な手を守るために、頭の片隅においてもらえると嬉しいです。


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