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エッセイ ひととき

言葉にしないって良いかもしれない。

だって大昔の人が遠くの大切な人を思う時、言葉は届かなかった。

現代になり、言葉も声も写真も動画も届くようになった。

それなのに、会えたひとときは、その何百倍もしあわせであるように感じるのはなぜ?

大昔の人が夢見た世界は、現代の日常だけど。

現代の人が夢見る世界は、大昔の人とさして変わらない気がする。


家族とはすごしたひとときが大切なんだな。

血のつながり、ばかりじゃあないんだろうな。


言葉は思いを伝えることができる。不完全にね。

その間をうめるのは、言葉にしないひととき。

そばにいるひとときも、
遠くはなれたひとときも、
思い出の中のひとときも、
もしかしたら未来に生きるひとときだって。

大切な宝もののような気がする。


そんなことを思う、ひとときだった。

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