小林 清: 近江化成工業代表取締役/爽快潔リビング支配人

米国の大学卒業後、医療機器メーカーに入社。 現法駐在員として15年間海外を渡り歩いたの…

小林 清: 近江化成工業代表取締役/爽快潔リビング支配人

米国の大学卒業後、医療機器メーカーに入社。 現法駐在員として15年間海外を渡り歩いたのち、現職に就く。 専門はマーケティング。 ドラッカーNP会員。 滋賀県立大学/大阪公立大学非常勤講師。 旅と歴史好き。 (このノートは、当店寝具を取り扱う鍼灸柔整師向けの連載記事です)

マガジン

  • もしドラ治療院 ~もしドラッカーが治療院経営をしたら~

    このマガジンは、弊社治療院プログラム(寝具の物販)にご参加頂いている鍼灸整骨院/エステサロンの経営者向けに書いています。「もしドラッカー先生が治療院を経営したら」という視点から、氏の本質的な教えを参考にし、治療院経営の在り方を一緒に考えていく場作りを目指しています。治療院プログラムの詳細は、こちらをご参照ください。https://www.soukaiketsu.biz/webdm_top.html

最近の記事

♯21 マーケティングとイノベーションだけが、成果をもたらす 前編

(この記事は約3分で読めます) 前号では、もしドラのベースとなった名著「マネジメント」の骨子について書きました。 その教えは、日本人にも馴染み深い近江商人の教えである「三方良し」と、驚くほど相通じるものがあったんですよね。 大著マネジメントは、三方良しを構成する「買い手良し=顧客のニーズ」、「売り手良し=社員のニーズ」、「世間良し=社会全体のニーズ」について、一つひとつ、そして相互に連関させながら、深く掘り下げて考察しています。 今回は一つ目の構成要素である「買い手良

    • ♯20 近江商人とドラッカー

      (この記事は約4分で読めます) 当社内で社員と毎月行っているドラッカー読書会。 今月から課題本が「もしドラ」でベストセラーとなった「【エッセンシャル版】マネジメント」になるので、久しぶりに読み返しています。 その本の冒頭。 ドラッカー氏は数多くの会社へのコンサルティングを行ってきた経験から、マネジメントの本質に関するシンプルで、そして常に肝に銘じておくべき言葉を残しています。 「基本と原則」。 課題本としたエッセンシャル版の副題も、よく見ると「基本と原則」。 ビッグモ

      • #19 勇気こそ、新大陸発見の栄養素

        (この記事は約3分で読めます) 前号では、元旦に決意する「一年の計」を、「今年はなにをやるか」ではなく、「今年はなにをやめるか」にすることを提唱しました。 ドラッカー氏の説く「過去を計画的に廃棄せよ」です。 ドラッカー氏は、「過去を計画的に廃棄する際、まずは ”劣後順位”を付けることが重要」と合わせて指南します。 「劣後順位」という言葉は聞き慣れないので、一瞬面喰います。 意味は単純明快で、「優先順位」の対極にある言葉。 つまり、「やらないこと」の順位付けです。 「

        • #18 今年はなにを”やめます”か?

          (この記事は約2分半で読めます) 「一年の計は元旦にあり」。 ということで、多くの経営者は年始に今年一年かけて「到達すべき」「やりきるべき」目標を設定します。 ご多分に漏れず、私自身も「今年は!」という志のもと、一年の計となる目標を立てるのが、毎年年初の恒例行事です。 (そして、毎年数か月後に挫折、あるいは忘却の彼方へ行ってしまっています...) 昨年の年末も凝りもせず、「さて、来年の誓いはどうしようかな?」と考えていた矢先、一緒にドラッカーを学んでいる経営者仲間が、

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        • もしドラ治療院 ~もしドラッカーが治療院経営をしたら~
          21本

