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ここだけの話、超人気店の本家より遥かに使い勝手が良いと思うんだよね……(大山ホルモン/板橋区大山/焼肉)

という訳で、お店に迷惑になってもナニがアレなので具体名は書かんが、我が家からさして遠くない街に、とても有名なホルモン焼き屋さんがある。
そこはもう開店と同時に行列行列また行列という有り様で、予約もできず(たしか)、まず席に辿り着けるかどうか分からないという状況。
その系列店だか姉妹店だかが板橋区の大山にあり、本家にも負けず劣らずの名店なのだとか。

『大山ホルモン』
お店の場所は、近頃レベルの高い飲食店が増えていて、隠れたグルメ通りと化している遊座大山商店街の、区立文化会館の向かい側。珈琲館のお隣。

まあこの店名から本家がどこかは分かる人には分かるよねえ。ちなみにウチは両国で、本家の方のお店には総武線に乗ってすぐなんだよねえ。

この日は同じ年頃の子供を持つ友人と子連れ飲み会だったのだが、”あの店” の系列でそれなりの人気店だというお店に、ガキんちょ連れで押しかけていいのだろうか。

子供達が静かにしてくれているか若干の不安はあるものの、肉を焼き始めたらそんな事はどうでもよくなった。
見てこの牛タンの露骨に旨そうな色合い、そして厚み。
色を見て「ハッ!」と感じた通り、牛さんの味が濃くて濃くて。

柔らかさといい臭みのなさといい、いっそタン刺しで食べてしまいたい。
※たっぷり過熱してから頂きました
※死ぬほど焼いてから頂きました
※もはや炭ってくらいウェルダンに焼き尽くしました

カルビやロースなど、いわゆる正肉の部位もあるのだが、やはり ”ホルモン” を名乗るだけあって、見せ場は内臓系である。
小さな子供には厳しいと思うけど、大人だったらばぜひホルモン系を食べて、仕入れ・目利き・下処理の間違いのなさを確認して欲しいなあと。

また、この店はアラカルトで注文すると価格がお高めなので、5,000円で食べ放題呑み放題というコースが超オススメ。飲み物の金額を考えなくて済むので、それが一番安上りだと思う。
店員の接客はすこぶる良いので、コースを頼んで好みを伝えれば、それ相応のラインナップを組んでくれる。この辺りは大いに信用してヨシ。

それと、この店は子連れ客に超優しい。
上の写真、右奥はウチの息子で、手前は友人の息子なのだが、中央の黒いシャツの子は、たまたま居合わせた知らない子である。
他にも同じ年頃の女の子を連れた夫婦も来ていたし、ある程度ならばウロチョロやかましくても許して貰えそうな雰囲気。(流石に学級崩壊レベルは勘弁してあげてね)

メニューも子供向けの物が用意されており、とりあえずソーセージ食わせてカレーを口に放り込んでおけば大人しくなる。
このカレー、とても丁寧に作られた牛すじカレーであり、大人が食べても普通に美味しい。

だが、今回我々は最後の最後で地獄を見た。壁の貼り紙メニューに「覚醒麺」とかなんとかいう文字列があったので頼んでみたのだが、ごらんの通りの凶悪なフォルム。
メニュー自体は混ぜそば・油そば系なのだが、かかっている唐辛子の辛さが尋常ではない。これ多分ジョロキアとかそういうレベル。

私は自他ともに認める辛さジャンキーであり、そんじょそこらの辛い物にはビクともしないのだが、その私が一口食べて即座に「ボクもう食べない」と顔を背けた逸品である。
そんな事になった例は、過去には今は亡き大沢食堂の極辛カレーと、マジックスパイスのアクエリアスくらいだ。

いや、考えてみたら極辛やアクエリアスは口に入れて、咀嚼して、飲み込んで、次を口に入れて……と、限界が来るまで何だかんだ2~3分は猶予があった。
ところが、この覚醒麺は 「やべ!」と伝わってくるまでが異常に早く、一口目を飲み込む時点で命の危険を感じて喉が閉じてしまった。
かなりの即効性の劇薬である。

これさあ、メニュー表にもうちょっと親身になって「生半可な辛さ耐性じゃ死にますよ?」くらいの解説文を書いておいて欲しかったなあ。
激辛という文字もなければ、店員さんに聞いても「だいぶ辛いですよ~」くらいのライトな反応しかなかったんだもの。
それでこのレベルの劇物ってのは想像できなかった。

単なるクオリティの高いホルモン系の焼き肉屋だと油断させておいてのコレ。実に板橋らしいクセの強さを、最後の最後に披露してくれた。
池袋エリアが遠くないならば、ぜひ試して欲しいお店である。

ちなみに、大山はこの店も含めて名店と呼ぶに相応しい焼肉屋がひしめき合っているので、何回かに分けてあちこち開拓してみるといいよ。

[店名] 大山ホルモン
[住所] 東京都板橋区大山東町23-6
[TEL] 03-6912-4929
[営業時間] 17:00~00:00
[定休日] 水曜

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