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『あなたの事が気になっています。』第5回「絶対に目が合わない電動アシスト自転車に乗ってる人」

こんにちは、お昼の春菊です。今回で第5回目です。ここまで「気になる人」というテーマで書かせてもらった対象のほとんどが壮年期の男性になってしまっております。反省して善処します。今回も何卒よろしくおねがいします。

 この間、人生で初めていわゆる「電動アシスト自転車」に乗りました。他人様の借り物です。思わず「うおー!」と声に出してしまう感動がありました。漕ぎ出しの重いペダルとの長年の苦闘からの解放。持ち手を捻るだけでこれまでのストレスがほぼ0。あれはなんと素敵な乗り物なんでしょうか。もっと普及すべき、栄えある人類の進化とすら思えます。



乗ってる乗ってないは置いときまして、街を歩いている時に電動アシスト自転車とすれ違う機会は格段に増えましたよね。やっぱり未だに「お値段高くね?」とは思うものの、足腰に不安のある人や長距離を乗る人、お子さんの送り迎えがある人とか配送の人とか、絶対にみんな乗れたほうが便利です。

ただ、日本の道路事情において、現状、大概の歩道は人がすれ違うのに精一杯の細そ細っそい場所が多く、歩行者同士でもお互い左右に開いて端に寄って身体を斜にして譲り合う感じにしないといけない道も相変わらず多いです。それが自転車となるとなおさら。

法律上「基本、自転車は車道を!」とは言うけれど、車道は車道で自転車用の走行路はなく、大型トラックと肩を寄せ合うようにキワっキワのスレっスレで危険な場合もこれまた多いですよね。特に電動アシスト自転車の場合、その用途的にも子供連れの方や買い物の荷物をモリモリ積んでる人も多いので、一様に車道を走れというのは危険だし嫌なのもわかりますし。細身のロードバイクは車道でも電動アシスト車はほぼ歩道、みたいになってる感じの今の所です。



そんな「歩道を走る電動アシスト車」について気になって考えてしまう事。あくまで一応、個人的な経験による印象としての話です。歩道上で「こちらが歩き、向かいから電動アシスト車が来る」状況ですれ違う場面の時、

「あ、向こうから電動アシスト車来るな〜、歩道狭いから早めにじゃあ私は左(ないし右)側に寄りますね〜、そちらもお願いしますね〜」の意思表示のつもりで割と早め遠目でこちらが端に寄ったのに、向こう(アシスト車)にはその気配が全然ないままド真ん中を中々な速度で向かって来る感じ、がケースとして多い気がしています。

「こちらは左寄りましたんでね〜そちらも左にお願いしますね〜……おや?全然寄らないな…?こっちに気付いてないのかな…いつ寄るのかな?もうそろそろ危ないけど…あれ、真ん中来るな…ほら、寄らないと。いや、まだ真ん中じゃん、いや、真ん中来てるって!え、真ん中来るの?うわっ!真ん中!(通過)最後まで真ん中〜!!」みたいな、こっちが塀ピッタピタにカラクリ屋敷の忍者みたいになってすれ違う経験が大袈裟でなく何回か今まであって、

で、ここからが今回の気になることの本題なんですが、そんな時の電動アシスト車の運転手さんには全員同じ特徴があって(これもあくまで個人的な印象として)電動アシスト運転手の人はすれ違う際、「目線も顔もピクリとも動かさずに遥か彼方一点を見つめていて目が合った試しがない」という点。本当に全員が全員、チラリとも目線をくれないまま、こちらの存在に気づいてないのかしらと思う程ビューンと通り過ぎて行きます。目線くれなさが空港に降り立つハリウッド女優並みです。一体、あの現象は何なのでしょう?


目が合わないという法則に気付いてから、余計に目を合わせにいってみた時期もありましたが、やっぱり絶対に目は合いません。あまりにも目が合わないので、もしかして私が気付いてないだけで私は実はもう死んでいるのか?と考えちゃった事もありました。一応、こちらの意図としては「どっち側に寄るのかな?」のヒントとして目線の向きとかを見るつもりで相手を見てるのですが一切ヒントを与えてくれません。

こちらが霊魂でないのであれば、ではこの「電動アシスト車、真ん中を走り、そして目が合わず」現象はなんだろう?とずっと不思議に思っていました。昔、学校の廊下とかで真ん中をわざわざ歩いて全然道を譲らないのは総じて不良ヤンキーで、じゃああのアシスト車の人も「あん?てめーがどけよ」みたいな威嚇的な事なのかとも考えたんですが、それも何となく違う気がします。



で、この間、初めて電動アシスト車に乗ってみて、一点を見つめて目が合わない人の心理が少し理解出来た気がしました。

まず、電動アシスト車は体感として、挙動が自転車というよりオートバイに近く、漕ぎ出しからスピードが出るまでが異様に早い上、自分の運転スキル(脚力)以上にスピードが出る事。それゆえ若干恐怖度が高く、慣れないと体に力が入ってしまう事。

で、車体が普通の自転車よりも重いので徐行、ないしその場で立ち漕ぎで停まるのが感覚として億劫な気持ちになる事。オートバイでスピードに乗ってる時に壁際を走行するのはちょっと嫌な感覚、といえば分かりいいでしょうか。

バイクに乗った事がない人、かつ、オフィスでこれを読んでる人向けに例えるならば、今、あなたの目の前を並んで歩いている、苦手な課長と不潔な部長の間を割ってダッシュで走り抜ける感覚です。分かりにくいでしょうか。

要は”電動アシスト車は走りながら端に寄りづらい”という事ではないかと。正誤はともかく狭い歩道で中央に寄ってしまう気持ちは乗ってみて初めて解りました。やはり体験は大事ですね。「相手の気持ちになって考えるのが大切」と小2で習った真理です。


しかしです。理解が出来たはいいけれど、現実問題、歩道での事故も多いというし、この問題はどうしたらいいのでしょうか?電動アシスト車は便利だから普及したほうがいい、でも子供を乗せたまま車道なんて絶対走りたくない事情。今更、国土交通省(?)が歩道広くするのも絶対やってくれそうにない事情。ここからは社会全体で取り組む課題です。果たして抜本的解決策はあるんでしょうか。

それは今は分からないのでとりあえず「私なりに出来る事」を。今回の記事が皆さんの参考にもなりましたら幸いです。

「私なりに出来る事」。従来の「お年寄り」「妊婦さんなど体の不自由な方」「子供」「犬」、ならびに「不良」「チンピラ」「ややこしそうな酔っ払い」等に追加して、電動アシスト車(new!)が向こうから来たら、条件反射で道を譲りまくるようにしていく事。今後は、電動アシスト車をチンピラと同格に扱う事をここに誓い、まとめとさせて頂ければと存じます。

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※この文章は2010年3月号〜11月号に掲載用に
自主的に書いたものに大幅に加筆修正したものです。

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