        記事

          #17「理念経営は、サグラダファミリアだ」

          (この号は、約3分で読めます) 前号 では、経営理念が社内に浸透しない根本的な理由として、社員と経営者の短期的利害が一致しない点を取り上げました。 経営理念の浸透には、経営者・社員ともに相当な覚悟とエネルギー、そして時間を要します。 さらに理念経営(理念を軸にする経営スタイル)の難しいところは、中途半端な導入が何の成果も生まない点。 せっかく導入したものの、思った形で成果が出ず、途中で大きくトーンダウンしてしまったり、形骸化してしまうのは、よくある話。 そしてそのあと残

          #16 経営理念の浸透は、本当に必要なことなのだろうか?

          (この号は、約3分で読めます) 経営者が担う仕事のなかで、最難関のひとつと言えそうなのが「ミッション・ビジョン・バリューの浸透」。 どこの会社にも理念やビジョンはありますが、社員への浸透度はマチマチ... かく言う当社も経営理念がなかなか浸透せず、苦労しています... なぜ経営理念の浸透が、これほどまでに難しいのでしょうか? そもそも、ミッション・ビジョン・バリューを社内に浸透させることが、本当に必要なのでしょうか? この難しい問いに対し、ドラッカー氏の考え方も参

          #16 経営理念の浸透は、本当に必要なことなのだろうか?

          ♯15 リーダーシップとは人の視座を高めることである

          <見出し画像> 今月の一言:「リーダーシップとは人の視座を高めることである」 栗山監督率いるWBC(ワールドベースボールクラシック)の優勝。 LAエンジェルズ大谷選手の大活躍。 そして、就任一年目の岡田監督が率いる、阪神タイガースのリーグ優勝。 私の住む関西では、今年2023年は野球で盛り上がる年となっています。 矢野監督率いる去年の阪神は、今年のメンバーとほぼ同じなのにもかかわらず、なかなか成績が出ませんでした。 ところが監督が岡田さんに変わると、同じチームとは思え

          ♯15 リーダーシップとは人の視座を高めることである

          ♯14 利益は虚構。存在するのはコストだけである

          今月の一言:「利益は虚構。存在するのはコストだけである」 (この号は3分で読めます) 「利益は目的でなく、会社存続の条件である」 「利益をもたらすのは、顧客だけである」 などなど。 ドラッカー氏は、「利益」についても、沢山の金言を残しています。 その中で私が一番驚いたのが、 「利益は虚構である」の言葉。 「利益は会計上の幻影に過ぎない。存在するのはコストだけである」と続きます。 利益は会計上「売上ー費用」という差額で示されるので、利益はその「余剰」という感覚になり

          ♯14 利益は虚構。存在するのはコストだけである

          ♯13 顧客は“違い”に対して、お金を支払っている

          今月の一言:「顧客は“違い”に対して、お金を支払っている」 (この号は3分で読めます) 事業を行う上で、「差別化」は頻繁に出てくる用語ですね。 では、「差別化」とは何でしょう? 一言で言えば、「他と違うことをやる」ですね。 実は、「“違い” には、“違い” がある」ことをご存知でした? 例えば、「バイデン大統領と綾瀬はるかの違いを列挙せよ」と言われたら、「男女」「国籍」「身長・体重」「年齢」「職業」「収入」等々、沢山出てくるでしょう。 実はそれらの “違い” は、“

          ♯13 顧客は“違い”に対して、お金を支払っている

          ♯ 12 この半年で敢えてやめたものはありますか?

          今月の一言:「この半年で敢えてやめたものはありますか?」(ピーター・ドラッカー) (この号は2分で読めます) 7年前に世界的ベストセラーになった名著「ライフシフト~100年時代の人生戦略」。 みなさんはこの本をお読みになったことはありますか? 内容をざっくり言うと、、、 「私たちの寿命は確実に100歳になります。 100年人生の後半戦を有意義に生きるため、“お金”という『有形資産』だけでは充分ではありません。 “1.家族やコミュニティー”、 ”2.20年後も価値ある

          ♯ 12 この半年で敢えてやめたものはありますか?

