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GA technologiesの決算内容を3分で解説!

今回はGA technologiesの決算内容について見ていきましょう。
創業から10年で国内不動産企業の中堅どころまで成長を遂げたこの会社、その好調な決算内容はどうなっているのでしょうか?

1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
まず前提としては日本基準ではなく国際会計基準(IFRS)を採用しています。
この点、ご注意ください。

では話を戻します。
売上収益は前年比+29%の1,466億円と過去最高となりました。
事業利益は前年比+113%の21億円、当期純利益も+164%の10億円と利益面でも過去最高を更新しました。
成長への投資は継続しつつも、DXによる効率化などによりコスト削減に成功し、その結果過去最高の業績を達成しました。

出所:決算説明資料

では各セグメント別に内容を見ていきましょう。
事業としては2つ「RENOSYマーケットプレイス事業」「ITANDI事業」があります。
事業の概要を簡単に言えば「RENOSYは不動産投資サービス」、「ITANDIは不動産賃貸サービス」となります。

出所:決算説明資料

◇RENOSYマーケットプレイス事業
売上収益は前年比+29%の1,430億円、事業利益は+33%の65億円と過去最高の業績となりました。

出所:決算説明資料

オーナーからの直接調達や新築コンパクトマンション等の商品ラインアップの拡充等による手数料率の改善施策 の実施、サブスクリプションにおいてスケールメリットを最大限活かすべくDX活用による業務効率化等を行ってきました。
また、デジタルマーケティングを活用した効率的な集客によりRENOSY会員数も増加しています。その結果、主なKPIはRENOSY会員数39.8万人(前年同期比約23%増)、ARPA 1,061百万円(前年同期比約 20%増)、購入DX成約件数 5,621件(前年同期比約25%増)、売却DX成約件数2,165件(前年同期比約 61%増)、サブスクリプション契約件数17,879戸(前年同期比約33%増)と全ての指標で確かな成長を見せています。
その結果、これらの成長が売上収益・各利益項目で過去最高の業績へと繋がったのではないでしょうか。

出所:決算説明資料

◇ITANDI事業
売上収益は前年比+56%の32億円、事業利益は+149%の7億円とこちらの事業も大幅な増収増益となりました。

出所:決算説明資料

改正宅建業法施行による市場ニーズの高まりの中、SaaS事業に対する費用対効果の高い投資を行ってきました。
電子入居申込及び電子契約は業界シェアNo.1となるなど、仲介業者から高い評価も獲得しています。
また、バーティカルSaaSの強みを生かして導入社数増加に伴い、クロスセルでのプロダクト導入も伸長しています。
その結果、主なKPIはARR 25.2億円(前年同期比約32%増)、累計顧客数2,681社(前年同期比約42%増)、導入プロダクト数8,487プロダクト(前年同期比約56%増)、チャーンレート0.59%(前年同期0.47%)、ユニ ットエコノミクス26.2倍(前年同期25.5倍)、ITANDI BB PV数956万PV(前年同期比約32%増)の達成など、 黒字を確保しながら高い成長率を実現しました。

出所:決算説明資料

◇2024年10月期 業績予想
2024年の業績予想に関しても概要を見ておきましょう。
売上収益は前年比+20.2%の1,763億円、事業利益は+51.8%の33億円と過去最高業績だった今回の決算をさらに上回る見通しとなっています。
各事業でも全ての項目で二桁増の見通しとなっており、今年の勢いそのまま来年度も成長を続けていけそうです。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+61億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産では+82億円増加しましたが、そのうち現預金で+56億円の増加がありました。この点に関しては、後のCFの状況で見ていきます。
あとは棚卸資産で+21億円の増加がありましたが、これは販売用不動産が増加したことによるものです。
一方で固定資産は△21億円減少しましたが、そのうち投資不動産で△33億円の減少がありました。

負債に関しては+48億円増加しましたが、そのうち社債・借入金で+60億円の増加がありました。

出所:決算説明資料

純資産に関しては+12億円増加しましたが、増加要因はほぼ当期包括利益の+11億円と考えて良さそうです。

また財務基盤安定のために、健全な自己資本比率と手元現預金水準の維持を図っています。
自己資本比率の目安としては、当面は30〜40%水準を維持するようバランスを見ながら意思決定をしていると考えられます。

出所:決算説明資料

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+56億円増加しました。
内訳としては営業CFで+67億円、投資CFで△20億円、財務CFで+8億円という内容です。

営業CFは税引前利益で+15億円としっかり稼げており問題ありません。
また減価償却費・償却費で52億円の計上があるので、CF上ではこれがプラスとして効いてきます。
有形固定資産、投資不動産、のれんなどの金額が大きいため、減価償却費・償却費の金額が大きくなっています。

出所:決算短信

投資CFに関しては、無形固定資産と有形固定資産の取得として△16億円の支出がありました。
前年が△11億円の支出だったので、少し投資金額が増加しています。

財務CFに関しては、毎年約40億円程度のリース負債の支払いがあります。
一方で短期・長期借入金の新規借入と返済がありますが、今回は短期で+30億円、長期で+41億円の借入金の収入がありました。
やはり40億円のリース負債の支払いがかなり負担となっているようです。

また配当政策としては、現状では業績を拡大して長期的な株価上昇が重要と考えているため、短期的には配当による株主還元は行わない方針です。

出所:決算説明資料

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算をみようかな?

マサキタカオ

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