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ローソンの決算内容を3分で解説!

今回はローソンの決算内容について見ていきましょう。
2025年に節目の50周年を迎えることもあり、”Challenge 2025”と題して色々な施策に取り組んでします。
それが功を奏してか今回は最高益を更新する決算となりました!
ただこの2月に発表されたKDDIとの業務提携によって上場廃止が決まっているため、今回が最後の決算内容の開示になるかもしれません。
少し寂しい気もしますが・・・


1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
営業収益は前年比+8.8%の1兆879億円と過去最高を記録しました。
事業利益に関しては前年比+46.3%の940億円、当期利益に関しても+75.5%の521億円と過去最高を更新しました。

出所:決算短信

国内コンビニ事業は「ハピろー!」などのマーケティング施策効果や新型コロナの終息に伴って人流回復影響などもあり、営業収益が増加しました。
また海外事業では中国ロックダウンの影響からの回復、エンタメ関連事業ではコンサートなどの開催が好調に推移するなど好調な結果となっています。

ではセグメント別に内容を見ていきましょう。
セグメントとしては5つ「国内コンビニエンスストア事業」「成城石井事業」「エンタテイメント関連事業」「金融関連事業」「海外事業」があります。

出所:決算補足資料

◇国内コンビニエンスストア事業
セグメント利益は前年比+46.5%の697億円の大幅増益となりました。
またこのセグメント利益はは全体利益の74%を占めています。

出所:決算補足資料

2025年に創立50周年を迎えるということで、”Challenge 2025”と題して「大変革実行委員会」を立ち上げて様々な施策を進めています。

出所:決算説明資料

全国を8エリアに分けてエリアカンパニー制を採用して、品揃えの「幅」と在庫の「量」にこだわった売場の強化を推進してきました。
また「マチの“ほっと”ス テーション」を実現するためのプロジェクト「ハッピー・ローソン・プロジェクト!(ハピろー!)」を引き続き展開し、すべてのお客さまから支持されるローソンを目指し、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マ チ)への優しさ」の3つの約束を実現するための施策を推進しています。

出所:決算説明資料

これらの活動の成果もあり、「日販」「客数」「客単価」の指標を前年比較で見ると全てで増加しています。

出所:決算説明資料

店舗運営に関しては、3つの徹底(1心のこもった接客、2マチのニーズに合った品揃えの徹底、3お店とマチをきれいにする)の強化に努めています。
お客の生活と価値観の変化に対応した商品の品揃えを拡充し、売上向上に努めるとともに、店舗オペレーションの効率化や廃棄ロス・水道光熱費の抑制など、加盟店利益の向上に向けた取り組みを継続しています。
その成果としてコロナ禍前の2019年と比較して、加盟店1店舗当たり・1オーナー当たりの利益は増加続けています。

出所:決算説明資料

またこれは全体的なことですが、環境への取り組みとして『Lawson Blue Challenge 2050!』 を掲げて活動を進めています。
「CO2排出量削減」「プラスチック使用量削減」「食品ロス削減」の3つのカテゴリーで、2013年比で100%削減するというチャレンジングな目標を立てています。
企業として利益の追求のみならず、環境への貢献も必要とされている今の時代を反映していますね。

出所:決算説明資料

◇成城石井事業・エンタテインメント関連事業
成城石井事業のセグメント利益は前年比△4.3%の減益で122億円、一方エンタテイメント事業は+35.7%の大幅増益で65億円となりました。

出所:決算補足資料

成城石井事業は、コロナ禍で伸び悩んでいたオフィス店舗の売上が回復するなど売上は伸長したものの、大和第3セントラルキッチンの減価償却費の増加などにより減益となりました。

エンタテインメント関連事業に関しては、コロナ禍明けにより人流が回復し、コンサートやレジャー関連のチケット取扱高が増加を続けています。
また映画関連はまだ2019年比で見ると完全に回復はしていませんが、徐々に客足が戻ってきているという状況です。

出所:決算説明資料

◇金融関連事業・海外事業
金融関連事業のセグメント利益は前年比△23.1%の減益で29億円、海外事業は前年の赤字50億円から一気に25億円の黒字に躍進しました。

出所:決算補足資料

金融関連事業に関しては、ATM事業での提携金融機関の拡大及びキャッシュレス決済アプリへのチャージのサービスの拡充により1日1台当たりのATM平均利用件数は増加しましたが、保守費の増加によって減益となりました。

海外事業に関しては、中国でのロックダウン影響からの回復や海外の店舗数が前年から+1,184店舗増加したことなどにより、大幅な増益となりました。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
資産全体としては前年末から+550億円増加しました。

流動資産は+360億円増加していますが、そのうち現預金で+329億円の増加がありました。この点関しては後のCFの状況で見ていきます。
それ以外では営業債権で+106億円の増加がありましたが、これは営業収益増加に伴って増加したものと考えられます。

非流動資産では+190億円増加しましたが、有形・無形資産への投資が進んだ結果+194億円の増加がありました。

出所:決算短信

負債に関しては+196億円増加しましたが、そのうち営業債務で+244億円の増加が見られました。
一方借入金に関しては返済が進み△819億円減少しています。

資本に関しては+354億円増加しましたが、包括利益で+545億円、剰余金の配当で△192億円が主な内容です。

出所:決算短信

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+329億円増加しました。
内訳としては営業CFで+3,833億円、投資CFで△671億円、財務CFで△2,845億円という内容となります。

営業CFは税引前利益と減価償却費で+2,905億円と、この2項目で営業CFの大部分を稼いでいます。
特に減価償却費が2,000億円以上ありますが、全国に出店しているためどうしても減価償却費の割合は高くなってきます。

投資CFに関しては、有形・無形資産の取得で△585億円の支出がありましたが、金額の規模感としては前年と同レベルです。

また財務CFに関しては、借入金の返済で1兆9,000億円と多額の返済がありましたが、一方で1兆8,200億円の新規借入があったので、実質的なCFへの影響は△800億円となりました。

出所:決算短信

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ

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