          ♯ 11 重要なことは、既に起こっている未来を確認すること

          今月の一言:「重要なことは、既に起こっている未来を確認すること」 (この号は3分で読めます) 私の住む京都。 一年前の静寂な京都が嘘のように、国内外の観光客で溢れかえっています。 でも、4年前。 だれが、コロナやウクライナ戦争の勃発を予想していたでしょうか? AI、地球温暖化、米中新冷戦... 5年後の未来を予測する潮流はあります。 しかしその流れから、5年後の日経平均、日本の首相、世界情勢、自社の業績を予測することは可能でしょうか? この不確実な時代、5年後はおろ

          ♯ 11 重要なことは、既に起こっている未来を確認すること

          ♯10 マネジメントは一般教養(リベラルアーツ)である

          今月の一言:「マネジメントは一般教養(リベラルアーツ)である」 (この号は約3分で読めます) この言葉、ドラッカー氏の数ある名言の中でも、特に好きな言葉です。 Liberal art の日本語訳は「一般教養」。 私たち日本人が抱くイメージは、大学1~2年時の必須科目として選択しなければならない、広くて浅い一般的な教養の印象が強いですよね。 でも実は、欧米ではその言葉にもっと深く、大きな意味が含まれています。 その語源的意味は、「自由になるための学問」。 哲学、歴史、芸

          ♯10 マネジメントは一般教養(リベラルアーツ)である

          #09 ゾウの時間とネズミの時間

          (この号は、約3分で読めます) 早いもので、2023年も3ヶ月経過。 ぼんやりしていると、2023年もあっという間に過ぎそうです。 ということで、今回は「時間」について、一緒に考えていきましょう。 年齢を重ねると一年があっと言う間に過ぎると、よく言いますよね。 実はこの現象を心理学的に分析し、法則化した哲学者がいます。 60歳の人の1年も、6歳の子供の1年も、絶対時間としては同じ1年。 しかし、その1年。60歳の人には、長い人生の中の1/60。 対して6歳の子供

          ♯08 コミュニケーションは知覚である

          今回の一言:「無人の山中で木が倒れたとき、音はするか?」 (この号は、約2分で読めます) ドラッカー氏は「コミュニケーション」に関しても、数多くの至言を残しています。 そして、コミュニケーションの本質を、有名な禅問答に喩えています。 「無人の山中で木が倒れたとき、音はするか?」 ・・・答えは「否」。 「音波は発生する。だが、音を感じる者がいなければ、音はない。」 という禅宗の教えを比喩し、以下のように論じます。 とても奥深いですね。 更に、 「コミュニケーション

          #07 「問い力を鍛える」 <~後編:実践編2/2~>

          ■ <最終章 正しい問いとは?> (この号は、約3分で読めます) ドラッカー氏の名言中の名言ですね。 「間違った問いに対する正しい答え...」 深い言葉です。 我々にとって最も重要なことは、「正しい問いを立てること」。 一方、正しい問いにたどりつくのは、とても難しい... そもそも、なにが「正しい問い」なのかも、分からないですよね... それだけに、正しい問いにたどりつくため、常日頃から「良い問い」を発する訓練が必要です。 「問いの千本ノック」や「問いの習慣化」で、

          #07 「問い力を鍛える」 <~後編:実践編2/2~>

          ♯06 「問い力を鍛える」 <~後編:実践編1/2~>

          今回の一言:「具体と抽象の往復運動」 (楠木建) (この号は約3分で読めます) 三部に分けてお伝えする「問いを創る力」について。 今回はいよいよ第三部、最終部の実践編です。 過去2回の内容をざっくりまとめると、以下の通りです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ << 問題解決力 ⇒ 問題発見&提起力の時代へ >

          ♯06 「問い力を鍛える」 <~後編:実践編1/2~>