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JMホールディングスの決算内容を3分で解説!

今回はJMホールディングスの決算内容について見ていきましょう。
「肉のハナマサ」と言えばお分かりになる方も多いかと思うこの企業、決算内容はどうでしょうか?

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+8.5%の1,408億円となりました。営業利益は前年比+1.5%の66億円、当期純利益は+0.5%の42億円となり増収増益という結果です。

出所:決算説明資料

効率性の観点から見ると、売上総利益率は前年の28.4%に対して今回は27.9%と△0.5%下がりました。昨今の原油・原材料価格の高騰状況から考えると、「△0.5%で抑えることができた」と見る方が妥当かもしれません。
また営業利益率も前年の5.1%に対して今回は4.7%と△0.4%下がっています。これは先程の売上総利益率の減少と販管費の増加が要因となっています。販管費は前年比+23億円増加していますが、人件費関連で+7億円増加しておりこれが大きく影響しています。

出所:有価証券報告書

次にセグメント別に詳細を見ていきましょう
セグメントしては大きく2つ、「スーパーマーケット事業」とその他に分かれます。そのうちスーパーマーケット事業は全体の売上高と営業利益それぞれの97%を占めています。

出所:決算短信

スーパーマーケット事業に関しては現在全国に90店舗展開しています。
業務用スーパーの「肉のハナマサ」は全国に55店舗、「生鮮館」は15店舗展開しています。
出店地域は関東から東北の一部に限られており、特に肉のハナマサの55店舗のうち43店舗は東京23区に集中しています。
また今年1年間で3〜6店舗の出店を予定しています。

出所:決算説明資料

店舗数としては肉のハナマサが一つ抜けていますが、売上高や利益に関しては生鮮館(ジャパンミート)は肉のハナマサの約2倍の規模となります。
またこの2社でスーパーマーケット事業のほとんどを占めています。

出所:有価証券報告書

会社全体の今後の展開としてもこの2社を中心に事業展開を進めていきます。具体的に中期経営計画としては、2025年に売上高1,800億円・経常利益82億円を掲げています。あと3年でここまで到達する計画はなかなかアグレッシブな数値ではありますが、ここ7年間の推移を見ると売上高と経常利益は毎年増加を続けて成長しています。

出所:決算説明資料

また成長のための投資として、物流体制の拡充を目的とした常温・冷蔵倉庫棟を建設しています。着工は2021年10月と既に始まっていて、倉庫の稼働は2023年6月を予定しています。この倉庫がフル稼働するような生産体制になっていれば目標の売上高も到達できるのではないでしょうか。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+34億円増加しました。

出所:決算説明資料

資産の部では現預金で△8億円減少しましたが、一方で2023年稼働予定の倉庫棟に関する設備投資により建設仮勘定が+31億円増加しました。
また投資有価証券の取得で+5億円増加しています。

出所:決算短信

建設中の倉庫棟に関しては、投資総額60億円を予定しています。現時点で既に43億円は投資済みなので、残り17億円は次年度で投資予定となります。
投資資金が足りなければ借入で補充する必要がありますが、そこは今後の自己資金の推移を見ながら判断する形になります。

出所:有価証券報告書

また負債の部では大きな動きはありませんでしたが、短期借入金で+7億円増加しました。一方長期借入金で△6億円減少しているので、借入金全体としては+1億円増加という内容です。

純資産の部の動きとしては剰余金配当で△8億円減少、当期純利益で+42億円増加しましたので全体としては+35億円増加という内容です。

出所:決算短信

指標の観点からも見てみると、安全性指標の流動比率(流動資産÷流動負債)は155%と目安の200%を下回っています。数値としては少し低いかもしれませんが、安全性に問題があるレベルではないと思います。
また業種的に一般消費者への売上のため、債権の回収期間は短く貸倒等のリスクもほとんどないと考えられます。固定比率(固定資産÷自己資本)に関しては78%と目安の100%を下回っているので問題なと言えます。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては+4億円増加となりました。内訳としては営業CFで+51億円、投資CFで△37億円、財務CFで△10億円という内容です。

出所:有価証券報告書

ここで一点注意が必要ですが、このCFでいう「現金及び現金同等物」とBS上の「現金及び預金」は同じではありません。
CFの計算上では「預入期間が3ヶ月を超える定期預金」は含まれません。今回はこの類の定期預金が38億円ありましたので、その分CFとBS上に差異が発生しています。この点、ご注意ください。

出所:有価証券報告書

営業CFに関しては、税前利益で+69億円としっかりと本業で稼ぐことができており問題ありません。
投資CFに関しては、現在建設中の倉庫棟に関する支払もあり、固定資産取得関連で△42億円の支払いがあります。
財務CFに関しては、長期借入金の返済で△6億円支払いがありましたが、短期借入金の純額で+7億円増加しています。

全体としては本業でしっかりと稼ぎ、その資金を投資に回すことができているので問題ない状況ではないかと考えます。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?





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