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この店のような方針だったなら "いきなりステーキ" も経営が傾きはしなかっただろうに……(ミスターデンジャー/墨田区立花/ステーキ)

近頃いきなりステーキの断末魔の叫びが定期的に聞こえて来る。一時の大ブームがウソのようで、下手したら意外と早く潰れてしまうんじゃないかと思えるほど。

そこで、同じ墨田区に本拠を置く大成功しているステーキ屋という事で、昨年紹介したばかりだが、あえて再びミスターデンジャーを紹介したい。

あんまり特定の店を下げて推したい店を上げるなんて事はやりたくないのだが、いきなりステーキが墜落してしまった要因を考えて行くと、どうしてもこの店の事を思い出してしまう。
何故なら、ミスターデンジャーが大人気(ちなみに行列店です)な理由の殆どが、いきなりステーキにないもの、もしくは失ってしまったものなのだ。

[ミスターデンジャーが流行っている理由]
・全体的に安い(コスパ最高)
・お肉が柔らかくて美味しい
・サイドメニューも美味しい
・食べ応えがすごい
・客にとって自由度が高い
・提供が妙に早い
・亀戸線の東あずまって立地が非日常的でたまらん
・ミスターデンジャー

では実際の写真を見ながらミスターデンジャーがいかなるお店かご紹介しましょう。

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まずこの東武亀戸線の東あずま駅という駅自体が魅力的。23区内とは思えぬほどのローカル駅で、改札口がひとつしかなく、ホームから改札に行く場合は、一々駅内の踏み切りを待って渡らないといけないという田舎駅仕様。
亀戸と曳舟を繋ぐ路線なので、使いこなすと意外と便利なのだが、その2駅以外は完全なローカル駅というのがたまらん。

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東あずま駅にはミスターデンジャーの広告が。「プロレスラーの店」をアピールしているけど、松永選手は引退して10年以上経ってるはずだし、もはや純粋に「リーズナブルで美味しいステーキ屋」として人気を維持している感がある。それも凄い話だ。

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東あずま駅の改札を出て、目の前の丸八通りを右に曲がって数分歩くと、陸橋の手前にミスターデンジャーがある。
掌の形をした椅子など奇抜過ぎてよく分からんオブジェが立ち並んでいて不穏だが、安心して欲しい、店内に入ってもこのセンスは何も変わらない。

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掌型のイスにビビって身体が硬直する息子。その背後には懐かしいWINGのポスターが。若い頃の松永氏はもとより、ミスターポーゴ、ディックマードック、ジプシージョー……と、すでに故人になってしまったレスラーが多数。ヘッドハンターズ懐かしいなあ。良い団体だったんだよなあWING。

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こちらがミスターデンジャーのドリンクメニュー。結構ピーキーな価格設定なのでよく数字を見て欲しいのだが、サワーや酎ハイ系は360円とまあまあ良心的なお値段。ソフトドリンクは260円~320円と、ぶっちゃけ少し高い。

だが、エビスビールの中生が300円という破格のお値段。後で紹介するけど、この値段でもジョッキはしっかりと大きい。

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こちらはサイドメニュー。今回は頼まなかったが、400円の牛すじ煮込みがお肉がゴロっと入っていてとても美味しい。他にも良心的なお値段のメニューがあるので、これをアテに300円のエビスの生ビールを引っ掛ける居酒屋としての使い方も可能だ。

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とはいえ、この店が真価を発揮するのはやはりステーキ。この店はステーキのお肉は1種類しかなく、輸入肉のサガリだけを使っている。ハラミに近い部位で、脂が少なく柔らかくてヘルシーな赤身肉なのだが、スジが多いという難点がある。これを丹念に処理し、美味しい赤身部分だけを提供している。そのため、どうしてもステーキの形状はゴロっとしたサイコロ状になってしまうようだ。

そのサガリを使ったステーキの価格に注目して欲しいのだが、なんと150gで1,380円、450g(1ポンド)で2,400円。ライス(大盛り無料)とスープをセットにしても+160円という衝撃的な低価格。

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ミスターデンジャーは味付けの自由度も高い。定番の塩・胡椒・醤油・タバスコといった調味料以外に、甘口ソース・辛口ソース・青じそ・胡麻味噌酢・テリヤキソース・ホットチリ・わさびと、10種類以上の選択肢が用意されているのだ。
卓上にはソース用の小皿がたくさん積まれているので、写真のようにテーブルの上にズラっと並べて、片っ端から試して行くことが可能。ああでもないこうでもない言いながら、好みの組み合わせを探すのがとても楽しい。

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