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3つの散骨方法と費用相場を解説

シンプルな見送りに憧れている人の中には、「葬儀もいらなければ、墓もいらない」と考える人もいるでしょう。散骨を行えば、お墓を作る必要はありません。散骨にはどんな方法があるのか、お金はどのくらいかかるのかについて解説します。

散骨は違法ではないが、法律に守られているともいえない行為

現在の法解釈では、散骨は必ずしも違法とはいえません。しかし30年ほど前までは、散骨は違法であると思われていました。1991年、市民団体である「葬送の自由をすすめる会」が公開鎖骨を行ったとき、法務省が「祭祀として、節度をもって行われる限り、問題はない」という見解を引き出しました。その後、散骨は徐々に行われるようになっていきます。

ただ、散骨に関する法律がないのは、30年前も今も変わりません。つまり、散骨は法律によって「合法」と認められているわけではないのです。国のお墨付きがないということは、散骨を行って何らかのトラブルになったとしても、法に守ってはもらえないということ。散骨への感情は人それぞれなので、マナーやルールに則った散骨をしなければなりません。

散骨で守りたい4つのマナー

散骨で守るべきルールやマナーとしては、2021年に厚生労働省が出した散骨事業者向けのガイドラインが参考になります。次の4つを満たせば、散骨事業者のみならず、遺族が自力で散骨することが可能です。

他人の土地に無断で散骨しない

陸地で「誰の土地でもない場所」を探すのは困難です。よって散骨の多くは海洋で行われています。海水浴場や漁場の近くを避け、人目につかない場所まで船を出して散骨します。
ただし、広い山林を所有している人や、山林の所有者から散骨の許可を得た人であれば、問題なく陸地に散骨できます。

粉骨する

粉骨とは、遺骨をパウダー状に砕くことです。遺骨をそのまま撒くと、事件性のある人骨と区別がつかなくなってしまいます。間違いなく弔いとして遺骨を撒いたことの証として、粉骨を行います。
粉骨は、散骨業者に依頼すれば行ってくれます。遺族が乳鉢やフードプロセッサーのような機械を使って、遺骨を砕く例もあります。

埋めずに撒く

お墓として許可を得ていない場所に遺骨を埋めると、違法行為になります。散骨は、あくまで遺骨を「撒く」行為です。

自然環境に配慮する

自然に還らないものを撒かないようにしましょう。散骨場所に骨壺を放置してくる、お供え物としてジュース缶を置いてくるなどの行為は避けます。

参考:散骨事業者向けガイドライン(厚生労働省)

最もシンプルな散骨:所有している山林に遺族が散骨【0円】

先に紹介した4つのマナーを守れば、遺族自身で散骨が可能です。所有している山林に散骨を行えば、0円で遺骨の弔いができます。お墓を買わずに済むため、何十万円も節約できるでしょう。

所有地に散骨する場合、隣接地に迷惑がかからない場所を選びましょう。住宅地の庭に撒いてしまうと、ご近所から苦情が出る恐れがあります。

また、風で遺灰が舞うと、散骨を実施する人が遺灰をかぶってしまうことがあります。風向きを考え、木の根元などへ静かに撒くなどして工夫しましょう。水溶性の紙に遺灰を包み、草原などへそっと置いてくるのもおすすめです。雨が降れば紙が溶け、遺灰が撒かれます。

経済的、時間的に負担のない散骨:散骨業者に依頼して委託散骨【5万円】

委託散骨とは、骨壺を散骨業者に預け、実施する日時や場所を業者にお任せする散骨です。遺族は散骨に立ち会いません。散骨された後には、散骨を実施している現場の写真や散骨証明書を送付してもらえます。

委託散骨の費用相場は5万円程度。散骨業者は船を出して海洋散骨を行いますが、複数の遺骨を一度に散骨できるため、一件あたりの費用が安くなります。遺族は遺骨を業者に郵送すれば手続き完了なので、最も負担のない散骨法であるといえるでしょう。

思い出に残る散骨:散骨業者に依頼して立ち会い散骨【25万円】

委託散骨では味気ないと感じる遺族には、立ち会い散骨がおすすめです。立ち会い散骨とは、散骨業者が出す船に同乗し、遺族自ら遺灰を海に還すものです。
立ち会い散骨の費用は25万円程度。一家族が散骨するために船をチャーターすることになるため、委託散骨より費用はぐっと高くなります。「身内が眠る海を、この目で見たい」「自分の手で家族を海に還してあげたい」と願う人におすすめです。

こんな散骨もある

上に紹介した3つの散骨方法は、山林や海へ散骨するための方法です。散骨方法には、「空」へ遺灰を撒くものもあります。費用が少し高くなりますが、宇宙に憧れのあった故人のためにと選ぶ人がいます。検討してみましょう。

バルーン宇宙葬

巨大なバルーンに遺灰を込め、大空へ放ちます。バルーンは成層圏まで到達した後、破裂することで散骨が実施されます。宇都宮市の「バルーン工房」が初めて手がけ、全国規模で代理店、協力店が増えてきました。
バルーン宇宙葬の費用は30万円ほどで、別途、バルーンを安全に飛ばすための土地を借りる借地代や、スタッフの交通費がかかる場合があります。

宇宙葬

少量の遺灰を込めたカプセルをロケットなどへ搭載し、宇宙へ打ち上げます。打ち上げられた後、すぐに遺灰が宇宙空間へ撒かれるケースもあれば、人工衛星に搭乗させて地球を周回するケースもあります。月面へ遺灰を届けるプランを設けている会社もあります。
宇宙葬の費用は50万~300万円ほどです。ロケットは天候等により打ち上げが中止になる可能性があり、実際に宇宙へ散骨されるまで何年も待たなければならないかもしれません。また、宇宙へ行ける遺灰はほんの少しなので、残った遺骨をまた別の場所に弔う必要があります。注意しましょう。

遺灰を込めるカプセル

散骨に憧れがあるなら、早いうちから情報を集めておこう

自分で自分を散骨することはできません。希望通りに散骨されるためには、散骨場所や依頼業者を決めておき、散骨費用についても用意しておく必要があります。気になる散骨業者があったら、見積もりをもらっておきましょう。そして、希望がある程度固まったら、しっかり家族に伝えておくことが大事です。


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